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2018年9月21日更新

沖縄での植え付けのベストシーズンは10月下旬~。その前に庭の整理を!|イングリッシュガーデン in 沖縄

[vol.6]ガーデニングショップを営む北めぐみさんに、高温多湿の沖縄でナチュラルガーデンを楽しむこつを紹介してもらいます。「沖縄の本格ガーデニングシーズンは、本土の春と同じくらいの気温になる10月下旬から。その前に庭の整理や球根の準備をしましょう」とアドバイスします。

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沖縄での植え付けのベストシーズンは10月下旬~。その前に庭の整理を!
 

植物がカビやすい時期

9月下旬。沖縄はまだまだ暑い日が続きますね。
実は、真夏よりも天気が不安定なこの時期が、植物たちにとってはつらいとき。突然のスコールや蒸し暑さは、真昼に水を掛けられて太陽に照らされるのと同じ。土の中の水分は温水になりかねません。夏越しできて喜んでいた植物が、カビたり突然枯れたりするのもこの時期なんです。
秋本番までもう少し。その前にやっておきたいガーデニング作業の紹介をします。
10月は当連載はお休みなので2カ月分をお伝えしておきますね。

気温春めく10月下旬

本土では、「園芸を始める最適な季節は春」と言われますが、沖縄は10月下旬からが植え付けに最適な季節なんです!これはオキナワンガーデニングで私が一番伝えたいことの一つでもあります。
本土では「春到来」と言われる3月でも、沖縄ではすごく暑くなる日があります。気温の違いもあり、3月では植え付けの時期としては遅いのです。沖縄での本格ガーデニングシーズンは、本土の春と同じくらいの気温になる10月下旬から、というのを頭の片隅に置いておいてください。
春から初夏の植物(暑さに弱い一年草や多年草)の植え付けは10月下旬~2月、夏の植物(暑さに強い植物)の植え付けは3月~5月に行いましょう。
さぁ、これから訪れる沖縄での本格ガーデニングシーズンに向けてお庭の準備を始めましょう!


植え付けシーズン前に庭の整理


①花時期の終わった一年草を抜いたり、伸び過ぎた多年草などの切り戻しをします。蒸し暑さに弱い多年草などを思い切ってせん定する場合は、10月中旬以降が安心です。写真は伸び過ぎたテウクリウム・ヒルカニカムです。10月中旬ごろに、白線部分から切り戻しをする予定です。


②固くなった土は空気を含ませながら耕し、赤玉土や腐葉土などをすきこんで水はけを良くします。夏場の長雨で酸性に傾いた土には石灰などをまきましょう。植え付けの2週間前までにやっておくのが理想。元肥は植え付け時に混ぜます。

③産蒸し暑さで病気やカビなどが発生した場合は総合殺菌剤などを土や植物に散布します。朝夕が涼しくなってくると、植物は「うどんこ病」になりやすくなりますが、その予防にも効果的です。

④夏ばてで弱っている植物にはカリウムの多い肥料で根に活力を与えましょう。


※ちょっと上級者さんは、庭の整理をしながら種を採取し、株分けや挿し木などで苗の更新をするのにいい時期です! 私は自家採取した種を、通気性の良い紙の封筒に入れて、名前と採取日を書いて、まき時まで冷蔵庫の野菜室で保存しています。
 

球根を寒さに当てる

この時期、毎年ワクワクすることがあります。それは、球根を集めること♪ 9月下旬ごろになると、ホームセンターの園芸コーナーには球根が出回ります。
代表的な秋植え球根はチューリップ、ムスカリ、ヒヤシンス、スイセンなどですが、「どうせチューリップは沖縄では咲かないし…」と思っていませんか? 
冬の気温があまり下がらない沖縄で、チューリップなどのユリ科の球根をそのまま植えつけても残念ながら開花しません。ユリ科の球根は、一定の寒さに当てないと花芽が作られないのです。
そこで、ひと工夫。球根を冷蔵庫に一定期間入れて、“人工的に”冬を体験させちゃいましょう(笑)。
プロの生産者は厳密に温度や光の調整をして行う技なのですが、家庭では球根を冷蔵庫に入れることである程度は開花させられます。楽しむ範囲で挑戦してみてくださいね。
9月~10月に球根を購入し、通気性の良い紙袋に入れて、冷蔵庫の野菜室に2カ月入れます。冷蔵庫から出したときの温度変化で球根に「春が来た?」と勘違いさせるのです。
そして、冷蔵庫から出したらすぐに地表から8センチ~10センチくらいの深さに植え付けましょう。11月下旬~12月いっぱいまでに植え、過度な乾燥を避けるようにしましょう。
沖縄での球根花についてはまだまだ勉強途中ですが、いろいろな種類を植えてみたいと思っています。
育てるのはもちろん、花の絵袋を集めて眺めているだけでも楽しいので、私は袋をスクラップして成長記録と共に残しています。自分だけのお花図鑑、作ってみてはいかがでしょうか。
 

沖縄でチューリップ咲かせる技「冷蔵庫で人工の冬体験させる」


発芽したチューリップ。思わず「こんにちは!」と言いたくなるかわいさ。球根花は生育が早くて観察も楽しい♪

①9月~10月に球根を購入し、すぐに通気性の良い紙袋(ポリ袋は通気性が悪いので避ける)に入れ、冷蔵庫の野菜室に2カ月入れる。

②冷蔵庫から出したらすぐに植えつける。冷蔵庫から出して長くおくと、球根が乾燥して花芽がつかなくなるので注意。

③暑さを避けるため地表から(鉢植えでも)8cm~10cmの深さに植える。

④11月下旬~12月いっぱいまでに植え付ける。

⑤植えた後は、毎日水やりをする必要はないが過度の乾燥は避ける。

★この方法で開花するのはほかに、ムスカリ(※)、ヒヤシンス、オリエンタル系ユリ、クロッカス(※)、アネモネ(※)など。
(※印は、地表から5cm深さ程度の浅植えでOK)。
★冷蔵庫に入れなくても開花するものは、サフラン、フリージア、イキシア、ラナンキュラス、日本スイセン(花の大きなものは不明)など。




球根の準備は9月下旬から
『北さんのお庭』



北めぐみ/愛知県で生花店や園芸店に勤務したのち、沖縄に移住。浦添市で小さなガーデニングショップ「庭のおくりもの」を営む。ポーランド食器も販売中。
きた・めぐみ/愛知県で生花店や園芸店に勤務したのち、沖縄に移住。浦添市で小さなガーデニングショップ「庭のおくりもの」を営む。
沖縄県浦添市港川2-29-5(地図
098-878-0355
ブログ:http://niwano22.ti-da.net/​

「庭のおくりもの」
営業時間:午前10時~午後6時、日・月定休。珍しい植物の苗や寄せ植え、ガーデニング雑貨、ポーランド食器を販売しています。庭の見学もどうぞ。インスタやっています!
https://www.instagram.com/niwanookurimono/?hl=ja​


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毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1698号・2018年7月20日紙面から掲載

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スタッフ
東江菜穂

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編集者
週刊タイムス住宅新聞、編集部に属する。やーるんの中の人。普段、社内では言えないことをやーるんに託している。極度の方向音痴のため「南側の窓」「北側のドア」と言われても理解するまでに時間を要する。図面をにらみながら「どっちよ」「意味わからん」「知らんし」とぼやきながら原稿を書いている。

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