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2020年3月20日更新

春です!庭づくりのポイント総集編|イングリッシュガーデンin沖縄

イングリッシュガーデン in 沖縄[vol.23]沖縄でイングリッシュガーデンづくりに挑戦し続ける北めぐみさんに、庭づくりのコツを教えてもらう当連載も今回で最終回。最後に、「沖縄イングリッシュガーデン」の楽しみや作り方のポイントをおさらいします。

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昨年の2月にウチの庭をリニューアルしました。植物を植え直して約1年、夏を越した樹木や草花たちが成長し、少しずつ庭になじみ始めました。年数を重ねるごとに大きくなっていくものや、中には枯れてしまうものもありますが、庭は常に変化し続けるからこそ楽しいのだと思います。


4~5月に最盛期を迎える庭ですが、にぎやかになってきましたよ。夏でも元気に咲き続けるサルビアやルリマツリ、年中葉色が美しいカラーリーフなど多年草の間に季節の一年草を植えています。今からはブルーレースフラワー、オルレア、ニゲラ、カンパニュラなどが次々に咲いてきます


11月にばらまいた余り種のイベリスキャンディータフト(高性種)。ポットにまいてから定植もできますが、直まきが断然おすすめ! 株張りも良く、かわいい花がたくさん咲きます


最終回だけど挑戦は続く

イングリッシュガーデンに憧れる私が沖縄で庭づくりを始めて約10年。今でもワクワクの連続です。植物を知れば知るほど新たな発見があり、むしろ始めたころより今の方が楽しいです♪
 
ヨーロッパ原産の多い園芸植物を沖縄でもうまく育てられるようになったこともありますが、何より、沖縄の風土に合った植物を生かしつつ私なりの表現でイングリッシュガーデンに挑戦できているからでしょう。
 
初めのころは、沖縄の風土に合っていない植物にこだわることは、植物に無理をさせているだけで園芸家として間違っていると思われるかな、など葛藤もありました。でも、たくさんの花好きの方々に出会い、共感してくれる方がいることに気づき、「いろいろな形の園芸があってもいいのかな?」と思えるようになりました。

沖縄でイングリッシュガーデンといっても、本場とは気候も風土も違います。だから同じでなくてもいいと思います。私らしい庭が育ってきていることが喜びです。
 
庭づくりは、植物を通して自分の感性や創造性を表現できるステキな趣味だと思います。永遠に完成することはない私のイングリッシュガーデンへの挑戦はこれからも続きます。

2年間、当連載を読んでいただき本当にありがとうございました。これからも私の沖縄イングリッシュガーデンづくりは続きますので、ぜひお庭を見に来てくださいね。これからも、庭づくりや植物を通してたくさんの方々に出会えますように♪


大きめの鉢植えにも一年草のパンジーやビオラを植えています。合わせて多年草のヘデラや四季咲きのペチュニア類を植えているので、一年草が咲き終わっても花が途切れることはありません。色合いを合わせておけば同時に開花し、花いっぱいの美しい時期も楽しめます


★庭づくりのポイント

好きではじめた庭づくりですが、今ではお仕事として個人邸のお庭も手掛けさせていただいています。下写真は、私が初めてつくらせていただいたお庭です。沖縄での庭づくりで学んだことをまとめてみました。


浦添市で花いっぱいのエステサロンをされているO様宅の庭。私の人生の転機になった、思い入れのある大切な庭です。ミントグリーンのパーゴラを建てて、アンティークれんがとモルタルで花壇を作りました。そして、昔からあった井戸も残してデザインしました。いつも愛情深くきれいにお手入れされていらっしゃいます


1・土が一番大切!

お花を買うのは楽しいけど、「土にお金をかけるのはもったいない…」なんて思っていませんか? 植物にとって土はオウチ。沖縄特有の赤土や粘土土は水はけが悪く、園芸種の植物が育ちにくいです。

土を改良すればいろいろな植物が植えられるので、園芸が100倍楽しくなりますよ! 高温多湿の沖縄でも、植物たちは夏越ししやすくなりますし、土が固くなりにくいので草取りも楽です。

【北めぐみ流の土の配合】
・庭土の場合/赤玉土(中粒)6:腐葉土4(バーク堆 肥でも良いが保水性が劣る)+有機肥料(牛ふんなど)+元肥
・鉢植えの土の場合/赤玉土(小粒)6:腐葉土4+元肥



2・お庭の骨格を決める

庭づくりは風景をつくること。季節の花を毎シーズン植え替える花壇とは違いますので、一度植えたら年々大きく成長する樹木や多年草でベースを作ることが大切です。

植物の性質を知り、成長したときのサイズや姿を想像しながら植栽しましょう。

多年草はある程度、間隔を開けて植え、その間に一年草を植えて季節の彩りを足すと良いでしょう。こうすることで植え替える手間も少なくなりますし、一年を通して変化のある美しい庭になります。


3・植物の“共演”考える

花屋さんで苗を買うとき、好きな花の色違いばかりでそろえると…「あれ? なんか庭がまとまらない…」ということ、ありませんか? それは花選びが問題かもしれません。

植物にも個性があり、すべてが主張するタイプだと、仲良く共演ができません。ドラマの主役とわき役のように、庭にもどちらも必要なのです。 

花を引き立ててくれる葉っぱの植物を植えたり、大きな花のそばには小花のかわいらしい草花を合わせてみましょう。花の色を同じトーンでまとめるやり方も、初心者さんにはおすすめです。


4・植物だけに頼らない

植物が大好きな私ですが、実はステキなお庭は植物だけではつくれないと考えています。自然の草原なら良いのですが、庭はその人の生き方や暮らし方が出るものであり、手入れされてこそ生きる人工の自然だと思っています。そして、庭は家の顔ですよ。

アンティークれんがや石など、素朴なナチュラル素材でできた花壇や小道は、植物をより引き立ててくれるステージです。アーチやパーゴラはつる植物の魅力を引き立たせてくれます。外国風のどこか古びた石やモルタルの壁など、ドラマチックな要素を演出する構造物もステキな庭には欠かせないひとつです。


[素材選びのコツ|人工的でない素材の方が植物に合う]

よく、「ワイヤーメッシュのフェンスにつる性植物を這わせて目隠ししたい!」という要望を受けますが、植物はよほどの管理と条件が合わない限り人間の思うように這ってくれないのが現実。こういう場合は、思い切ってナチュラル感のある木製フェンスに替えることをおすすめします。

最近では、木目調のアルミフェンスも登場していますよ。あまり人工的ではない素材の方が植物と相性が良いです。長い夏と、台風が避けられない沖縄。植物だけに頼ると夏場は寂しくなってしまいます。沖縄だからこそ、庭の構成が重要です。





きた・めぐみ/浦添市でガーデニングショップ「庭のおくりもの」を営む。庭づくりを通し、沖縄を花いっぱいにするのが目標!店舗営業日は木・金・土曜日 098-878-0355 ブログniwano22.ti-da.net



イングリッシュガーデン in 沖縄


毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1785号・2020年3月20日紙面から掲載

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スタッフ
東江菜穂

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編集者
週刊タイムス住宅新聞、編集部に属する。やーるんの中の人。普段、社内では言えないことをやーるんに託している。極度の方向音痴のため「南側の窓」「北側のドア」と言われても理解するまでに時間を要する。図面をにらみながら「どっちよ」「意味わからん」「知らんし」とぼやきながら原稿を書いている。

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