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2025年6月27日更新

食を通じ沖縄の魅力発信|寺山優子さん(フード&マルチプロデューサー)|家々人々[157]

「沖縄の食や文化などその魅力を広く発信したい」と23年間勤めた会社を辞めて独立。イベント企画やフードプロデュースを行う寺山優子さん(50)。人やモノ、コトとのつながりを大切に活動している。

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食を通じ沖縄の魅力発信

てらやま・ゆうこ/1975年、東京都出身。東京に本社のあるイベント・コンベンションの会社で国連、政府、行政、大学や医療機関をはじめ国内外の業界イベントプロデュースを担当。東京、北海道、仙台勤務を経て2020年、沖縄へ。沖縄コンベンションセンターの副館長を務める。23年、退職し独立。イベント企画やフードプロデュース、人材開発・教育事業など多方面で活躍。


ー沖縄移住の経緯は?

以前の職場で沖縄コンベンションセンターの管理に携わり、副館長を務めることになったのがきっかけです。コロナ禍でイベントの延期やキャンセルが相次ぎ、予定より任期が延長しました。その前は北海道に10年いたので地方勤務には慣れていましたが、コロナ禍で本来の業務はほとんどできない状況でした。


ー退職を決意した理由は?

3年後、会社から東京に戻るよう言われましたが、沖縄に可能性を感じていたんです。それで23年間勤めた会社を辞めました。コロナをきっかけにオンライン活動や発酵食品への関心も広がり、生活スタイルが変わったことも理由の一つです。


ー沖縄でフードプロデューサーの仕事をするわけは?

以前から食べることや料理が好きで、生産者支援にも携わっていました。沖縄の文化を知りたいと松本料理学院に通い、さらに関心が強くなったんです。私の仕事の本質は「何かと何かをつなげること」。外のいいものと沖縄のいいものをつなげることで、新しい価値を生み出したい。和歌山県の梅と屋我地島の塩を使って梅干しを作ったり、北海道で沖縄の塩を販売したり。現在メニュー開発で関わっている「米や松倉」では、宮城県のお米に、本部町で作られたみそやこうじ、京都の無添加だしを使い、各地のいいものを沖縄の人に知ってもらう取り組みをしています。

また、国際協力・交流に関する事業を行うJOCAの「うちなーんちゅーたー養成講座」にも参加しており、クラブ活動で「食を通じて世界旅行Vol.3 ペルー編」というイベントも7月13日に行います。ペルーのコーヒーを通じて、移民の歴史や文化を皆さんと共有できればと思っています。


ー今後の目標は?

将来は、多くの世代が集える場所を作りたい。昼間はお母さんたちがお茶や習い事をする場所、夕方になると子どもたちが「ただいま」と言って勉強を始め、夜は皆で一緒にご飯を食べて帰る場所。そんなスペースが理想です。

人生の最期は、お葬式で違うカテゴリーの人たちが集まって盛り上がる、そんな状況を作りたい。人と人をつなげ、広げていくのが私の得意なことで、やりたいこと。コラボレーションを通じ、沖縄から全国や、世界へとつながりを広げ、新しいものが生まれる場を作り続けたいです。


 現在の住まい 

「退職を決めた翌日に見つけ、窓からの景色を気に入り、すぐ契約を決めた」というマンションに住む寺山さん。高台にあり、海を見渡す眺望と好きな植物に囲まれる生活をしている。
 


自然の力に感動

最近和歌山県に行き、無農薬で梅を栽培している畑で直接収穫させてもらいました。その梅を使い、梅酒や梅シロップなどを漬けていて、毎日わくわくしながら世話をしています。仕上がったらカフェメニューで提供する予定で、楽しみにしています。

 
◇    ◇    ◇
 
 
 ホッ と空間
観葉植物のあるリビング
「東京、北海道、仙台、沖縄と暮らしてきて、私は緑が好きなんだと改めて感じたんです」と笑顔で話す寺山さん。料理教室を開く自宅リビングはたくさんの観葉植物があり、「受講生の皆さんが癒やされると言ってくれるんです」とほほ笑む。
 

取材/赤嶺初美(ライター)
毎週金曜日発行 週刊タイムス住宅新聞
第2060号・2025年6月27日紙面から掲載

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