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2024年5月24日更新

[お住まい拝見+]窓隅まで伸ばし 開放感を演出|㈱ISSHO建築設計事務所

「お住まい拝見」で掲載しきれなかった設計の工夫や施主のこだわり、記者がおもしろいと感じたポイントなどを紹介する。(紙面連載「今月の表紙から・2024年5月」より転載)

窓隅まで伸ばし 開放感を演出

外壁から屋根に伸びるアマハジ柱は沖縄に昔からある高倉の構造を応用したもの。アマハジ柱は取り替えなどメンテナンスしやすいよう、漢那さんが開発した金具で外壁に固定している


5月17日号/「古の技生かした木造」/Iさん宅
㈱ISSHO建築設計事務所


屋根を支える斜めのアマハジ柱が特徴的なIさん宅。南側に擁壁があったため、住宅を8㍍後退させる必要から建築面積が限られた。設計を手がけた建築士の漢那潤さんは生活空間を確保するため、3階建てに。その際、室内がより開放的に感じられるよう、窓の取り付け方を工夫。室内のコーナーを壁と壁で接合させるのではなく、窓をコーナーまで伸ばし、すっきりさせている=下写真□部。漢那さんは「コーナーを窓と壁でつなげて室内の圧迫感を軽減しつつ、外へと視界が広がるよう計画しました」と説明する。 ソファなど天然木を使った家具が並ぶLDKには、木で造った収納棚をキッチンの前後に取り付けた。棚の戸は竹を編み込んで製作し、特にエアコンは隠しながらでも冷気が室内の隅々まで行き届くように=右写真。室内の快適さを損なうことなく、柱や梁など構造部材の木があらわとなった室内になじむ意匠性も両立させている。
 
LDK。写真右側のキッチンカウンターも漢那さんが設計したもの。木が持つ調湿効果などに加えて、壁は湿気を吸収する漆喰左官仕上げ、より快適な空間に
 
造作した棚。戸は竹が格子状に編まれているため、閉めても冷気は室内を循環する
 
木屋根組があらわになった2階の寝室。木はコンクリートに比べて熱の伝導率が低いため、太陽熱の影響を抑えられる
 

室内の柱は土間床から浮かせて固定。内外ともにメンテナンスしやすいよう、配慮している

撮影/高野光・フォトアートたかの 取材/市森知
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第2002号・2024年05月17日紙面「今月の表紙から・2024年5月」より掲載

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