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2025年7月25日更新

初心に帰る場 新たな挑戦|池田真由美さん(interior field dots代表)|家々人々[158]

インテリアコーディネーターとして活躍する「interior field dots」代表の池田真由美さん(56)。ことし7月、那覇市にある実家の建て替えを機に、その1室で事務所を開いた。「実験室のようにいろいろ挑戦したい」と意気込む。

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初心に帰る場 新たな挑戦

いけだ・まゆみ/1969年、那覇市首里出身。東京のインテリア専門学校を卒業後、沖縄で内装関連会社に就職。結婚、出産を機に退職し、96年に独立。新築、リフォームを問わず個人住宅を中心に、民泊、ホテルの内装プランを手がける。沖縄県インテリアコーディネーター協会の会長を2019年から2期4年務め、現在は同協会相談役。


ー新事務所は実家だったとか

築50年の実家を、妹が賃貸4部屋を持つ自宅に建て替えたので、1部屋を事務所として借りることにしました。

父が建築関係の仕事で、小さいころからリフォームが多く、模様替えやインテリアの雑誌もたくさんありました。私はそれを読むのが好きで、中学のころにはインテリアの道に進むことを決めました。

地域の方や友人が集まる、思い出がたくさん詰まった建物で事務所を開くのは、初心に帰るような気持ちです。これまで自宅で仕事をしていたので、この年齢になって自分の事務所を構えるというのは、やはりうれしいですね。


ー新事務所のインテリアでこだわったところは?

コンクリート打ちっぱなしの空間なので、無機質にならないよう、照明やアート、植物などで色を足すようにしました。コンクリートと沖縄の工芸作品や木製家具など、いろんな組み合わせに挑戦して楽しみたいし、それを見ていただきたい。

窓周りにもこだわり、さまざまなブラインドやカーテンを取り入れています。置いてあるいすは全部種類が違う名作で、気軽に座って試してもらいたいと思っています。


ー池田さんにとってインテリアとは?

幸せになるために、暮らしに欠かせないものです。

私はダイニングでみんなと一緒にご飯を食べることを大事にしています。子どもたちが独立しても家で一緒にご飯を食べたりしてるんです。きょうだい同士でもそうです。やっぱり家族や友達と居心地よく過ごせることを幸せに感じるんじゃないでしょうか。空間で気持ちよくいられるっていうことが、生きてて幸せって思えるはずです。

以前、新築の家を担当した時に小学生だったお子さんが結婚し、マンションを購入されたときに、インテリアの相談を受けたんです。2代にわたりお手伝いできたことは感慨深かったです。


ー今後の目標は?

新しい事務所を実験室として、さらに提案力をアップしていきたいです。

カーテンやブラインドなども私自身が実際に試し、メンテナンスのことなどもお客さまにお話すようにしています。自分が使って一番いいと思うのをお客さまにも提案したい。実用的であることが一番大事ですから。今後もいい空間づくりのお手伝いをしていきたいと思います。



 子どものころの住まい 

RC造4階建てに、祖父母、両親、妹の6人家族で居住。4部屋は賃貸で1階には40年近く続いた理容店、2階にはコイが泳ぐ小さな池があり、動物好きな祖父の影響で、九官鳥やニワトリ、ウサギもいて、よく人が集まる家だった。


思い出に残る仕事

インテリアコーディネーターとして駆け出しのころ、那覇空港2階ウェルカムホールの床の貼り方を提案、採用されたことがあります。当時、デザイン画の制作は、定規と色鉛筆を使って全て手作業。現場でも汗を流したことは良い思い出です。

 
◇    ◇    ◇
 
 
 ホッ  と空間
レース越しの光を楽しむ
「窓周りにはこだわった」と話す池田さん。奥の窓にはデザイン性のあるレースカーテンが外光を柔らかく取り入れる。レースカーテンと窓の間に薄い緑色のロールスクリーンを設置した。「レースの柔らかい印象はそのままに、夜は外からの視線を遮断できる」=右写真=と笑顔で話す。
 

取材/赤嶺初美(ライター)
毎週金曜日発行 週刊タイムス住宅新聞
第2064号・2025年7月25日紙面から掲載

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