庭・garden
2019年11月29日更新
直まきでOK ワイルドフラワー|イングリッシュガーデン in 沖縄
イングリッシュガーデン in 沖縄[vol.19]涼しくなり、種まきに適した季節になりました。今回は、庭に直でバラまいても芽吹く、丈夫な「ワイルドフラワー」を紹介します。植物が元気に育つ土作りのポイントもまとめてみました。
▲うちの庭で芽を出したワイルドフラワーたち。余っていた種や、市販の有効期限切れの種でしたが、庭にバラまいたらいろいろ発芽しました♪
私は毎年11月には、種まきをして庭づくりを楽しんでいます。種から育てた苗は丈夫に育ちます。沖縄の気候では育ちにくいと思われる植物でも「沖縄生まれ、沖縄育ち」にすると植物の持つ適応能力が働き、見事に花を咲かせてくれることも多々あります。
今回は、私が種から育てた中でもおすすめの「ワイルドフラワー」を紹介します。
移植に向かない「直根型」
ワイルドフラワーとは名前の通り、強いイメージの花。植えたい場所にワイルドフラワーの種をばらまけば発芽・開花します。
植物には、真っすぐ一本の軸になる根を伸ばす「直根型」と、細かい根を比較的浅く拡張型に広げて伸ばすタイプがありますが、ワイルドフラワーは直根型が多いようです。直根型は発芽後の移植を嫌います。軸となる根を痛めてしまうと、うまく根付かなくなります。ですから、直まきかポットまきが良いとされています。
ワイルドフラワーは一年草に多く、成長が早いため、草丈が高く風に揺らぐお花畑のような庭が手っ取り早く作れますよ。ただし増え過ぎには注意しましょう。
10月下旬~12月が種まき適期のワイルドフラワー
【土をかぶせなくても発芽しやすいタイプ】
・イベリス(高性種 がおすすめ)
・オルレア
・リナリア
・ギリア
★フロックス
・ニコチアナ
・キンギョソウ
・ラグラス
★クレオメ
・シレネ
・ビスカリア
★クラーキア
★は2月いっぱいまで種まきOK
「キンギョソウ」
いろいろな品種があります。どれも育てやすいです。移植もできます。しかし、双葉の状態のときは茎が長く倒れやすいのでポットか庭に直接まくのがおすすめです
「ニコチアナ」
たばこの花の改良種です。とても細かい種で、トレーまきした後、ポットに移植もできます。こぼれ種でも増えます
「リナリア」
こぼれ種でも増えるほど丈夫です。カラーが豊富で風に揺れる小花はとても可憐です
10月下旬~12月が種まき適期のワイルドフラワー
【軽く土をかぶせた方が発芽率が良いタイプ】
・アスペルラ
・セントーレア
(矢車草)
・ニゲラ
・ネモフィラ
・シノグロッサム
・アグロステンマ
・チドリソウ
★ジニア
★アスター
・ルピナス
・ストロベリー
キャンドル
・セリンセ
★は2月いっぱいまで種まきOK
「ルピナスピクシーデライト」
一年草タイプの品種は沖縄でも育てやすく花数も多いです。種は大きくて簡単に発芽します。香りも良いです
「矢車草ブラックホール」
シックな色が人気です。大きくなると倒れやすいので窒素肥料は控えめにしましょう
「セリンセ」
暖かい沖縄では写真ほど濃い花色にはなりませんが、ユニークな姿で目を引くステキなワイルドフラワーです
「ネモフィラペニーブラック」
かわいらしい黒い小花がいっぱい咲きます。ポットまきもできますが移植を嫌うので直まきの方が丈夫に育ちます
※庭をきちんとレイアウトしたい人は無造作に直まきするのではなく、ポットに2~3粒ずつまき、発芽後は丈夫そうな1本だけを残して本葉が5~6枚出るまでしっかり育ててから根を崩さないように定植しましょう
「地力」をあげよう
いよいよガーデニングの季節本番です。私のお庭でもナンクルミー(自生・野生)の草花たちが、雨が降るたびに発芽し始めています。長い夏に耐えられず枯れてしまった花もありますが、それも経験として次のチャレンジにつながっています。
そんな中、ことしの夏に改めて感じたのが「地力」です。文字通り「土地の力」。
あるお客さまのお庭は沖縄の長い夏でも素晴らしい状態を保っていました。聞けば、「自家製の酵素を与えている」とのことでした。野菜や果物を発酵させて作った液体を、こまめに与えているそうです。科学的な根拠はわかりませんが、その庭の土は軟らかく、夏でも植物が元気に育っていました。
私の庭の土は赤玉土と腐葉土と化成肥料の元肥がベースです。水はけは良いのですが、ことしの夏はイマイチ、植物たちの元気がなかった気がします。土の中には目に見えないたくさんの栄養素や微生物、菌がいますが、早春に庭土を新しくしたので、その栄養バランスが崩れたのだと思います。
一方、菜園の土は年に数回、牛糞や鶏糞など動物性の有機質をすきこんで耕し、天地返しをしていたので植物は元気でした。土の栄養バランスが整っていたからなのでしょう。植物を育てることは、土を育てること。やっぱり土って大事ですね!
私のおすすめする基本庭土の作り方
赤玉土(6):腐葉土またはバーク推肥(4)+元肥肥料
これだけでも育ちますが、牛糞や豚糞推肥などを土全体の3割程度加え、さらに液体酵素=下写真参照=を1~2週間に1回ほど入れると土の中に良い微生物が増えて地力がアップします。
▲土壌改良用の酵素はいろいろな種類があり、ホームセンターでも販売されています。メーカーによって希釈や与える頻度は変わりますが、大体1週間に1回程度、水やりついでに水で薄めて土に散布してみましょう
きた・めぐみ/浦添市でガーデニングショップ「庭のおくりもの」を営む。ガーデン施工や庭づくりを通し、沖縄を花いっぱいにするのが目標!ショップ営業日は木・金・土曜日 098-878-0355 ブログniwano22.ti-da.net
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毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1769号・2019年11月29日紙面から掲載
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この記事のキュレーター
- スタッフ
- 東江菜穂
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編集者
週刊タイムス住宅新聞、編集部に属する。やーるんの中の人。普段、社内では言えないことをやーるんに託している。極度の方向音痴のため「南側の窓」「北側のドア」と言われても理解するまでに時間を要する。図面をにらみながら「どっちよ」「意味わからん」「知らんし」とぼやきながら原稿を書いている。