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2025年10月17日更新

建築設計から企画開発まで 創業21年を迎えた沖縄のコンサル会社 社長が描く「次の一手」|ひと

10月に創業21年を迎えた「(株)デザインスタジオ琉球樂団」。代表取締役社長の伊佐真吾さん(58)は「モノづくりやコトづくりを通して、地域社会の発展に貢献する会社でありたい」と今後の目標を語った。

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デザイン×企画×開発×沖縄


株式会社デザインスタジオ琉球樂団
代表取締役社長
伊佐 真吾さん


〈プロフィル〉
いさ・しんご/1967年、沖縄市出身。琉球大学工学部卒業。県内の建築設計コンサルタント会社で勤務した後、2005年に「(株)デザインスタジオ琉球樂団」を設立。24年に代表取締役社長に就任。趣味はゴルフ、旅行。

◆(株)デザインスタジオ琉球樂団
浦添市屋富祖1-3-13
電話=098-874-5600

https://r-gakudan.jp



―これまでの経歴は?

高校生のころ、フェスティバルビル(現在のドン・キホーテ国際通り店)の光と風と街が建物と一体化した空間に感動し、建築設計に興味を持ちました。大学では建設工学を専攻し、県内の設計コンサルタントに就職。住宅や図書館、再開発などの設計監理を担当しました。

前職では、規模の大きい組織だからこそ可能な経験を多く積ませていただきました。その一方で、建築設計をベースにいろいろな挑戦をしたいと思い、前職の仲間たちとともに2005年に独立。「デザインスタジオ琉球樂団」を設立しました。設計や建築など、それぞれの分野のプロフェッショナルが協力し、最高のパフォーマンスを発揮して建物が造られていく場をオーケストラに見立て、そのような会社でありたいと思い、社名を付けました。


―社の事業内容は?

独立した当初はミニバブルと呼ばれた時代で、仕事には困りませんでした。ですが、その後すぐにリーマンショックや建設不況を経験し、依頼が激減。受注型の設計事業だけではなく、自社で商品をつくり、販売する企画開発事業が必要だと考えました。

現在は建築設計部門のほかに、戸建て住宅やリゾート住宅、マンション、ホテルなどを企画開発する部門。他にも予算をコントロールしながら建物を提供できるように建設工事部門も展開を始めました。

建築はお客さまや条件、環境、時代によって答えは無数にあります。それを探し出し、建物を長い間使っていただける事がこの仕事の喜びであり、醍醐味(だいごみ)です。建物の設計やデザインだけではなく、土地活用のデザインも行う総合的な企画開発コンサルとして、時代の変化に対応できる組織づくりを進めます。


同社が手掛けたリゾート施設(デザインスタジオ琉球樂団提供)


―これからの目標は?

昨年に現会長から社長を引き継ぎ、1年ほどたちました。会社全体を見ながら社の方向性を決める立場は責任を感じます。変化が激しい時代ですが、社員が挑戦し、成長できる環境を提供して、社会から求められる会社であり続けたい。

挑戦の一環として、来年に施行される免税制度の改正にむけて海外向けEコマース事業を今期から始めます。沖縄にあるたくさんのすてきなモノ、コト、文化を海外に向けて発信していきます。これまでは建築を通して沖縄の魅力を表現してきましたが、今後新事業にも力を入れ、沖縄の良さをもっと広めていければと思います。



年1度の社員旅行は海外
異文化に触れ刺激もらう

I・M・ペイ設計の礼拝堂も視察した(デザインスタジオ琉球樂団提供)

「建築は固い仕事だからこそ、ときには日常を離れ、異なる文化に触れて感性を磨く事も大切」と伊佐さんは笑う。学生時代はバックパッカーとして1年ほど海外を放浪した経験があり、現在も海外旅行が趣味だそうだ。

年に1度の社員旅行先も海外へ。今年は台湾に行き、現地の代表的な建築物やマンションのモデルルームを視察した。社員の小濱雅美さんは「一番印象に残った建物は、ねじれた外観が特徴の高層マンション『陶朱陰園(タオヂュインユェン)』。見る角度によって表情が異なり、面白い建物だと思いました。台湾の視察はとても刺激的で、良いリフレッシュになりました」と笑顔で語った。
取材/伊波克朗
毎週金曜日発行「週刊タイムス住宅新聞」
第2076号・2025年10月17日紙面から掲載

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