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2025年6月6日更新
【企画特集】沖縄の木造住宅|(株)アイ工務店
年々、沖縄での着工件数が増加する木造住宅。一口に木造といっても、建築事業者は自然素材や最新の建材・テクノロジーなどを組み合わせて、快適さと機能にもこだわっている。多彩な木造住宅を手がける8社を紹介する。
【(株)アイ工務店】
高い断遮熱×気密 保つ
全館空調・換気で清涼な空気

注 文住宅の建設・販売を行うアイ工務店(大阪府)は4月から県内に進出。全国各地で手がけた住まいの知見を基に、沖縄の気候風土に合わせた木造住宅「N-ees U(ニーズ・ユー)」を展開する。沖縄支店の牟田一貴所長は「高気密・高断熱に全館空調・熱交換換気システムの組み合わせが標準装備。空気は澄み、涼しい。太陽熱の影響を最も受ける窓や屋根は遮熱処理もしているので、室内の温湿度にムラがなく快適です」と力を込める。
長く「アイ」せる住まいのため、同社オリジナルのダブル断熱工法=下図=で施工し、気密性を表す「C値」の測定は第三者機関に依頼している。日本で明確な数値基準はないものの、「独自基準で『C値=0.5』を設定。全棟・平均実測値は『0.33』と寒冷な北欧よりも高水準な数値を実現しています(数値が小さいほど高気密)」。

壁の断熱材は構造用面材の外側を80ミリ、内側を30ミリ施工。風の通り道を確保し、湿気などを逃がす
取材時の外気温は29度、湿度は81%だったが、2階建てのモデルハウス(沖縄市)の室温は約24度、湿度は約60%だった。「年中、気持ちよく過ごせる『N-ees U』住環境を、ジメジメする梅雨だからこそ、体感してほしい」。
1.5階で広がり演出

アイ工務店が提案する「バーチカルスペース」のイメージ図。スキップフロアなどで「1.5階」空間も余すことなく活用。タテ空間の抜ける空間でも、全館空調・熱交換換気システムで効率よく温湿度を調整できる
使う木材は、JAS(日本農林規格)認定を受けたエンジニアリング・ウッド。機械による加工で精緻な寸法に加え、反りやねじれを軽減し、高耐久性を実現している。その強度から限られた土地でも広がりのある室内を提案。それが「1.5階」空間だ。「分断されがちなタテの空間を有効利用。ダウンフロアやスキップフロアで2階建てだと5層構造、平屋でも1.5階分の空間を確保できます」と牟田所長。視線が抜け、実面積以上の広がりを感じられる。


「0.5階」空間の使い方は家族の荷物を収納できる収納スペースだったり(上)、趣味や書斎にしたり(下)、と実に多彩だ
心配となる「シロアリ」には三段階で対応。基礎下に防蟻・防湿シート、床下に強制換気システムを施し、建物全体は防蟻処理し30年初期保証。「住宅自体が頑丈なことは大前提に、シロアリが侵入できず、活動しにくい環境づくりを徹底しています」。
独自の外壁で美観保つ
快適な空間のみならず、独自技術で美観を長く維持できるよう、工夫している。「外壁はオリジナルのセラミックタイル仕上げで、衝撃に強い上、汚れは雨水が落とす。屋根には定期的な葺き替えが必要ない陶器瓦を使っています」。窓はトリプルガラス+半樹脂サッシで構成し、最大瞬間風速62メートル毎秒に耐えられる仕様だ。「暴風雨による雨漏りなどの心配はなく、防犯性も確保しています」。遮音効果も期待でき、外からの騒音を25デシベルほどカットする。
牟田所長は「毎日帰る住まいだから、心身共にリフレッシュできる空間を。清涼な空気、街の喧噪を離れたような室内をモデルハウスで体感してください」と呼びかけた。

外観イメージ。オリジナル外装材の色は全4種。牟田所長は「高耐候性のため、沖縄の気候でもメンテナンスフリーです」と説明する
問い合わせは
(株)アイ工務店 沖縄支店
電話=098・979・8228
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毎週金曜日発行「週刊タイムス住宅新聞」
第2057号・2025年6月6日紙面から掲載