梅雨明けても多湿続く夏 カビ予防の知恵&掃除術|プロが伝授 おそうじ術⑮|タイムス住宅新聞社ウェブマガジン

沖縄の住宅建築情報と建築に関わる企業様をご紹介

タイムス住宅新聞ウェブマガジン

沖縄建築賞アーカイブ

家づくりのこと

インテリア

2025年6月13日更新

梅雨明けても多湿続く夏 カビ予防の知恵&掃除術|プロが伝授 おそうじ術⑮

ハウスクリーニングを行う㈱サンジュの宇江城雄斗代表が、さまざまな場所・モノのお掃除術を紹介。今回は、カビ予防と掃除術を紹介します!

インテリア

タグから記事を探す

ハウスクリーニングを行う㈱サンジュの宇江城雄斗代表が、さまざまな場所・モノのお掃除術を紹介。今回は、カビ予防と掃除術を紹介します!

梅雨明けても多湿続く夏 カビ予防の知恵&掃除術

 早  くも梅雨は明けましたが、年間を通じて気温も湿度も高い亜熱帯気候の沖縄は、カビが発生しやすい地域です。 

気が付いたら「壁に黒カビが…」「クローゼットから変な臭いが…」なんて経験がある方は多いでしょう。私も昨年の梅雨明け、クローゼットにしまっていた革製のカバンがカビまみれで出てきました。 

そこで今回は、家の中でカビが特に発生しやすい場所とその予防方法、カビが発生してしまった場合のお掃除術まで、プロ目線でご紹介します。


家の中の〝カビの温床〟
まずは「家のどこにカビが生えやすいか」を知っておくだけで、カビの予防も掃除もぐっとラクになります。

①クローゼット・押し入れ
通気性が悪く、湿気がこもりやすい場所です。衣類や布団にカビが移ることも。

②エアコン内部 
冷房を使用する時期は、内部にカビが残っていることが多く、冷風と一緒に部屋中に拡散されてしまう恐れがあります。

③窓のサッシやカーテン
窓周辺は結露がたまりやすく、カーテンの裏やレール下にいつのまにか黒カビが…というケースも多いです。 

④玄関・靴箱 
靴底や表面がぬれた靴をそのまま収納すると、靴底や棚にカビが発生しやすくなります。

⑤洗濯機のゴムパッキンや洗剤投入口 
湿気が残りやすい上に見えにくく、気づいた時にはカビで真っ黒…という場合もあります。
このようにカビは、水回りだけでなく湿気が溜まりやすい場所に発生しやすい傾向にあります。


こすり掃除は禁物
次に、カビ対策について。基本は湿気をためないことです。とはいえ、雨の日に無理に窓を開けて換気をすると、かえって外の湿気を取り込んでしまいます。そんな日は除湿器やエアコンの除湿機能を活用しましょう。その際、各居室や収納の扉も開けて家全体の空気を循環させることがポイントです。市販の除湿剤や重曹を活用する方法もあります。

もしカビが発生しても、慌ててこすり掃除をするのはNG。逆効果になる場合も…。カビの種類や発生した場所によって洗剤や掃除の仕方が違います。例えば浴室の黒カビは塩素系洗剤、布製品は酸素系漂白剤で洗濯するなど。詳細は19面を参考にしてください。

 
◆   ◆

沖縄では、湿気との付き合いが欠かせませんが、日々のちょっとした工夫で快適さは大きく変わります。ぜひ「カビ知らずの快適な暮らし」を実現していきましょう。
 
◇  ◆  ◇  ◆  ◇
 
カビ予防のポイント

①「換気」で湿気を逃がす
できるだけ各居室のドアを開けて、広い空間で空気を動かすのがポイントです。外出中などはリビングのエアコンを除湿運転で稼働させ、家全体の空気が循環するようにしましょう。クローゼットや押し入れの扉も日中は少し開けておくだけで、湿気がこもるのを防げます。

②「除湿」が大切
市販の除湿剤を活用するほか、重曹を小皿に入れて置くのもおすすめ。靴箱やクローゼットの奥に設置すると効果的です。除湿剤は置き放しではなく、2カ月に1回は交換を。

③エアコン使用後は「送風」で内部を乾かす
冷房を使用した後のエアコンの内部は気温差で結露しやすく、水滴が多くたまります。結露が残ったままだと、エアコン内部でカビが繁殖し、それが冷気にのって室内に広がってしまう恐れもあります。エアコン内部は見えないため気付きにくい場所ですが、使用後は「送風」にして内部を乾かしてカビ対策をしましょう。
 
◇  ◆  ◇  ◆  ◇
 
カビの掃除術

黒カビには塩素系洗剤
浴室や水回りのカビには、塩素系のカビ取り洗剤をスプレーして10〜15分放置。その後、水でしっかり洗い流すか、ぬれ布でふき取ります。こすらず「つけ置き」がポイントです。 

布製品は洗濯&乾燥
カビの発生を防ぐためにはしっかり乾燥させることが何より大切です。カーテンなどの布製品にカビが生えた場合は、まず洗濯表示を確認し、酸素系漂白剤を使って洗濯します。白い布であれば、塩素系漂白剤も使用可能です(ただし使用前に目立たない部分でテストをしましょう)。 

乾燥させるときは、乾燥機や浴室乾燥機、除湿機を併用した部屋干しがおすすめ。湿度の高い時期は自然乾燥だけでは不十分なこともあるため、短時間でしっかり乾かすことがカビ再発防止のポイントです。

木製家具や壁紙は中性洗剤+アルコール
塩素が使えない素材には、中性洗剤を薄めて拭き掃除後、アルコールスプレーで除菌して、カビの再発を防ぎます。




執筆者(うえしろ・ゆうと)
1995年、うるま市石川出身。株式会社サンジュ代表。同社ではハウスクリーニングのほか、料理などの家事代行業や庭掃除事業も行う。
(電話=0120・547・252)
http://sunju-okicaji.com/hp/

毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第2058号・2025年06月13日紙面から掲載

インテリア

タグから記事を探す

この連載の記事

この記事のキュレーター

スタッフ
週刊タイムス住宅新聞編集部

これまでに書いた記事:2608

沖縄の住宅、建築、住まいのことを発信します。

TOPへ戻る