特集・企画
2021年12月31日更新
【沖縄】タイムス住宅新聞<年末年始特別号>|トイレから考える SDGs
毎日利用する身近な空間、トイレ。老若男女、誰でも使いやすく、環境にも優しい“持続可能なトイレ”を探りながら、SDGsな家づくりやまちづくりについて、改めて考えてみよう!
毎日利用する身近な空間、トイレ。老若男女、誰でも使いやすく、環境にも優しい“持続可能なトイレ”を探りながら、SDGsな家づくりやまちづくりについて、改めて考えてみよう!
「SDGs」とは持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)のこと。2015年9月の国連サミットで採択された2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標で、17のゴールと169のターゲットから構成。地球上の「誰一人取り残さない」ことを誓い、日本も積極的に取り組んでいる
人や環境に優しいマネしたい設備
過去に本紙で紹介した住宅やコンドミニアムの中から、「SDGs」なトイレをピックアップ。節電やバリアフリーなどマネしたい工夫が満載だ。
ストレッチャーでの使用も想定
2020年11月13日発行号(1819号)
「母屋と離れの間に土間」設計/㈱GAB
Mさん宅
M邸は、母親との介護同居を見据えて建てた住まい。トイレは洗面脱衣所内に設け、車椅子だけでなくストレッチャーでの利用も考えて広く取った。トイレ、洗面脱衣所、浴室とワンルーム的な造りにすることで、介護する側もされる側も動作の負担が少なくて済む。
キッチンパネルでキレイ保つ
2021年11月19日発行号(1872号)
「ライフステージに合わせて一新」/アーキラボラフィット
新垣さん宅
メラミン樹脂やホーローなど、キッチン壁に使われるパネルは、手入れのしやすさからトイレ建材にも適する。ホーロー製パネルを壁と床に使った新垣さん宅は、水拭きでキレイを保てる。臭いが染み込みにくい、薬品に強いといった特徴に加え、磁石の着脱ができるので、タオル掛けやペーパーホルダーを使いやすい位置に付け替え可能。キレイも使いやすさも維持しやすい工夫だ。
折れ戸で省スペース&広々間口
2021年7月23日発行号(1855号)
「リゾートも仕事も多世帯も障がい者も」(ホテルに習う空間づくり)
美ら海ビレッジ
プール&テラス
障がいの有無を問わず誰でも快適に過ごせる空間を目指し、2021年8月、本部町に開業した一棟貸しのコンドミニアム「美ら海ビレッジ プール&テラス」。トイレは、「折れ戸」を導入。引き戸の場合は扉を引き込むスペースが必要だが、折れ戸は省スペースで大きな扉を設けることができる。同ホテルは、3枚に折れながら、横へ開く折れ戸を採用。車椅子でも出入りしやすい広い間口を確保した。さらに、上つり戸にすることで床の凹凸をなくし完全にフラットにした。
太陽光取り入れ明るく
2020年8月7日発行号(1805号)
「凹凸に集う光・風・人」設計/㈲門一級建築士事務所
Oさん宅
2021年2月5日発行号(1831号)
「景色をつなぐ住まい」設計/㈲門一級建築士事務所
Tさん宅
日中、照明をつけなくてもトイレ内を明るくできるのが天井から光を取り込むトップライト。Oさん宅でも採用されており、太陽の位置や天候による明るさの差が少ないのが特長。明るいので子どもがトイレを怖がりにくくなったり、熱によって湿気やカビを抑制する効果も期待される。
下部に窓を設ける方法もある。Tさん宅は、居室空間が全体的に明るいため、この方法を採用し、光を入れつつもトイレを落ち着く空間とした。また、外部から侵入できない坪庭に窓が面しているため、窓を開けることで常に換気でき、熱がこもりにくくなっている。
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞 <年末年始特別号>
第1878号 第1集・2021年12月31日紙面から掲載