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2018年7月20日更新

台風シーズン7月。庭の対策「基本は外に出したまま。防風ネットで覆う」|イングリッシュガーデン in 沖縄

[vol.4]ガーデニングショップを営む北めぐみさんに、高温多湿の沖縄でナチュラルガーデンを楽しむこつを紹介してもらいます。今回は、この時期に欠かせない台風対策について説明します。北めぐみさんは、植物は室内に入れず外に出したまま対策をするそうです。「植物は環境の変化に敏感。室内外に出し入れすると変化に適応できず枯れてしまう場合もある」と言います。

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台風シーズン7月。。
庭の対策「基本は外に出したまま。防風ネットで覆う」




庭の植物は防風ネットで覆います。植物が折れない程度にしっかり覆い、れんがなどで押さえます。草丈の長いジニアなどの植物は支柱を外して横に倒し、その上からネットをしっかり掛けています。これだけしっかり押さえても植物は3日程度で再び立ち上がってきますよ。ブルーシートだと、雨水が溜まって植物が折れてしまう恐れがありますし、植物が蒸れてしまいます。ネットを使用してくださいね

 

環境の変化に注意

沖縄でのガーデニングにおいて、大きな心配ごとの一つが台風。せっかく大切に育てた植物ですから、なるべく守りたいですね。
皆さんは台風時に、植木や花を室内に入れていませんか?実はこれ、あまりおすすめできません。
なぜかというと、植物は気温や湿度などの変化にとても敏感だからです。
室内は停電にならない限り、冷房が効いているでしょう。台風が過ぎ去った後、外に出された植物は涼しく乾燥した部屋から激変する環境に驚いてしまいます。台風後の蒸し暑い外気に適応できず、葉が蒸れて根が腐ってしまい、最悪の場合は枯れてしまうこともあります。冷房が入っていない部屋でも、植物にとって外気が遮断された空間は、ストレスになります。
いろいろな台風対策があるかと思いますが、私は基本的に植物は外に出したままで対策をしています。もちろん、飛びやすいガーデン雑貨などは室内にしまっていますよ。
私の台風対策は、①まず防風ネットで庭全体をしっかり覆います②細かい鉢植えなどは数カ所に集めてネットをかけます。背の高い植木鉢は、横に倒してネットをかけます③直植えの樹木は防風ネットで覆い、フェンスや太い柱などにロープで固定します。
台風が過ぎ去ったらネットを外し、植物にかかった潮を洗い流します。ネットで伏せた植物たちは3日ほどで再び立ち上がってきます。

 

室内に入れる場合は

マンションやアパートなどで、どうしても室内に植物を入れないといけない場合は台風後、外に出すときに注意が必要です。いきなり強い日差しに当てず、日よけなどを活用して少しずつ外気に慣らしてあげましょう。
また、防風ネットをかけるのが不可能な場合、台風シーズンだけは草丈を短くしておくと植物が倒されにくくなり、株は守れますよ。


北さん流 台風対策のポイント

  1. 防風ネットで庭全体を覆います。ふんわり掛けるだけではダメ。植物が折れない程度に、できるだけしっかり押さえるのがポイントです。ネットごと揺さぶられないようにブロックやれんがで押さえて台風が過ぎ去るのを待ちましょう。
  2. 細かい鉢植えなどは数カ所に集めて①と同じようにネットをかけます。樹木などの背の高い植木鉢は横に倒してからネットをかけましょう。
  3. 直植えの樹木は防風ネットで覆った上で、フェンスや太い柱などにロープで固定しましょう。
  4. 台風後はネットを外して、植物にかかった潮を洗い流してあげましょう。日差しが強い場合は夕方まで待って、日が落ちてから潅水しましょう。日が強いうちに水をまくと植物が蒸れてしまいます。

※対策は風雨が強くなる前に行いましょう。ネットが電線などに引っかかると危険なので必ず、しっかりと固定してくださいね。

 

長野県で庭の勉強

毎年6月ごろ、私は長野県に行っています。新しい植物を見に行ったり、庭造りの勉強をするためです。その時に感じるのは、長野県は私が夢見るイングリッシュガーデン風のお庭が比較的造りやすい気候だということ。
沖縄でのイングリッシュガーデン造りはいろいろ難しいことがありますが、一番苦労しているのは植物の適応性を探ることです。
植物は世界中から集められ、品種改良を経て園芸品種として売られています。本来は雨が少なく冷涼な気候を好む種類の植物でも、湿気の多い日本でも育苗が可能なように品種改良されています。それでも日本では夏越しするのが難しい植物も多いのです。
長野県を含む寒冷な地方は夏の高温期が特に短いため、イングリッシュガーデン向きの植物が育ちやすいです。

 

植物の低温要求度

私が沖縄でのガーデニングで最も苦戦していて、一番知りたいのが「植物の低温要求度」です。わかりやすくいうと、植物の中には一定期間(数週間~2カ月ほど)寒さに当てないと花芽がつくられない植物があるのです。キキョウ科やバラ科などの植物はそれが顕著です。
沖縄の冬は最低気温が8度以下にある日が連続しないため、この「植物の低温要求」を満たすのが難しいです。例えばアメリカアジサイ(アナベル)も一定期間寒さに当てないと咲きません。本土では放っていても咲きますが、沖縄では咲かせるのは極めて難しいです。
夏の夜の気温が一定以下にならないと花芽がつかない植物もあります。そんな植物の個性と奮闘し、数え切れないほど失敗もしてきましたが、無理だと諦めていた植物が沖縄でも栽培可能だと確信したときはうれしくてワクワクが止まりません。失敗も含めて、庭造りはとても楽しいです!
何年かかかるか分かりませんが、沖縄ならではの美しい植物も生かしつつ、私流のナチュラルイングリッシュガーデンを完成させたいです♪



今回は番外編 長野県で出合った花々
『北さんが長野県で出合った植物や幸せを呼ぶ!?カメムシの写真や年間のガーデニングスケジュール』




きた・めぐみ/愛知県で生花店や園芸店に勤務したのち、沖縄に移住。浦添市で小さなガーデニングショップ「庭のおくりもの」を営む。
沖縄県浦添市港川2-29-5(地図
098-878-0355
ブログ:http://niwano22.ti-da.net/​

「庭のおくりもの」
営業時間:午前10時~午後6時、日・月定休。珍しい植物の苗や寄せ植え、ガーデニング雑貨、ポーランド食器を販売しています。庭の見学もどうぞ。インスタやっています!
https://www.instagram.com/niwanookurimono/?hl=ja​


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毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1698号・2018年7月20日紙面から掲載

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スタッフ
東江菜穂

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編集者
週刊タイムス住宅新聞、編集部に属する。やーるんの中の人。普段、社内では言えないことをやーるんに託している。極度の方向音痴のため「南側の窓」「北側のドア」と言われても理解するまでに時間を要する。図面をにらみながら「どっちよ」「意味わからん」「知らんし」とぼやきながら原稿を書いている。

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