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2020年12月31日更新

[withコロナ時代の住まい]外とつながる

外出は控えたいが、外気は感じたい。沖縄の建築士は、それに応える技をいくつも持っている。広々とした庭とつながるのはもちろん、密集地や交差点にある家でも、「隙間」を狙って外を感じる空間をうまく造り出している。

アマハジで内外あいまいに

2018年8月10日発行号(1701号)|「赤瓦の下に涼と開放感」|設計/建築設計工房paraya

Kさん宅
深い軒の下、内外をゆるやかにつなぐ空間「アマハジ」は、昔から沖縄の住宅で取り入れられてきた。そこに幅広のデッキがあれば室内の延長として使いつつ、外も感じられる空間となる。Kさん宅では、近所の人と腰掛けてユンタクを楽しむ場所にもなっていた。

 

窓開け放てる中庭

2020年5月1日発行号(1791号)|「内外あいまいなヴィラ風」|設計/㈱一級建築士事務所STUDIO MONAKA

平良さん宅
自宅にいながら外気や自然を感じられる庭。コロナ禍においては、マスクなしで気兼ねなく出られる「外」として重宝する。平良さん宅のように3方を建物で囲んだ中庭なら、窓をずっと開け放てるので、鬱々(うつうつ)した気分にはなりにくいだろう。

 

二世帯で庭共有目隠しなく広々

2020年10月2日発行号(1813号)|「庭共有する姉妹の2世帯」|設計/築・建築計画設計事務所

Oさん・Tさん宅
庭を広く取るため、多世帯で共有するという方法がある。OさんとTさんの場合、2世帯分の庭をそれぞれの建物の間にまとめて設けることで、広い面積を確保。目隠しのための柵や植栽などが不要となり、視覚的にも広く感じる。

 

デッキと一体外壁にスリット

2020年7月24日発行号(1803号)|「半円の外壁で広がり」|設計/建築空間アボット

比嘉さん宅
外とのつながりは、交通量の多い交差点でもつくり出すことが可能だ。比嘉さん宅では、交差点側に半円の目隠し壁を設け、その内側にLDKや和室と一続きになるデッキを設置。壁に入れたスリットで、視線は遮りつつ通風・採光。歩道を歩く人の圧迫感も軽減した。


大きな開口部で外部と一体に

2020年8月7日発行号(1805号)|「凹凸に集う光・風・人」|設計/㈲門一級建築士事務所

Oさん宅
開口部が大きければ外との一体感も増す。Oさん宅の開口部は幅7メートルもあるため、外の景色が自然と視界に入り、窓を開けなくても外や地域とのつながりを感じる。対面にも窓があり、開ければ通風もバッチリだ。

 

可能性広がる屋上菜園もOK

2020年7月3日発行号(1800号)|「菜園も遮熱も屋上で」|設計/アトリエ・ネロ
知念さん宅
広々使える外部空間として、屋上も活用できる。知念さん宅ではもともと屋上に芝生を敷いていたが、自粛期間を機に菜園をスタート。今ではすっかりハマり、菜園のエリアが広がっているという。体を動かしたり、食事したりと、これまで以上に屋上の使い道が増えそうだ。

 

「隙間」に居室とテラスを連続

2018年2月23日発行号(1677号)|「借景と空眺めのびやか」|コバヤシ401・Design room㈱

具志さん宅
都心の密集地でも、建物の間を抜けるわずかな「隙間」を生かせば、外とのつながりは生み出せる。具志さん宅ではその隙間を軸線に、居室と二つのテラスを交互に配置。テラスに向けて大窓を設けることで、視線や直射日光を気にせず窓を開け、くつろげる。緑や空も眺められ、風の通り道にもなる。

 


毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1826号 第1集・2021年1月1日紙面から掲載


 

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