庭・garden
2018年4月20日更新
イングリッシュガーデン in 沖縄『北さんのオキナワンガーデンダイアリー』
イングリッシュガーデンを目指すにあたり、毎月やっておくべき庭仕事を北めぐみさんが伝授。花盛りの4月は、咲き終わった花を摘んだり、植え付けや挿し木をしたりと忙しいそうだ。また、北さんの庭に咲き誇る花々も紹介する。
イングリッシュガーデンを目指すにあたり、毎月やっておくべき庭仕事を北めぐみさんが伝授。花盛りの4月は、咲き終わった花を摘んだり、植え付けや挿し木をしたりと忙しいそうだ。また、北さんの庭に咲き誇る花々も紹介する。
4月のお庭は花盛り。花がら摘みや種の採取、植え付け、挿し木など大忙し!
北さんのオキナワンガーデンダイアリー
(※2)宿根草…毎年花を咲かせる多年草の一種で、生育に適さない時期になると地上部が枯れるが根は残っているので翌年花が咲く
【蒸し暑さに弱い植物】 | 【蒸し暑さに強い植物】 |
マーガレット ラベンダー ペンステモン バラ スミレ ペチュニア カリブラコア バーベナ ローズマリー タイム ブルーデージー バーバスカム アガスターシェ ゼラニウム クローバー スカエボラ |
ニチニチソウ ペンタス アンゲロニア トレニア ユーホルビア ランタナ コリウス センニチコウ セロシア サルビア インパチェンス クミスクチン ベゴニア マンデビラ トウガラシ アメリカンブルー |
庭が一番美しい時期
沖縄の庭が一年で一番美しい時期は3月~6月。ど真ん中の4月は、庭が花盛り。とにかく毎日、花がら摘み(※1)や剪定(せんてい)をしなければなりません。そして、県内では本土よりも一足早く、パンジーやビオラなどが終盤を迎えます。咲き終わりそうな植物は、種を採取しましょう。市販の種の方が発芽率は高いですが、自家採取した種は、沖縄生まれなので高温多湿に強いことが多いです。
種を採取する時のポイントは、しっかり熟させること。良い花を咲かせた花茎は、摘み取らずに残しておき、花のがくの部分がふくらんで熟し、種になるのを待ちます。きれいな緑色のうちはまだ早いです。がくが茶色くなって少しカサカサしてきたらちょっと開いてみて、中の種が固く茶色や黒くなっていたら採取しましょう。
採取後は、種が劣化しないように小さな封筒や紙など、通気性の良いものに包み、植物名と採取日を書いて冷蔵庫の野菜室で保存しておきましょう。
挿し木で暑さに強く
4月は、これからの季節を彩る植物の植え付けや株分け、挿し木にも適しています。
「蒸し暑さに弱い植物」は11月~4月までに植え付け、挿し木や株分けをやっておく必要があります。暑くなると発根しづらかったり、発根しても根が張る前に真夏になって弱り枯れてしまいます。また、「蒸し暑さに弱い植物」は挿し木をすることで、親株よりも暑さに強く夏越しがしやすい性質になることがあります。この自然の不思議を利用して、お気に入りの植物を残しましょう。
この時期は虫たちの活動もピークになります。気温の上昇とともに、特に増えるのがカタツムリ。ふ化したばかりの小さなカタツムリは目立たないので、よく目を凝らして探してください。4月~6月は毛虫がいることもあるので、落葉樹の下や庭の植物を素手で触るときは注意が必要です。
【※1 花がら摘み】
咲き終わった花を摘むこと。花びらの部分を摘むのではなく、花茎の付け根からカットします=写真。枯れた花をそのままにしておくと、植物は種を作ることにエネルギーを使います。種は花が終盤に近付いたころに採取すればいいので、それまでは花がらを摘み、株を大きしたり、たくさんの花を咲かせることにエネルギーを使ってもらいましょう。
【※3切り戻し】
花が少なくなってきたら、思い切って茎をカットします。目安としては株元から3分の1を残す程度=写真。植物は伸ばしっ放しにすると、株は弱々しくなり、花はあまり咲かなくなってしまいます。1本切り戻すと、3本くらい花芽が出てきますので、切り戻しをして株を成長させ、より長く美しい花を楽しみましょう。
イベリスジャイアントホワイト。花も草丈も大きい純白のイベリスです。花持ちがとても良いです。
エキナセア・チェリーフラフ。花は、咲き始めからだんだんピンク色に変化する
手前左側のネモフィラや、その右隣のピンク色のカリブラコアが満開。ネモフィラは春の花、カリブラコアは夏の花。両方の季節の花が同時に開花するのが、オキナワンガーデン!
シノグロッサム。沖縄では3月~5月に開花。ワスレナグサにそっくりですが、こちらの方が長雨に強くておススメです。空色ブルーがとても美しいです
班(ふ)入りの葉が美しいシレネ、その隣のライム色はニコチアナ。ここは光が弱いので、日陰にも耐えうるスミレやワイルドストロベリーを植えています
花の中央に赤紫模様が入っているのがカリブラコア・カプチーノ。その周辺の小さな淡い桃色の花がネペタ。少し高めの植木鉢の足元に植えて、庭に高低差を出しつつも自然に見えるようにしています
ピンク色のグラデーションがかわいらしい春の小花のバージニアストック
毎年植えているカンパニュラ。ぷっくりと風鈴のような大きめの花がかわいい。切り戻し(※3・株元から3分の1だけ残して切る)をすると、5月いっぱいは何度でも花が楽しめます
庭のおくりもの
北さんが営むガーデニングショップ「庭のおくりもの」では、珍しい植物の苗や寄せ植えから、ガーデニング雑貨、ポーランド食器なども販売する。花いっぱいの母の日ギフト=左写真=も展開中。ガーデン施工準備中。
沖縄県浦添市港川2-29-5(地図)
098-878-0355
午前10時~午後6時
日・月定休
ブログ/http://niwano22.ti-da.net/
イングリッシュガーデン in 沖縄
●私の庭物語
●北さんのオキナワンガーデンダイアリー
●肥料の選び方
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1685号・2018年4月20日紙面から掲載
この連載の記事
この記事のキュレーター
- スタッフ
- 東江菜穂
これまでに書いた記事:351
編集者
週刊タイムス住宅新聞、編集部に属する。やーるんの中の人。普段、社内では言えないことをやーるんに託している。極度の方向音痴のため「南側の窓」「北側のドア」と言われても理解するまでに時間を要する。図面をにらみながら「どっちよ」「意味わからん」「知らんし」とぼやきながら原稿を書いている。