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2024年7月19日更新

暑さに負けない庭づくり|イングリッシュガーデンin沖縄[特別編]

夏本番。蒸し暑い日が続き、「ガーデニングがしんどい…」「花壇が見苦しい状態になっている」という方も多いのでは? 今回は、沖縄でイングリッシュガーデンづくりに励む北めぐみさんに「暑さに負けない庭づくり」を教えてもらいました。

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夏の庭づくり 暑さより蒸れに注意


寂しくなりがちな夏場の花壇も、葉ものの色合いをいかしたり、壁面のディスプレーやオーナメントでにぎやかに


蒸れにくい環境つくる

北さんが沖縄に移住して約15年。海外原産の植物を育てて、〝オキナワンイングリッシュガーデン〟づくりに励む。「何度も失敗し、今も試行錯誤をしているところですが、分かってきたこともあります」

実感しているのは「植物は、比較的暑さには耐えますが多湿に弱い。特に海外原産の植物は乾燥を好むものが多くて、沖縄特有のスコールなどで根が弱って枯れてしまうことも多かった」と話す。

最も大事なのは「蒸れにくい環境をつくること!」。

土作りの段階から「腐葉土の割合を多めにして通気性を良くし、土が硬くならないようにしています」。8年かけてたどり着いた土の黄金比は「赤玉土6:腐葉土4+元肥」だそう。

水やりは「日中を避け、西日が沈んでから与えましょう。日中の水やりは水蒸気で植物が蒸れてしまうほか、水滴がレンズになって葉が焼けてしまう恐れがある」と注意を促す。

ほかにも、北さんが夏の庭づくりで実践している七つのポイントは下記参照

 

北さん流 暑さに負けない庭づくり七つのポイント
鉢植えにし、長雨にさらされないように屋根付きの半日陰で管理する。水やりは乾いてから。
夏越しさせたいお気に入りのペチュニアなどの苗は、ハンギングバスケットや、浅い鉢など水はけの良い鉢に植えてなるべく高い場所や、風通しの良い場所につるす
午前中の水やりは避け、日が沈んでから与える
多年草や宿根草は株分けや挿し木をしてコンパクトに管理して子孫を残しておく。涼しくなったら再び庭へ植え付ける
鉢植えの植物は赤玉土や鹿沼土、小粒の軽石、パーライトなどを混ぜて水はけと通気性を良くする
繰り返し咲きの品種でも、無理に肥料を与え過ぎず、根が元気になる活力剤などで夏ばてを防止する
沖縄ではカタツムリ、カイガラムシ、ヨトウムシ、本土ではナメクジに気を付ける
西日よけのフェンスやシェードを付ける





 

 













 


 



 

カラーリーフだけで彩ったガーデン。「斑(ふ)入りアイビー、ハツユキカズラ、ワイヤープランツなど色や形の違う小さめの葉ものを混ぜて植えている



花以外の彩りを活用

沖縄の厳しい夏は植物にとって過酷な環境だが、人間にとっても辛い時期だ。北さんも「台風でなぎ倒された植物を見て悲しくなったり、見苦しくなった庭に落胆したりすることもありました。大好きなガーデニングがストレスになってしまっては本末転倒です。花だけで景観をつくるのではなくて、構造物やカラーリーフなどを活用しましょう」とアドバイスする。

れんがの花壇やオーナメント、壁面ディスプレーなどの構造物で彩ると、毎日の手入れも楽になる。「カラーリーフも葉の色や形、質感が違う植物を合わせれば十分にぎやかになりますよ。夏場のガーデニングは無理をせず、頑張り過ぎずに楽しみましょう!」と話した。


 北さんおすすめ 土の黄金比 


赤玉土と腐葉土などをブレンドし、よく混ぜる


◆地植えの場合◆
赤玉土(中粒)6:腐葉土4+有機肥料(牛ふんなど)+元肥

◆鉢植えの場合◆
赤玉土(小粒)6:腐葉土4+元肥


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 台風対策 


防風ネットで覆い、れんがやブロックなどの重しでしっかり押さえる。植物は揺さぶられなければダメージをあまり受けない。どうしてもネットをかけられない場合は、草丈を短く剪定(せんてい)しておくだけでもダメージが少なくなる。台風通過後は潮を洗い流すこと。

また、冷房の効いた室内に植物を避難させると再び外に出したときに温度差でカビが生えたり、急激に弱ることも。鉢植えも庭の一角にまとめておき、ネットをかけて重しをするのがおすすめ。
 


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 蒸し暑さに強い植物 
北さんおすすめの蒸し暑さに強い植物を紹介する。

1・種から育てる花


ジニア・パープルプリンス
 


ジニア・パープルプリンス

ジニア全般 開花期:4〜11月(沖縄では一年中咲きますが、11月下旬〜3月上旬はうどんこ病になりやすいので注意が必要です)


 

2・花木

ブッドレア・ガリバー

ブッドレア全般。 開花期:沖縄では4〜12月(最もキレイなの4〜6月)


3・苗から育てる花


スーパーサルビア・ファイヤーセンセーション

開花期:沖縄では一年中咲く
 

ペンタス ライカ ホワイト

開花期:沖縄では一年中咲く



4・カラーリーフ


トウガラシ〝オニキスレッド〟

開花期:沖縄では3月〜12月


 

教えてくれた人

北めぐみ/愛知県出身。2012年、沖縄に移住し、ガーデンのデザイン・施工などを行う「庭のおくりもの」(浦添市)を営む。沖縄で大好きなイングリッシュガーデンをつくるため、日々研究し続けている。

◆Gardening shop「庭のおくりもの」
沖縄県浦添市港川2-29-5
電話=098・878・0355
https://niwano22.ti-da.net/


北さんの本をプレゼント!


先月、北さんの〝オキナワンイングリッシュガーデン〟づくりのノウハウが詰まった本「北めぐみさんの暑さに負けない庭づくり(㈱エフジー武蔵発行、1760円・税込み)」が発売された。県内の書店や庭のおくりもので販売中。

同書を1人にプレゼントします!!
①住所②氏名③年齢④電話番号⑤当記事の感想⑥庭関連で今後取り上げてほしいことを記載して、
〒900−0015 那覇市久茂地2-2-2 タイムスビル11階
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毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第2011号・2024年07月19日紙面から掲載

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スタッフ
東江菜穂

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編集者
週刊タイムス住宅新聞、編集部に属する。やーるんの中の人。普段、社内では言えないことをやーるんに託している。極度の方向音痴のため「南側の窓」「北側のドア」と言われても理解するまでに時間を要する。図面をにらみながら「どっちよ」「意味わからん」「知らんし」とぼやきながら原稿を書いている。

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