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2023年9月15日更新

大開口+土間で奥行き|(株)一級建築士事務所STUDIO MONAKA

[趣味と家族の時間を両立]
Tさん(39)宅は、建物の内外をコンクリート打ち放しで仕上げた2階建て。南北の大開口や土間で緩やかに外とつなげて1階リビングに奥行きを持たせるなど、開放的な住まいで家族5人がにぎやかに暮らす。

1階キッチンから見たリビング。左右の大きな窓と、写真左側の土間を介して室内外が緩やかにつながる。Tさんは「土間にバイクを置いて作業をしていても、リビングやキッチンにいる家族とコミュニケーションがとれる」と話す


リビングでバイク眺める

Tさん宅
 RC造/自由設計/家族5人 

コンクリート打ち放しの外壁に、ポーチを覆う木製の屋根がよく映えるTさん宅。中の雰囲気も同様で、1階にリビングと水回り、2階に寝室や子ども室がある。

「開放的な空間にしたかった」とTさんが話すのは約17帖のリビング。南北にある大開口から外に視線が抜け、実面積以上の広さを感じる。

そんなリビングの一角、北側の窓の手前はコンクリートの土間になっている。普段はTさんの大切なバイクを止めており「リビングでくつろぎながら、ちらっと見て『お、カッコイイ』って自己満足しています。バイクをいじりながら、家族と会話できるのもいい」と笑顔を見せる。

土間の窓を開ければ、リビングから、半屋外の土間・ポーチ、外まで緩やかにつながって、リビングがより開放的な空間に。妻(38)は「バーベキューの時など、外と中のやりとりもスムーズ。子どもたちは外と中を一体的に使って遊んでいます」と目を細める。


1階リビング。リビングと土間を仕切る棚が低いので、窓の外の駐車場まで視線が抜けて開放的


土間リビングから見た階段。コンクリートに囲まれた鉄骨製の階段が軽やかな印象。奥の風景もよく見える


駐車場でバーベキューを楽しむ様子。室内の土間にはバイクが置かれている(建築士提供)


ランドセルまで収納

子どもたちが成長し、アパートが手狭になってきたのを機に、Tさんの実家の土地の一部を譲ってもらい家造りをスタートした。Tさんは「湿気が少ない室内の、見える場所にバイクを保管したいというのもあった」と話す。

設計は、妻の弟でもある建築士に依頼。そのため「本音で相談でき、わがままもいろいろ言えました」と夫妻。

その一つが、随所に設けられた大きな収納だ。妻は「ものを出しっ放しにしたくなかった。子どもたちのランドセルまで片付けられるのはうれしい」と喜ぶ。住み始めて間もなく2年、にぎやかに遊ぶ子どもたちもいるがどの部屋もすっきりしている。

「もうすぐ犬を飼う予定なんです」とTさん。ますますにぎやかになりそうだ。
 

洗面室。写真奥の脱衣室や手前にあるトイレもコンクリート土間になっている。妻は「水がはねても気にならないし、土間から行き来できる動線も便利。外でプールで遊んでいる時など、びしょぬれのままでも大丈夫」と話す


土間から自転車で出てくる子どもたち。木製のサッシや玄関扉について建築士の仲本さんは「薬剤を圧縮注入したアコヤを使った。水やアリに強く、変形もしない」と説明する



ここがポイント
建物守る二重の外壁

Tさんが求めたのは「室内ガレージ」と「バイクをいじりながら家族とつながれる開放的な空間」。

そこで設計した仲本兼一郎さんは、1階リビングの南北に大きな開口部を設け、一角にはバイクを置ける土間を配置した。「リビングとの間は棚で仕切っているものの、棚の高さは腰くらいなので、家族の憩いにも参加しやすい。リビングから外に向けての視線も邪魔しないので、開放感にもつながる」と説明する。

また、1階北側の窓を開ければ、外から、屋根のついた半屋外のポーチ、室内だけど外のように扱える土間、リビングへと段階的につながる。「機能や質が異なる空間を重ねていくことで、ワンルームのようなシンプルな空間に奥行きを持たせた」

1階の外壁は1.5階分くらいの高さがあり、2階をぐるりと囲んでいる。そのため2階は外壁が二重になっている。その理由を「昔は石垣や防風林などで建物を守っていたが、今は外構にお金をかけるのが難しく、建物自体で耐えなければいけないから」と仲本さん。台風時には防風林のような役割をして窓に直接風が当たるのを防ぐほか、寝室の壁に西日が当たらないので暑くなりにくいという。

さらに、2階寝室と1階外壁との隙間を活用し、1階キッチンのためのトップライトを設置。奥まった場所にあるキッチンを明るく照らす=写真



南側から見た外観。1階の外壁が2階まで延びているが、途中に庇を設けることで1階外壁の高さを分割し、見た目の圧迫感を軽減させている


2階バルコニー。1階外壁の延長部分が、高さ1.8メートルほどの手すりになっている。「外から生活感が見えないのがいい」と妻


2階寝室。低めの窓と外の高い壁によって、外からの視線が気にならない。台風時の被害も抑えられる



1階キッチン。トップライトから光が入って明るい


[DATA]
家族構成:夫婦、子ども3人
敷地面積:229.01平方メートル(約69坪)
1階床面積:75.9平方メートル(約22.9坪)
2階床面積:48.9平方メートル(約14.7坪)
建ぺい率:39.17%(許容60%)
容積率:54.5%(許容200%)
用途地域:第一種低層住居専用地域
躯体構造:鉄筋コンクリート造
     壁式構造
設計:(株)一級建築士事務所 STUDIO MONAKA 仲本兼一郎
構造:(株)濱川構造設計
施工:(株)エムズ


問い合わせ
(株)一級建築士事務所STUDIO MONAKA
電話=098・851・7711
https://studiomonaka.com/


撮影/泉公(ララフィルム) 文・出嶋佳祐
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1967号・2023年9月15日紙面から掲載

この記事のキュレーター

スタッフ
出嶋佳祐

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編集者
「週刊タイムス住宅新聞」の記事を書く。映画、落語、図書館、散歩、糖分、変な生き物をこよなく愛し、周囲にもダダ漏れ状態のはずなのに、名前を入力すると考えていることが分かるサイトで表示されるのは「秘」のみ。誰にも見つからないように隠しているのは能ある鷹のごとくいざというときに出す「爪」程度だが、これに関してはきっちり隠し通せており、自分でもその在り処は分からない。取材しながら爪探し中。

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