企業・ひとの取り組み
2025年6月13日更新
【人物紹介】夫からのバトン 次世代へ|ハウス産業株式会社 代表取締役の照屋直子さん[ひと]
2020年にハウス産業株式会社の代表取締役に就任した照屋直子さん(72)。照屋さんは「1988年に創業し、現在に至るまでさまざまな困難を2人で超えてきた。当社を次の世代に託し、これからも沖縄で必要とされる企業でありたい」と話す。
エアコンのレンタルに注力

ハウス産業 株式会社
代表取締役
照屋 直子さん
〈プロフィル〉
てるや・なおこ/1952年 伊是名村出身。東京の短大を卒業後、11年間幼稚園で教員として働く。帰沖後、後に夫になる守道さんが起業した会社に入社。2020年、ハウス産業の代表取締役に就任。趣味は料理をする事、食べる事、旅行する事。
◆ハウス産業株式会社
うるま市字江洲598-20
電話0120-121-329
https://house-sangyo.com
―これまでを振り返って
高校卒業後、東京の短大に進学し、そのまま11年ほど幼稚園の先生をしていました。その後沖縄に戻り、仕事をどうしようかと考えていたときに社員の募集をしていたのが、現在の「ハウス産業」の前に今の主人が経営していた会社でした。県外に荷物を郵送する業務をしており、私も荷物を集めるため、国際通りによく行きました。
アイデアマンの主人は、当時流行した家事代行のドラマを見て、「東京では家事代行が認知されつつあるから、今後間違いなく一般的になる。事業化できるに違いない」と結婚後に設立したのが「ハウス産業」です。
ところが沖縄ではまだまだ理解が得られず、苦戦していました。そこで目を付けたのが、新築の引き渡し前のハウスクリーニング。今でこそ業者に頼むのが当たり前ですが、それまでは大工の方が清掃作業をしていたんです。それを私たちが代わりに行いますと、一軒一軒回って営業を行いました。これが大ヒットし、一番忙しかったころは学校や病院、ホテルの清掃なども行っていました。
ですが経営は順風満帆とはいかず、主人が病気になって1年ほど入院している間に従業員が3分の1の人数まで減ったこともありましたし、新規事業の失敗や、現在は返済しましたが、多額の負債を抱えたこともありました。
さまざまな出来事がありましたが、なんとか会社は存続し、5年前に主人が相談役に、私は代表取締役に就任しました。次の社長候補であるおいが経験を積むまでの間、この会社を存続させるため業務に励んでいます。
―事業内容は
現在力を入れているのが、5年前から新たに始めたエアコンのレンタルサービスです。エアコンの設置、点検、修理、清掃を全て自社で行えるのが強み。ルームエアコンなら、月々3520円で新品の状態からレンタルができ、5年の期間中は洗浄サービスも付きます。期間中の修理補償もついてる上に、条件付きですがレンタル期間の満了をもって引き渡しも行っています。個人からの依頼の他に、自治体や公共施設からの案件も増えています。
―これからの抱負は
私の役割は40年近く主人と共に続けたこの会社を次の時代につなぐことです。それまで従業員が気持ちよく働け、これからも沖縄で必要とされる会社でありたい。これからは空調機器専門に軸足を移し、「エアコンレンタルや清掃と言えばハウス産業」と言われるような企業を目指します。

女性スタッフも活躍。「空調設備のレンタルはハウス産業にお任せください」とスタッフ
大ヒットの裏側
24時間行動ともに

ほほ笑む照屋直子代表取締役と同社相談役の照屋守道さん(右)
創業当初、伸び悩んでいたハウス産業。大ヒットした新築のハウスクリーニングが生まれたきっかけは、営業の「新築の物件なら掃除を必要としてますし、どこにあるかも分かるので営業もしやすいです」という一言から始まった。
忙しかった時期は、「共に現場に出て仕事をこなしており、何をするにしても24時間一緒に行動していました。だから行動も似てますし、何を考えているかもなんとなく分かるんです」と直子さんは語った。
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取材/伊波克朗
毎週金曜日発行「週刊タイムス住宅新聞」
第2058号・2025年6月13日紙面から掲載