家づくり
2025年6月20日更新
試し学んで介護力アップ|最新の福祉機器や用具[介護を支える 住まいの工夫㊻]
介護が必要な人も、介護をする人も、安心して安全に暮らせる住まいの整え方を紹介。今回は、福祉用具や介護情報の発信に取り組む沖縄県介護実習・普及センターに、7月開催予定の福祉機器展などについて話を聞いた。

最新の福祉機器や用具
試し学んで介護力アップ
介護の知識、更新を介護は突然始まり、誰もが初心者からスタートする。家族の状態はどんどん変わっていく中で、「どう対応していいかわからない」という不安を抱える人は多い。
「沖縄県介護実習・普及センター」は、「高齢社会は県民全体で支える」という考えのもと、福祉用具の展示や在宅介護に関する相談、一般県民・介護従事者向け講座を開催。「見る、触れる、試す、学ぶ」を通した介護力のサポートと普及活動を行う。
同センターを運営する沖縄県社会福祉協議会いきいき長寿センター所長の新川伸一さんは、「介護に関しては思い込みによる知識もあり、正しい情報を得ることで、目からうろこの発見があることも少なくない。また、講習会を全て受けても、全部を覚えて実行するのは難しいため、定期的に学び直せる場があることの意義は大きい」と話す。
見て、触れて、相談できる
介護の情報発信拠点

県総合福祉センター東棟1階にある介護実習・普及センターの常設展示場。認知症の高齢者の見守りに便利なGPS端末を収納できる靴など最新用具の他、車いす、ベッド、リフト、入浴、住宅改修に関するコーナーもあり、介護に関する相談もできる介護の情報発信拠点

専門家からヒントを
毎年注目を集める「福祉機器展」が、今年は7月4日(金)、5日(土)の2日間、沖縄県総合福祉センターで開催される。全国から約50社のメーカーが出展。入浴介助の負担を軽減する「泡シャワー」や、移乗介助ロボットの防水対応モデル、認知症高齢者の見守りに役立つ衛星利用測位システム(GPS)端末を収納できる靴など、最新技術を取り入れた注目の最新機器が並ぶ。また今回は防災にも利用できる福祉用具の展示にも力を入れ、20社以上のメーカーが対応するなどボリュームアップ。どれも実際に触って、試せるのが魅力だ。
会場では「排せつケアと紙おむつ」「転倒予防と住宅改修」「床擦れと栄養管理」「車いす選定のポイント」をテーマにした研修会も行われる。センター職員の譜久里敬子さんは「介護おむつは、赤ちゃん用おむつと違い、種類やサイズ、形態、選び方のポイントなど知っておきたい情報が多く、専門家の話を聞くことで新たな発見が得られる」と話す。同職員で福祉用具専門相談員の福永貴子さんは「福祉機器の技術は日進月歩。インターネットでも情報は得られるが、実際に見て、触れて、試せることが展示会の大きなメリット。メーカーに直接質問できる貴重な機会でもある。介護の悩みを解決するヒントが得られるかもしれない。私自身、とても楽しみ」と目を輝かせる。
新川さんは「介護の知識や技術は、介護中の人だけのものではない。いつか自分自身や大切な人が介護を必要とするかもしれない。そのときの備えとして、ぜひ気軽に足を運んでいただき、見て、触れて、試して、自分に必要なものを見つけ情報を持ち帰ってほしい」と来場を呼びかける。参加無料で、セミナーは要予約。
問い合わせは
沖縄県介護実習・普及センター
TEL:098・882・1484

左から沖縄県社会福祉協議会いきいき長寿センターの仲村政利さん、新川伸一さん、沖縄県介護実習・普及センターの福永貴子さん、譜久里敬子さん
取材/赤嶺初美(ライター)
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第2059号・2025年6月20日紙面から掲載