家づくり
2025年10月10日更新
一級建築士が提案!「自宅のパワースポット化」でハッピーに|お財布とヒトにやさしい住まいのヒント⑦
当連載では住環境が家計や人間関係、幸福感にどのように影響するかを一級建築士の村山創さんが解説します。今回は、これまでの「経済的な影響」から少し視点を変え、「住まいと幸福感」について説明します。

文・図表/一級建築士・村山創
当連載では住環境が家計や人間関係、幸福感にどのように影響するかを一級建築士の村山創さんが解説します。今回は、これまでの「経済的な影響」から少し視点を変え、「住まいと幸福感」について説明します。
幸福度高める住まい
自宅を最高のパワースポットに
「好き」で空間満たす「家」は単なる生活の場ではなく、私たちの幸福度に大きく影響します。私たちがより幸福に生きるために、家を意識的に活用する方法について説明します。
キーワードは「パワースポット」です。パワースポットと聞くと、神社仏閣や巨石・巨木を思い浮かべるかもしれませんが、私たちが最も長い時間を過ごす自宅こそ最高のパワースポットにすべきなのです。

その第一歩は、自分の「好き」や「ときめき」で空間を満たすことです。旅先で見つけたお気に入りの絵画、心ひかれる色合いのクッション、集めている雑貨など、見るたびに心が満たされるアイテムを置くと、家は「建物」から幸福を感じられる特別な場所に変わります。
家を好きになると家で過ごす時間がなによりの癒やしとなり、自然と外での浪費を抑えることにもつながります。非常にコストパフォーマンスの良い「自己投資」にもなるのです。
部屋の役割を名前に
さらなる部屋づくりのヒントとして、各部屋の「役割」を名付けてみましょう。
例えば「寝室」は「寝る部屋」ではなく、「回復する場所」と名付けます。「回復する場所」なら、心地よい眠りや心身を回復させるための仕掛けが必要です。安眠を誘う寝具を選んだり、気分を落ち着かせる照明や香り、色を取り入れたり。目的がはっきりすれば、それに合わせた具体的な工夫が次々と浮かびます。
同様に「浴室」は「体を洗う場所」でなく「心身を癒やしリラックスできる場所」と名付けます。すると、好きな音楽を流したり、お気に入りの入浴剤を楽しんだり、湯船にゆっくりつかる、などのアイデアが浮かぶでしょう。我が家はこの方法を活用したことで、浴室が家族にとって最高の癒やし空間になっています。

未来の自分への投資
まずは、自分の部屋だけでも構いません。お気に入りのポスターを飾る、趣味の小物を置く、インテリアを変えてみるなど、できることから少しずつやってみてください。気分が変わるのを実感するはずです。
私たちの一日を考えるとき、家での過ごし方はかなり重要です。家が自分や家族にとって最高のパワースポットであるなら、そこから得られる恩恵は計り知れません。快適で満たされた空間は、心の安定をもたらし、日々の活力を生み出します。
さあ、今日からあなたも「最高のパワースポットづくり」を始めてみませんか。それは、未来の自分への、最も賢い投資となるはずです。

むらやま・はじめ/
一級建築士、創環境Design代表。フラット35適合証明技術者。設計の仕事をしながら、住宅関係の講演会や一般消費者に向けて住宅づくりの情報をSNSで発信している
https://hajimemurayama.my.canva.site/
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第2075号・2025年10月10日紙面から掲載