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2018年11月15日更新

11月は植え付けや種まきの適期。理想の庭を形にする頑張り時!|イングリッシュガーデン in 沖縄

[vol.7]ガーデニングシーズン本番。種まきや植え付けなど、やることいっぱい。北めぐみさんは、「この時期に種をまき、『沖縄生まれ、沖縄育ち』にすると、丈夫に育ちます」とアドバイスします。

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沖縄で発芽させよう
沖縄でガーデニングを始めて約10年。毎日が挑戦で、今でも勉強中ですが、一つだけ確信したことがあります。

種から沖縄で育てると、沖縄の気候に適応しやすいということです。本来は沖縄の気候では育ちにくい植物でも、「沖縄生まれ、沖縄育ち」にすると、元気いっぱいに育ってくれます。

さてさて、「沖縄生まれ、沖縄育ち」の植物にするための、種まきの適期はまさに今! 沖縄での種まきの適期は10月下旬~12月いっぱい。早春~初夏に開花する植物全般は、この時期に、寒さに弱い植物は3~4月に種まきするのがベストです。


昨年11月に種まきし、2月下旬に開花したビオラ。暑さに弱いビオラですが種から育て、「沖縄生まれ、沖縄育ち」にすることでたくさん花が咲き、長期間楽しめました!

種が細かいものは、庭に直(じか)まきするのではなく、まずはトレーなどにまくのが良いでしょう。私は使い捨ての弁当トレーにまいて=下記参照=ある程度、成長したら鉢や庭に植え替えます。

種が大きいものや、直根性植物(根が太く真っすぐ下に伸びる植物で、植え替えを嫌う)は、庭に直まきするか、植え替えのしやすいポットまきがオススメです。

【トレーまきをおすすめする種】
パンジー、ビオラ、ロベリア、ストック、アリッサム、ブラキカム、ペチュニア、ナデシコ、ニコチアナ、ジギタリスなど
※種が細かいものはトレーまきが良い

【ポットまきをおすすめする種】
ネモフィラ、リナリア、ストロベリーキャンドル、きんせんか、ニゲラ、アグロステンマ、フロックス、矢車草、ハナビシソウなど
※種の大きいものや直根性植物はポットまき


丈夫な苗つくるには、種から育てる!
苗を買った方が手っ取り早いかもしれませんが、種から育てると沖縄の気候に適応しやすく、丈夫に育ちます。種が細かいものはトレーまきしましょう。発芽までは霧吹きで水をかけたり、土を乾かさないようにすることが大切です。トレーを2枚重ねにしているので、下のトレーに水を入れ、下からの吸水も行いましょう。

種まきに挑戦!
【準備するもの】
・花の種
・使い捨ての弁当トレー2枚
・種まき専用培養土
・はんだゴテ(直径5ミリほどの穴を開けられるものならなんでもOK)



                     

トレーの一枚にはんだゴテで数カ所穴を開け、穴を開けたトレーを上に、開けていないトレーを下にして重ねる


種が重ならないようにまき、軽く土をかける(好光性種子は土をかぶせない)。間隔を開けてまくと、発芽後の間引きなどの作業が楽になる


大体1週間前後で発芽しはじめる。明るい日陰で管理して、芽が出そろったら少しずつ日に当てる。本葉が3~4枚出たら、なるべく根を切らないようにポットに移植する
 


大ある程度、苗が成長したら庭や鉢に定植する
 

庭づくりのコツ
ベースになる植物を決める
メインとなる木の例
まずは、ゆっくりと成長する樹木を数本植えましょう。これが庭のメインとなります。中高木が良いでしょう。最近は洋風の樹木が人気です。マメに剪定(せんてい)をして、あまり大きくなり過ぎないようにしましょう。


ユーカリ・ポポラス。シルバーがかった丸葉が人気。ドライフラワーとしても楽しめる


チョコリーフ(ユーフォルビア)。紅葉のあまりない沖縄でも年中赤い葉が庭に彩りを添える


メラレウカ。写真はレボリュ―ジョンゴールドという品種。黄金葉が目を引く


レモンマートル。葉はレモンの香り。花も楽しめて 半日陰でも育てやすい


低木~小低木類の例
次に低木や小低木を植えましょう。花木や斑(ふ)入り葉などの葉色が美しいものがおすすめです。果樹もこちらに含みます。温暖な地域でも育てやすい、ブルーベリーやレモンなどの柑橘(かんきつ)類の低木も良いと思います!


春から秋まで花期が長いブッドレア。香りも良い。最近は大きくなり過ぎない品種もある


つるバラも美しい景色を作るのに向いている。花の時期でなくても、枝や葉が残り、洋風の雰囲気


料理に使いやすいローズマリーも常緑の小低木。香りも素晴らしい


黄色の斑入り葉が美しいマートル。葉をもむと香りがあり、純白の花もかわいい


年中美しい多年草の例
そして一年を通して美しい、カラーリーフや多年草を植えましょう。フェンスや壁につる性植物を植えると、より自然でロマンチックな景色が作れますよ。


リシマキア・シューティングスター。ピンク色の斑入りがオシャレ


ロータス・ブリムストーン。ライム色の葉が庭を明るくする


ヘデラ・カナリエンシス。暑さに強く丈夫。葉が大きくインパクトがある


野ぶどう。観賞用のブドウで、きれいな瑠璃色の実が付く


ハーデンベルギア。フェンスいっぱいに花が咲くと見ごたえがあります。少し寒さに弱い植物ですが、沖縄の庭にはおすすめです


ロニセラ。とても良い香りの花が咲きます。柔らかい色の花が、クレマチスやバラなど、主役になる植物を引き立ててくれます

残りのスペースに自分の好きな季節の花々で彩りを付けましょう。


樹木や多年草を軸に
さぁ、この時期のガーデナーは忙しいですよ。種まきだけでなく、植え付けに適しているのも今! 最も植え付けに適している季節は10月下旬~3月まで(暑さに弱い多年草は2月まで)です。

早く植え付けしなきゃ! と思っても、どんな植物を植えたら良いのか迷いますよね。

まず、おすすめしたいのがベースになる植物を決めること。ベースになる植物とは、庭の大まかな骨格をつくる植物で、例えば樹木やバラ、つる植物、カラーリーフ、多年草や宿根草も含みます。

これらの植物は、ゆっくりと時間をかけて成長するので、大切に育てれば年月を増すごとに庭になじみ、雰囲気が増してきます。花木や果樹などは季節の変化も感じられます。花の少ない真夏でも、樹木のグリーンを眺めているだけでも涼を感じますよ。

ベースになる植物があれば、庭の年間管理も楽になります。1シーズンごとに庭のすべての植物を植え替えるのは大変です。一年中楽しめる植物をベースに、一部分だけ季節の一年草などを植えて彩りを添えれば、年中見栄えのする飽きのこない庭になりますよ!

右にベースになる植物をいくつか挙げます。難しく考え過ぎず、「この植物いいな!」と思うものを選び、庭に絵を描くように理想の景色を作ってみませんか?



『北さんのお庭』


きた・めぐみ/愛知県で生花店や園芸店に勤務したのち、沖縄に移住。浦添市で小さなガーデニングショップ「庭のおくりもの」を営む。
沖縄県浦添市港川2-29-5(地図
098-878-0355
ブログ:http://niwano22.ti-da.net/​

「庭のおくりもの」
営業時間:午前10時~午後6時、日・月定休。珍しい植物の苗や寄せ植え、ガーデニング雑貨、ポーランド食器を販売しています。庭の見学もどうぞ。インスタやっています!
https://www.instagram.com/niwanookurimono/?hl=ja​


イングリッシュガーデン in 沖縄


毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1715号・2018年11月16日紙面から掲載

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スタッフ
東江菜穂

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編集者
週刊タイムス住宅新聞、編集部に属する。やーるんの中の人。普段、社内では言えないことをやーるんに託している。極度の方向音痴のため「南側の窓」「北側のドア」と言われても理解するまでに時間を要する。図面をにらみながら「どっちよ」「意味わからん」「知らんし」とぼやきながら原稿を書いている。

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