家づくり
2025年10月31日更新
「防災おかん」に、年間1.5万件以上の清掃手掛ける会社代表…沖縄最大の住宅総合展で講演したことは|第39回トータルリビングショウ
10月17日〜19日、宜野湾市の沖縄コンベンションセンターで第39回トータルリビングショウ(主催・沖縄タイムス社、タイムス住宅新聞社)が開かれた。住まいや暮らしに関わる50社が出展し、延べ2万1637人が来場した。同期間中には無料講演会も開かれ、掃除や防災、マネーのプロが登壇。受講者は熱心に耳を傾けていた。その講演会の内容と、出展社の中から記者が面白いと思った製品・サービスを紹介する。
第39回沖縄県トータルリビングショウ講演会&展示を振り返る
 
18日の防災セミナーでは女性講師2人が講演。防災士で豊見城市防災士の会副会長の平田千春さんは「毎日の生活習慣が防災につながっている。1日一つできることを増やそう」と1日一防災を呼び掛けた。
「避難する際、靴がバラバラだとパニックに。帰宅後に靴を並べておくのも防災につながる」と説明。掃除や整理整頓、近所への挨拶、時短にもなるビニール袋での調理、夜間や停電時に役立つ人感センサーライトなど、普段から取り組める事柄を話した。身を守る基礎知識は、子どもも分かるクイズや絵本の読み聞かせを交え解説した。
 
 
次に防災士・防災備蓄収納1級プランナーとして「防災おかん」の肩書きで母・主婦目線の防災を発信する谷岡亜香さんが登壇。もしもの時に役立つ防災備蓄収納の仕組みと実践法を話した。
就寝中に被災し孤立した時や帰宅困難時を想定し「寝室には賞味期限の長い食料・水・トイレを、車には調理不要な食料や水・トイレを備蓄している」と自宅の様子を公開しつつ、収納場所や備蓄品の選び方を紹介。管理は「定数を決め不足分だけ買い足す。同じメーカーだと寸法も同じで整理しやすい」とアドバイスした。新聞紙を使った食器作りも行った。 

辻脇稲子さん
金融経済教育推進機構講師・辻脇稲子さん(宜野湾市、合同会社アルファベット代表)は17日、資産形成や家計管理、住宅ローンなど金融リテラシーについて講演した。
特に住宅ローンに関して、住宅取得の際は諸経費や火災保険料などに資金を思った以上充ててしまうケースがあるという。辻脇さんは「頭金などが不足すると返済期間が長くなってしまいます。なので『いくら借りられるか』ではなく、『いくらなら無理なく返せるか』という視点で借り入れを検討してください」と呼びかけた。
また年間返済額は年収の25%が目安とし、「繰り上げ返済などにより、返済総額を少なくすることも可能」と話した。
 

宇江城雄斗代表
年間1.5万件以上の清掃サービスを提供する㈱サンジュの宇江城雄斗代表は19日に登壇し、「掃除の思考法と実践術」を解説した。
「汚れの性質(pH)を知り、適した洗剤を使うことで、力を使わなくてもきれいにお掃除できる」と説明。せっけんカスや尿石などの水あか汚れはアルカリ性のため「酸性のクエン酸などが落としやすい」。油や皮脂などの汚れは酸性のため「キッチン用のアルカリ性洗剤やセスキ炭酸ソーダなどで効率良く落とせる」と説明した。
それでも落ちにくい汚れには「つけ置きが効果的。汚れに適した洗剤を吹き付け、ラップなどでパックをする。一定時間を置いたらそのラップを丸めて汚れをこすり落とす。このやり方は、洗剤を変えればどんな汚れにも対応可能」と話した。
 

米須力さん
19日にはファイナンシャルプランナー(FP)の米須力さんも登壇し、住宅ローンの基礎について説明した。
一般的に無理なく返済できる借入額は、住宅購入のために毎月積み立てている金額+家賃と言われるが「収入や支出は今後も同じなのか、住宅ローンをいつまで払うのかで変わる」と話す。
今後、掛かるであろう子どもの教育費や老後資金などを考慮しながら「ライフプランを立てることが重要」。例えば4500万円を35年ローンで借りようとしていたAさん家族。ライフプランを立ててみると、70歳を超えてもローンを払い続けることになり、65〜80歳近くまでは支出が収入を上回ってしまうことが判明。「借入時の収支状況のみで判断すると家計が破綻する恐れも。Aさん家族は適宜、繰り上げ返済をすることで将来的にも無理のない計画に修正した。自分で考えるのが難しい場合は、FPに相談してほしい」とアドバイスした。その後、住宅金融支援機構の野田優平さんが「フラット35」について解説した。
 
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第2078号・2025年10月31日紙面から掲載
プロが解説 防災・掃除・お金
1日一防災 備蓄は管理まで仕組み化
 

平田千春さん
18日の防災セミナーでは女性講師2人が講演。防災士で豊見城市防災士の会副会長の平田千春さんは「毎日の生活習慣が防災につながっている。1日一つできることを増やそう」と1日一防災を呼び掛けた。
「避難する際、靴がバラバラだとパニックに。帰宅後に靴を並べておくのも防災につながる」と説明。掃除や整理整頓、近所への挨拶、時短にもなるビニール袋での調理、夜間や停電時に役立つ人感センサーライトなど、普段から取り組める事柄を話した。身を守る基礎知識は、子どもも分かるクイズや絵本の読み聞かせを交え解説した。

谷岡亜香さん
次に防災士・防災備蓄収納1級プランナーとして「防災おかん」の肩書きで母・主婦目線の防災を発信する谷岡亜香さんが登壇。もしもの時に役立つ防災備蓄収納の仕組みと実践法を話した。
就寝中に被災し孤立した時や帰宅困難時を想定し「寝室には賞味期限の長い食料・水・トイレを、車には調理不要な食料や水・トイレを備蓄している」と自宅の様子を公開しつつ、収納場所や備蓄品の選び方を紹介。管理は「定数を決め不足分だけ買い足す。同じメーカーだと寸法も同じで整理しやすい」とアドバイスした。新聞紙を使った食器作りも行った。
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「無理なく返せる」額を設定
 

辻脇稲子さん
金融経済教育推進機構講師・辻脇稲子さん(宜野湾市、合同会社アルファベット代表)は17日、資産形成や家計管理、住宅ローンなど金融リテラシーについて講演した。
特に住宅ローンに関して、住宅取得の際は諸経費や火災保険料などに資金を思った以上充ててしまうケースがあるという。辻脇さんは「頭金などが不足すると返済期間が長くなってしまいます。なので『いくら借りられるか』ではなく、『いくらなら無理なく返せるか』という視点で借り入れを検討してください」と呼びかけた。
また年間返済額は年収の25%が目安とし、「繰り上げ返済などにより、返済総額を少なくすることも可能」と話した。
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洗剤と汚れのpH知れば力要らず
 

宇江城雄斗代表
年間1.5万件以上の清掃サービスを提供する㈱サンジュの宇江城雄斗代表は19日に登壇し、「掃除の思考法と実践術」を解説した。
「汚れの性質(pH)を知り、適した洗剤を使うことで、力を使わなくてもきれいにお掃除できる」と説明。せっけんカスや尿石などの水あか汚れはアルカリ性のため「酸性のクエン酸などが落としやすい」。油や皮脂などの汚れは酸性のため「キッチン用のアルカリ性洗剤やセスキ炭酸ソーダなどで効率良く落とせる」と説明した。
それでも落ちにくい汚れには「つけ置きが効果的。汚れに適した洗剤を吹き付け、ラップなどでパックをする。一定時間を置いたらそのラップを丸めて汚れをこすり落とす。このやり方は、洗剤を変えればどんな汚れにも対応可能」と話した。
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借入額はライフプラン立てて決める
 

米須力さん
19日にはファイナンシャルプランナー(FP)の米須力さんも登壇し、住宅ローンの基礎について説明した。
一般的に無理なく返済できる借入額は、住宅購入のために毎月積み立てている金額+家賃と言われるが「収入や支出は今後も同じなのか、住宅ローンをいつまで払うのかで変わる」と話す。
今後、掛かるであろう子どもの教育費や老後資金などを考慮しながら「ライフプランを立てることが重要」。例えば4500万円を35年ローンで借りようとしていたAさん家族。ライフプランを立ててみると、70歳を超えてもローンを払い続けることになり、65〜80歳近くまでは支出が収入を上回ってしまうことが判明。「借入時の収支状況のみで判断すると家計が破綻する恐れも。Aさん家族は適宜、繰り上げ返済をすることで将来的にも無理のない計画に修正した。自分で考えるのが難しい場合は、FPに相談してほしい」とアドバイスした。その後、住宅金融支援機構の野田優平さんが「フラット35」について解説した。
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第2078号・2025年10月31日紙面から掲載



 










