ワンルームで広々|テラワキケンチクコウジョウ[お住まい拝見]|タイムス住宅新聞社ウェブマガジン

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2023年12月15日更新

ワンルームで広々|テラワキケンチクコウジョウ[お住まい拝見]

[テラスまで一体で約50帖]
室内は間仕切りが少なく、LDKから子ども室や和室、テラスまでつながり約50帖にもなるKさん宅。ワンルームのような室内はライフスタイルの変化に対応する開放的な造りとなっている。

青系のインテリアでまとめ、落ち着いた雰囲気が漂うKさん宅。天井の一部が3・8メートルの吹き抜けとなっているLDKは、各居室やテラスとつながり、広がりのある空間となっている
 

キッチンを中心に

Kさん宅
 RC造/自由設計/家族5人 

三つのコンクリートの箱を組み合わせたような外観が特徴のKさん宅。夫婦が家づくりで外せなかったのは「明るく、開放的な室内」。その言葉通り、LDKからテラスまで一体となった空間で、5人家族が伸び伸びと暮らす。

室内はLDKから和室、子ども室まで間仕切りが少なく、大きなワンルームのような造り。LDKの南側にある3枚の引き戸を開ければ、半屋外のテラスまで緩やかにつながり、実面積以上の広さを感じられる。妻は「テラスから風と光が室内に抜けて、気持ちがいい」と笑う。

テラスは家族の憩いの場の一つ。「日よけのシェードも取り付けられるので、人目を気にすることなく、バーベキューを楽しんでいます」とKさんは話す。

共働きのため、家事負担を抑えられることも重視した。テラスは駐車場と一直線につながっているため、「買い物した荷物をキッチンに運ぶのが楽」と妻。キッチンはアイランド型のものを家の中央に配置し、各部屋が見渡せるようにした。夫婦は「2人で食事の準備をしていても、テラスでくつろいだり、子ども室で勉強したりする子どもの様子が目に入って安心」と使い勝手の良さを実感している。

キッチンの背後には、乾燥機のある脱衣室や家族の衣類を収納する納戸を一直線に配置。洗濯動線もコンパクトにまとめた。

LDKと隣接するテラス。「テラス→土間→LDK」と内外問わず一つの空間となる。土間とLDKの間には20センチの段差をつけ、腰掛けられるようにしている
LDKと隣接するテラス。「テラス→土間→LDK」と内外問わず一つの空間となる。土間とLDKの間には20センチの段差をつけ、腰掛けられるようにしている
 

外観。凹凸をアクセントとし、三つの箱それぞれで仕上げも変えている外観。凹凸をアクセントとし、三つの箱それぞれで仕上げも変えている


キッチンは夫婦が並んで立って作業しても、窮屈にならないよう広めにとった

 

夫婦の寝室。クローゼットは扉を省くことで広く感じられる夫婦の寝室。クローゼットは扉を省くことで広く感じられる



テラスを充実させたい

家づくりはKさんの父親の土地を分筆してもらい、スタート。設計は同級生の建築士に依頼した。Kさんは「家族ぐるみの付き合いだったので、要望以外はほとんど任せっきりでした」。

そんな家づくりもまだ途中。休日に海釣りを楽しむKさんは、テラスにシンクの取り付けを計画している。「釣った魚をすぐにさばいて、そのままテラスで食事を楽しみたい」とこれからの暮らしに胸を躍らせていた。

キッチンからは左にある子ども室、和室、テラスまで見渡せる。テラスを塀で囲んだことで、3枚引き戸にカーテンを設ける必要がなく、視線が外まで抜けて開放的に感じられる
キッチンからは左にある子ども室、和室、テラスまで見渡せる。テラスを塀で囲んだことで、3枚引き戸にカーテンを設ける必要がなく、視線が外まで抜けて開放的に感じられる
 

玄関の床は土間、テラスまで延び、回遊性のある造り

玄関の床は土間、テラスまで延び、回遊性のある造り
 

子ども室。部屋の中央に仕切り壁を設置すれば、2部屋に分けられる

子ども室。部屋の中央に仕切り壁を設置すれば、2部屋に分けられる


駐車場から見た外観

駐車場から見た外観

和室は戸を壁の内側に収納でき、LDKとのつながりを高めている和室は戸を壁の内側に収納でき、LDKとのつながりを高めている

 


ここがポイント
仕切り減らし 用途自由に

Kさん夫婦の要望を実現するため、建築士の寺脇雄三さんがポイントとしたのは「部屋の用途を限定しないこと」。極力間仕切りを減らし大きなワンルームとして使えるよう計画した。「子育て期、子どもが巣立った後で暮らし方や空間の使い方が異なる。ワンルームのような空間はライフスタイルが変化したとしても、部屋を持て余すことがない造り」と説明する。

室内はLDKから子ども室、和室まで一つの空間として使える。さらに、土間の3枚引き戸を開けると、テラスまでつながり、約50帖の開放的な空間となる。「LDKの天井は一部吹き抜けとし、3・8メートルの高さをつけた。横にも縦にも広がりをもたせている」と寺脇さん。吹き抜け部には高窓を設け、北側からの柔らかい光も取り込んだ。

テラスは空まで視線が抜けLDKを実面積以上に広く感じさせるだけではなく、「屋根を設ける必要がないため、コスト削減にもつながっている」。また、塀で囲むことで、外部の視線と全面道路を通る車の騒音を遮る緩衝帯の役割も持たせた。塀にはアルミ格子の引き戸を取り付けテラスを介して、駐車場からキッチンに直接荷物を運びやすいようにしている。



[DATA]
家族構成:夫婦+子ども3人
敷地面積:228.85平方メートル(約69坪)
1階床面積:93.33平方メートル(約28坪)
建ぺい率:47.17%(許容60%)
容積率:40.78%(許容150%)
用途地域:第1種中高層住居専用地域
躯体構造:壁式鉄筋コンクリート造
設計:テラワキケンチクコウジョウ 寺脇雄三
構造:はざま建築設計
施工:合同会社大富建設
電気:屋富祖電気工事社
水道:前田設備
造園:グリーン・ピース


問い合わせ
テラワキケンチクコウジョウ
電話=098・987・4486
https://terawaki-kojo.jp


撮影/矢嶋健吾 取材/市森知
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1980号・2023年12月15日紙面から掲載

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週刊タイムス住宅新聞編集部

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