庭・garden
2020年1月31日更新
ベランダ菜園 観賞も収穫も|「庭のおくりもの」店主 北めぐみさんが楽しみ方伝授
庭が無ければ家庭菜園はできないと思っていませんか? 北めぐみさんは「ベランダでも十分、収穫できます。1平方㍍ほどの狭いスペースでも大丈夫です!」と話す。しかも始めるなら今。「暑くなる前、2月いっぱいまでに植え付けしましょう」と説明する。ベランダ菜園の楽しみ方を聞いた。
ベランダだからこそ、見た目を重視!
軒下を生かし、部屋の延長として楽しみましょう。完全な屋外に比べるとガーデン雑貨や家具などが傷みにくいのでディスプレーしやすいです。おしゃれに彩るとお手入れも楽しくなります。
中央のバスケットにはビーツやスイスチャードなどの野菜を寄せ植えしている。ほかにも鉢やボウルなど好みの容器にワイルドストロベリーやローズマリー、タイムなどのハーブを植えることで、見た目も収穫も楽しめる
穴開いた容器 鉢に代用可
植木鉢は穴の開いた容器をはじめ、穴を開けた麻袋などでもOK。ただし、水はけの良過ぎるカゴなどは、穴を数カ所開けたセロハンやビニールなどを敷きましょう。
好みの容器に、軽石を入れてから培養土などを入れる。水はけが良過ぎる容器はセロハンなどを敷く
菜園を始めるなら今!
ベランダで菜園を楽しむ際は「部屋から眺めてもうれしくなるような場所にしましょう」と話す。部屋との距離が近く、かつ軒下という空間を生かしてディスプレーごと楽しもう! と言うのだ。「植木鉢やガーデンアイテムは楽しいデザインやかわいさなど、見た目重視で選ぶことでテンションが上がり、毎日の手入れも楽しくなります」
北さんはアンティークなバスケットやボウルを植木鉢にして、ビーツやスイスチャード、カラーレタスなどを植えて楽しむ。「あまり店で売っていないカラフル野菜なども自分で育てています。植物としてもかわいいし、料理がグッとおしゃれになりますよ」
ベランダ菜園を始めるなら、今の時期がうってつけ。「気温が20度前後になる11月~2月は、野菜が生育しやすいです。できれば2月中には植え付けしておきましょう」
まず日当たりを確認
ベランダ菜園を成功させるもう一つのポイントは、日当たり。ベランダのどこに何時間くらい日が当たるのか確認しておこう。「日が当たりにくいからといって、野菜が育たないわけではありません。半日陰の方がおいしく育つ野菜もある。まずはベランダの環境を知ることが重要です」
また、鉢を地面に置くと、手すりに遮られて植物に日が当たりにくい。「木箱や棚に載せると植物に日が当たりやすくなります」。棚などで高低差をつけることで、「立体感も生まれる。ディスプレーも映えるし空間がおしゃれになる」と利点を説明する。
ベランダ菜園の注意点は、避難通路を邪魔しないようにすること。さらに「隣の家に土や枯れ葉などが流れていかないように気を付けましょう。排水溝にスポンジを入れておけば、隣へ泥水が流れていくのを防げますよ」。
「野菜は生育が早いので日々、変化が見られます。ベランダの片隅でもいいので、楽しんでほしい」と結んだ。
鉢は台に載せ日当たり確保&立体感
平置きになりがちなベランダ菜園ですが、鉢を棚や木箱に載せてあげると植物に日光が当たりやすくなります。高低差によって立体感が生まれ、空間がグッとオシャレになります。
トマトやナスも鉢植えで収穫できる。ただし日に5~6時間は日差しが当たる場所に置こう。栽培のポイントは神経質にならないこと。味や食感が良くなった現代のトマトは、実はハウス栽培の方が良い。ベランダでも屋外で育てるなら、多少の病気や虫は当たり前。カメムシやハモグリバエが付いたり、うどんこ病になることもよくある。大らかに育てよう
レタス類は初心者さんにもおすすめ
レタス類やベビーリーフ、ホウレンソウ、ネギ、ニラ、バジルなどのハーブ類は虫が付きにくく初心者にもオススメです。また、青々とした葉野菜類はビビッドカラーの花と相性抜群。菜園ともに元気いっぱいの鮮やかなお花を楽しむのも良いですよ。
上はカラーレタス。レタスのミックスシードを購入し、種から育てた。虫が付きにくく間引きしながら収穫もできるので初心者にもおすすめ。また、青々とした野菜類と、ビビッドカラーの花は相性が良い。レタスのそばで元気な黄色のマリーゴールドが目を楽しませてくれる
日差しが弱い場所でも育つ野菜(1日2~3時間しか日が当たらない)
レタス類、ネギ、ニラ、ホウレンソウ、小松菜、ビーツ、ルッコラ、クレソン、パセリ、ミツバ、バジル、シソ、ミント類、ワイルドストロベリー、スイスチャード、ケール
※特にバジルやホウレンソウ、シソやビーツなどは日差しが強い場所で育てると葉が硬くなってしまうので、半日陰で育てた方が軟らかくておいしく食べられます
日当たりが良い場所におすすめの野菜(1日5~6時間日が当たる)
トマト、ナス、キュウリ、ウリ類、ピーマン、ジャガイモ、タマネギ、ニンジン、豆類、カボチャ、ズッキーニ、トウモロコシ
北めぐみさんは本紙で毎月第3金曜日に「イングリッシュガーデンin沖縄」を執筆している。2月21日発行号では「ベランダでもできる植物の寄せ植え」を紹介する予定
きた・めぐみ/浦添市でガーデニングショップ「庭のおくりもの」を営みながら、造園も手掛ける。庭づくりを通して沖縄を花いっぱいにするのが目標! 店舗営業日は木・金・土曜日
庭のおくりもの/浦添市港川2-29-5 098-878-0355
niwano22.ti-da.net
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毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1776号・2020年1月17日紙面から掲載
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この記事のキュレーター
- スタッフ
- 東江菜穂
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編集者
週刊タイムス住宅新聞、編集部に属する。やーるんの中の人。普段、社内では言えないことをやーるんに託している。極度の方向音痴のため「南側の窓」「北側のドア」と言われても理解するまでに時間を要する。図面をにらみながら「どっちよ」「意味わからん」「知らんし」とぼやきながら原稿を書いている。