企業・ひとの取り組み
2022年6月17日更新
沖縄|【ひと】真にコスパ高い修繕設計を|赤嶺 雄一郎さん|(株)タイズリフォーム 代表取締役
設計事務所での設計監理やマンションの大規模修繕で培った経験を生かし、3年前に(株)タイズリフォームを設立した赤嶺雄一郞さん(52)。「大切な資産である建物を維持管理するには、中長期的な目で見た修繕設計が重要。真にコストパフォーマンスの高い提案で、関わった人皆の笑顔につなげたい」と力を込める。
外壁塗装から大規模修繕まで
赤嶺 雄一郎 さん
(株)タイズリフォーム 代表取締役
-今月で丸3年、起業の経緯は
父親が建築士だったこともあり、大学卒業後は父の設計事務所で新築・リフォームの設計や積算業務を担当。その後入社した分譲マンション管理会社では、主として管理物件の長期修繕計画作りや、大規模修繕工事を行う際の土台となる企画、施工管理業務全般に携わってきました。
これらの経験で身に染みて感じたのが、長い目で見て建物の修繕計画や維持管理に携わることの重要性と、その責任の重さ。
組織に属しているからこそできる経験もたくさんありますが、50歳を目前にした時、「残りの人生は、建築技術者として後世に誇れる仕事を手掛けたい」との思いを強くし、志を同じくする仲間5人と起業しました。
-具体的な業務は
屋根・壁などの外装を中心に、外壁塗装や防水工事といったメンテナンスとリフォームを行っています。また既存住宅の現況調査、長期修繕計画の作成や、集合住宅の大規模修繕コンサルタントも手掛けています。
戸建てからアパート・大型マンションまで規模の大小は問いませんし、図面がないお宅や、住みながらの工事も可能。集合住宅など世帯数の多い物件ほど、施主の都合にあわせたスケジュール調整や経費管理能力、職人との連携が求められますが、それができるのが強みです。
-心掛けているのは
営利優先の一過性の提案でなく、真にコストパフォーマンスに優れた提案を行うこと。そのために大切にしているのが、工事の出来、不出来を左右する修繕設計と正確な積算です。
まずは建物全体の現況と劣化原因を明確化。5年後、10年後の状態を予測しつつ、屋根、手すり、階段といった部位ごとに、材料や工法を詳細に洗い出し、計画に落とし込みます。例えば塗装なら、塗り方や面積から必要な缶数を導き出すといった具合。そこにお客さまの要望、予算を照らしあわせ、工事範囲や内容を決定します。
そのため提案がご依頼の範囲を超えることもありますが、「数年前にアパートの外壁を塗装したばかりなのに、また足場を組んで設備の取り換えが必要になった」「追加工事が増え、予算をオーバーした」といったトラブルを防ぐことが可能。おかげさまでご紹介やリピートが増え、手応えを感じています。
-今後、力を入れたいこと
大切な資産である建物の、維持管理に役立つ知識が学べるリフォームセミナーを定期的に開催することです。
社名のタイズの意味は「絆」。お客さま、社員、取引先との絆を大切に、みんなが満足し笑顔になれる仕事を手掛けていきます。
見積書の見本。工法、材料、範囲・数量などを明記。「よくある『一式』は仕様の比較ができない上、手抜き工事につながりやすい」と赤嶺さん
無料リフォームセミナー
7月2日に産業支援センター
(株)タイズリフォームが主催する「無料リフォームセミナー」が7月2日(土)10時から、沖縄産業支援センターで開催される=上写真。講師は1級建築士で、多数の改修現場にかかわる同社代表取締役の赤嶺雄一郎氏。
内容は、鉄筋コンクリートの長所と短所、劣化事例とその原因、改修工程の実例紹介、長期修繕計画とその重要性、リフォームトラブル事例、提案書や見積書のチェックポイント、優良業者の見極め方など。「戸建てから集合住宅まで、参加者からの質問、お悩みにお答えします」と赤嶺さん。定員20人で完全予約制。マスク着用で参加。
申し込みは 電話098・975・7815、FAX 098・975・7816まで。Web予約はhttps://www.tiesreform.info/
〈プロフィル〉あかみね・ゆういちろう/1970年、那覇市出身。沖建企画設計で新築・リフォームを担当。2001年(株)沖縄大京入社。転属した(株)大京アステージ沖縄支店で大規模修繕工事の企画設計・施工管理業務全般に携わる。塗装会社、塗料メーカー勤務を経て19年、(株)タイズリフォーム設立。1級建築士、マンション維持修繕技術者、既存住宅状況調査技術者、宅地建物取引士
◆(株)タイズリフォーム 与那原町字与那原1118
電話098・975・7815
https://www.tiesreform.info/
第1902号・2022年6月17日紙面から掲載
取材/徳正美