庭・garden
2019年4月19日更新
庭の日当たりを観察しよう!|イングリッシュガーデン in 沖縄
イングリッシュガーデン in 沖縄[vol.12]当連載の筆者・北めぐみさんの庭では、2月からチューリップやビオラなどの花が咲き、春の訪れを告げたそうです。初夏まで花いっぱいの庭を楽しむため、今の時期に「寒さに弱い植物の種まきやポット苗の定植をしましょう」とアドバイスします。
庭を施工するときに頭を悩ませるのは、デザインよりも日当たり! なぜならば日当たりは、季節や周辺事情によっても変わってくるからです。
方角次第でしょ、と思われがちですがそうでもありません。特に都会のお庭は、建物などで日が遮られる場所もあります。
自分のお庭を観察して、季節や時間ごとに、どこに日が当たり、どこが日陰になるのかを記録し、それによって植える植物を決めると、完成度の高いガーデンができますよ。
植物にとって一番良い日照時間は日の出~午後2時まで。その間の3時間ほどしか日が当たらなくても育ちます。ただし、すべての植物が日照を好むわけではありません。カラーリーフは日光が弱いところに植えると葉焼けせず美しく育ちます。
庭や花壇の新設を考えている人は、11月~5月の間によく日が当たる場所に作ると、ガーデニングのベストシーズンに花いっぱいのお庭を楽しめますよ。
植物の好む環境に植栽
このページの写真は階段状の花壇がすてきなKさんのお庭です。階段を挟んで左右の花壇はそれほど離れていませんが、一日の日の当たり方が違います。
左側は、昼ごろの太陽が真上にきたとき~夕方まで日が当たります。実質、植物に日が当たる時間は西日を除く3時間程度。それでもしっかりと日が当たればバラも咲きます。
右側は、朝から昼までの、実質2時間程度は日が当たりますが、午後からは日陰になります。こちらには直射日光や西日を苦手とする植物を植えています。
植物の好む環境を知って植栽すれば、無理なく美しいお庭になりますよ。次回は日陰の庭におすすめの植物を紹介します。
階段の右側は昼過ぎには日陰になる
朝日は当たるけれど昼には日陰になってしまう場所には、日光が弱くても育つ植物を植えています。小低木や、日光を求めて上に伸びるつる植物、しだれ性など動きのある植物がオススメ。
奥の紫色の花は沖縄では年中美しい「トレニア」で、半日陰の救世主! 「インパチェンス」や「ベゴニア」も育ちます
手前のシルバーリーフは「ウエストリンギア」。奥の銅葉は「リシマキアミッドナイトサン」。明るい葉色の植物は、日陰をにぎやかにしてくれます
クミスクチンは日当たりのよい場所でも育ちますが、丈夫な性質なので半日陰でもOKです!
階段の左側は昼ごろから日が当たる
昼ごろからしか日が当たらなくても、西日を除く3時間程度は日が当たる場所には、色鮮やかな草花を植えています。バラでも花を咲かせてくれますよ。華やかなお庭を楽しみましょう。
手前が「サルビアチェリーセンセーション」、奥のオレンジは「八重咲きキンギョソウ」。ビビッドなカラーでお出迎えしてくれます
3時間でも日が当たれば、バラも咲きます!淡いパープルのバラは私もお気に入りです。ウェーブの花びらは散る間際まで美しい
「ペンタス」は沖縄では年中きれいです。特に八重咲き種はボール状に咲きます
★タイムス住宅新聞のホームページ
(sumai.okinawatimes.co.jp)では、紙面に入りきらなかった情報を紹介中。年間のガーデニングスケジュールや、12月上旬の北さんのお庭様子などをアップしています。(こちら)
きた・めぐみ/愛知県で生花店や園芸店に勤務したのち、沖縄に移住。浦添市で小さなガーデニングショップ「庭のおくりもの」を営む。※お店は現在、庭のリニューアルのため休業中。ことし3月から再開予定。
沖縄県浦添市港川2-29-5
098-878-0355
ブログ:http://niwano22.ti-da.net/
https://www.instagram.com/niwanookurimono/?hl=ja
イングリッシュガーデン in 沖縄
- 寒さに弱い植物の種まきと、一年草の苗の定植は3月中に!
- 2月中に株分け&整理・見て食べて楽しい「ポタジェガーデン」
- 多年草の植え付け適期は2月いっぱい。 庭を整理し苗・種植えをしよう!
- 12月上旬の北さんの庭の様子
- 11月は植え付けや種まきの適期
- 蒸し暑さに強い植物
- 植物は環境の変化に敏感(台風対策)
- これからの季節に入手しやすい夏の草花
- 蒸れないよう梅雨対策
- 北めぐみさんの庭(4月下旬〜5月上旬)
- 肥料の選び方
- 北さんのオキナワンガーデンダイアリー
- イングリッシュガーデン「私の庭物語」
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1737号・2019年4月19日紙面から掲載
この連載の記事
この記事のキュレーター
- スタッフ
- 東江菜穂
これまでに書いた記事:347
編集者
週刊タイムス住宅新聞、編集部に属する。やーるんの中の人。普段、社内では言えないことをやーるんに託している。極度の方向音痴のため「南側の窓」「北側のドア」と言われても理解するまでに時間を要する。図面をにらみながら「どっちよ」「意味わからん」「知らんし」とぼやきながら原稿を書いている。