主流は木質系床材 注目のSPC床材も[建材ピックアップ](31)|タイムス住宅新聞社ウェブマガジン

沖縄の住宅建築情報と建築に関わる企業様をご紹介

タイムス住宅新聞ウェブマガジン

家づくりのこと

家づくり

2024年6月28日更新

主流は木質系床材 注目のSPC床材も[建材ピックアップ](31)

面積が広く、室内の印象や快適さにも影響する床。床材にはいくつか種類があり、それぞれにメリットや注意点がある。主流の木質床材と、扱いやすい樹脂系の中でも人気が高まっているSPC床材をピックアップ。特徴や選び方のポイントについて販売会社2社に聞いた。

 木質床材 

温湿度の変化に強い 天然木はチークが◎


木質床材には、天然木の温かみと風合いが魅力の無垢材と、天然木を薄く削り合板などの表面に貼った複合フローリングがある。

無垢材は丈夫で耐久年数が長く、経年変化で色や風合いが増すのも魅力。呼吸し、空気中の水分を吸収・放出する性質があるため「高温多湿な沖縄では、湿度や乾燥による反り、曲がり、収縮などの変化が少ない木材を選ぶのがお勧め」と、沖縄イゲトーの野原辰仁さんは話す。


=  =  =  =  =  =  =


色・模様・質感さまざま 幅広は高級感も

さまざまな色、模様、質感が魅力の無垢の床材​



無垢材の断面。厚みの分、研磨して手直しできる


無垢材は何枚か並べて見ると、仕上がりの雰囲気がイメージしやすい。1枚1枚の幅が広いタイプ(右)が高級感が出る

創業50年 チークだけで15種類
㈱沖縄イゲトー(南城市)

創業50余年、天然無垢材を用いた建材メーカーの老舗、沖縄イゲトー。気候風土に合った住空間づくりを目指し長年、建築資材の開発と供給に取り組んでいる。無垢材を中心に、住宅から店舗、公共施設まで、利用シーンや施工場所の用途に応じて最適な床材を提案。インドネシアの協力工場から輸入するチーク材は、塗装の手法や幅の異なる15種類をそろえる。

◆問い合わせ/同店(電話=098-947-3410)
 

​=  =  =  =  =  =  =


チーク・ナラ・カバ桜も

沖縄で人気の無垢材はチークのほか、部屋を明るくする白系のナラ(オーク)やカバ桜、高級感のある黒系のブラックウォルナットなど。色合いや木目の美しさといった見た目に加え「足あたりの柔らかさなども床材選びの参考に。幼児や高齢者のいる家庭や施設なら、歩きやすさ、転んだ時の安全性という点でカバ桜はお勧めです」と野原さんは強調する。


チーク無垢材の中でも幅広の120㍉を使うと、高級な雰囲気に(ジィ・エイチ・エス沖縄提供)​

安価な複合フローリングも

複合フローリングは、無垢材に比べ温湿度の変化に強く、安価なのが利点。耐久性と深い傷に弱いのは注意点だ。一方「無垢材は、表面を磨くと新品同様によみがえる。5回程度は研磨し直せます。表面を削った後、着色すれば、リフォームの際に雰囲気を変えることもできます」と野原さん。初期投資、ランニングコストも踏まえて検討を。
 

 SPC床材 

本物のような木目 置くだけタイプも!


賃貸住宅やリフォームにも

この数年、人気が高まっているのが、見た目が本物と区別がつかないほどきれいな木目模様のあるSPC床材だ。接着剤はほぼ不要。置いて連結するだけなので、短時間で施工できるのが魅力だ。

ジィ・エイチ・エス沖縄で取り扱うSPC床材「デコクリック」は、見た目や質感の高級感に加え「人への悪影響が懸念されるフタル酸や重金属を含まず、地球環境にも配慮。傷や汚れ、水に強い表面加工が施されているので、ペットがいるご家庭にもお勧め」と大城さん。色、模様が違う11種類がそろう。


​=  =  =  =  =  =  =


色・模様・質感さまざま 幅広は高級感も

デコクリックのシルバードティンバーカラーを使った施工事例。スモーキーで上品な仕上がり(ジィ・エイチ・エス沖縄提供)


表面に独特の凹凸感のあるクラシックヒッコリーカラーのデコクリックで仕上げた(上下の写真2点はジィ・エイチ・エス沖縄提供)


デコクリックは色も多彩​

アイテム数は90以上 ショールームで体感!
ジィ・エイチ・エス沖縄㈱(宜野湾)

インドネシアで計画的に管理・伐採されたチーク無垢フローリングをはじめ、SPC床材「デコクリック」など、90以上のアイテムを取り扱っているジィ・エイチ・エス沖縄(株)。宜野湾市に構える本社2階にはショールームがあり、さまざまな商品を実際に見て、触れて、質感や風合い、香りを確認することができる。ショールームは完全予約制。

◆問い合わせ/同社(電話=098-898-0102)
 

​=  =  =  =  =  =  =



カッターで切れ、取り外して再利用することもできる。「原状回復が容易にできるため、入居者の出入りが多い賃貸住宅建築や、リフォームでのニーズが高いです」

注意点は下地の状態と直射日光。「リフォームの際、弱った下地の上に置くとポコポコしたり、外れやすくなります。また、直射日光で伸びる可能性があります」と話した。


デコクリックは置いて連結するだけ


編集/比嘉千賀子(ライター)
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第2008号・2024年6月28日紙面から掲載

この連載の記事

この記事のキュレーター

スタッフ
週刊タイムス住宅新聞編集部

これまでに書いた記事:2395

沖縄の住宅、建築、住まいのことを発信します。

TOPへ戻る