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2021年9月10日更新

[沖縄・お住まい拝見]省エネ&省スペースな家|(有)フロンティア-ズ

[機能も間取りも妥協せず]
「省エネ性能も間取りも、優先順位は1位」と中川健一さん(34)。断熱性・気密性が高い木造住宅に太陽光発電と蓄電池も備える。さらに約28坪に3LDK+和室、書斎やパントリー、室内物干し場まで設けた。

中川家のLDKは日当たりの良い2階にある。小上がりの和室まで一体となった明るく広々とした空間。和室の下部は収納になっている
中川家のLDKは日当たりの良い2階にある。小上がりの和室まで一体となった明るく広々とした空間。和室の下部は収納になっている


将来考え「ZEH+」

中川さん宅
 木造/自由設計/家族5人 

「初期費用より維持費用を抑えたい」「風通しより日当たり重視」「外観より内部環境」など、希望が極めて明確だった中川健一さん。特に省エネ住宅に関して「かなり情報収集しました」。建築会社から「省エネ建築オタク!」と言われるほどだ。

選んだのは、外の暑さ・寒さ、湿度をシャットアウトする高断熱・高気密の木造住宅だ。中でも、省エネ性能が高い「ZEH(ゼッチ)+住宅(※)」を手掛ける建築会社に依頼した。基準をクリアし、「国から113万円の補助金ももらえました」

(※)「ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)」とは家庭で使用するエネルギー量より、太陽光発電などで創るエネルギー量の方が上回る(もしくは同等の)住まい。設備や構造の工夫で省エネを実現する。「ZEH+」とは、さらに厳しい省エネ基準をクリアした家。

2階建て約28坪の住居。「2階に設置したエアコン1台の稼働で、夏場でも室温は27度前後、湿度も60%前後を保ちます」

太陽光発電と蓄電池も導入。「住んで半年。冷房や除湿機、洗濯乾燥機も使っているが、電気料金は曇り続きだった6月に100円かかっただけ」と話す。

2階のキッチン。リビングやダイニング、和室まで見通せる。奥のパントリーに冷蔵庫やウオーターサーバーなどもしまっているから、表はスッキリ
2階のキッチン。リビングやダイニング、和室まで見通せる。奥のパントリーに冷蔵庫やウオーターサーバーなどもしまっているから、表はスッキリ

ダイニング横に子どもたちのスタディースペースを設けた。子ども室は1階だが宿題などはここでできるダイニング横に子どもたちのスタディースペースを設けた。子ども室は1階だが宿題などはここでできる
 

1階のファミリークローゼットの奥に書斎がある。上部のロールスクリーンを閉じれば完全な個室になる。「コロナ禍の在宅ワークでも重宝しています」

1階のファミリークローゼットの奥に書斎がある。上部のロールスクリーンを閉じれば完全な個室になる。「コロナ禍の在宅ワークでも重宝しています」
 

洗面脱衣所は室内物干し場も兼ねる。つり下げ式の物干し棒と、壁掛けの除湿機が設置されている。「夜、洗濯物を干して除湿機をかければ浴室までカラッと乾く」

洗面脱衣所は室内物干し場も兼ねる。つり下げ式の物干し棒と、壁掛けの除湿機が設置されている。「夜、洗濯物を干して除湿機をかければ浴室までカラッと乾く」


明るい2階にLDK

日当たりの良い2階にLDK+和室がある。5歳、3歳、1歳の子どもたちは和室で昼寝をしたり、ダイニング横のスタディースペースでぬり絵をしたり、リビングでテレビを見たりして過ごす。対面式のキッチンからは、そのすべてに目が届く。

「表に物を出したくない」ことから、キッチンそばにパントリーを、小上がりの和室の下には季節の物をしまう大収納を造ってもらった。

1階には個室や浴室、ファミリークローゼット(FC)がある。FCの奥は書斎になっている=右写真。「オンライン会議はいつもここ」。洗面脱衣所には、物干し棒と壁掛け除湿乾燥機を設置=左。室内干し場として「大活躍です」

隅々まで気温や湿度が一定の家だからこその、デッドスペース活用法だ。

外観。木製の玄関のほかに、中央に見える出入り口は洗面脱衣所につながる。駐車場で水遊びや洗車をした後、そのまま着替えや入浴ができる
外観。木製の玄関のほかに、中央に見える出入り口は洗面脱衣所につながる。駐車場で水遊びや洗車をした後、そのまま着替えや入浴ができる
 

靴を着脱するエントランスは広々。自転車なども止められる
靴を着脱するエントランスは広々。自転車なども止められる

2階の冷気が1階に逃げないよう、2階階段の前に扉が設置されている。「子どもが小さいのでベビーゲート代わりにもなっています」と中川さん
2階の冷気が1階に逃げないよう、2階階段の前に扉が設置されている。「子どもが小さいのでベビーゲート代わりにもなっています」と中川さん


小上がりの和室は下部が大収納になっていて、季節の物などをしまっている。襖(ふすま)は設けずロールスクリーンを設置。開け放てばLDKと一体となる​


窓はすべて気密性の高い樹脂サッシと複層ガラス。空気層のある断熱ブラインドで外気をシャットアウト。24時間、換気をするシステムも設置され、70秒ごとに空気が入れ替わる



ここがポイント
多機能な28坪 断熱&24h換気で快適

県内で高断熱・高気密の家を数多く手掛ける(有)フロンティアーズ。同社の伊藝直代表は、「私たちが得意とするZEHの造りに、デザイン建築家の力を加えて、性能にも間取りにもこだわる施主の要望をかなえた」と話す。

まずは間取りの工夫。約28坪と限られた面積の中で、書斎や室内物干し場、スタディースペースやパントリーまで設けているが、窮屈さは感じない。そのカギは「多機能」。

例えば、ファミリークローゼットの奥を書斎として利用。手前の収納部がクッション空間になって「周りが気にならず、仕事に集中できる」と施主。

小上がりの和室はワンルーム的な2階にメリハリを付けながら、大収納としても活躍する。

広い玄関土間は、自転車置き場にもなり、玄関扉を開けたときに広さを感じさせる。

機能面は、断熱材で家をすっぽり覆って外気を遮断。特に熱の出入りが多い窓周りは、樹脂サッシ、複層ガラス、断熱ブラインドの三重で熱の出入りをシャットアウトする。

さらに、ZEHより上のZEH+の基準をクリアするため、「5・6kWhの蓄電池を備えている。貯(た)めた太陽光発電を無駄なく使えるし、災害時にも強い」と伊藝代表。電気自動車の充電設備も備えている。

24時間換気システムも導入。「外気をいったん換気扇に貯め、温度と湿度を調整してから室内に入れる。外気の影響を受けずに空気の入れ替えができ、室内の温湿度が安定する」と話した。


[DATA]
家族構成:夫婦、子ども3人
敷地面積:117.81平方メートル(35.63坪)
1階床面積:48.02平方メートル(14.52坪)
2階床面積:43.06平方メートル(13.02坪)
建ぺい率:40.32%(許容50%)
容積率:79.47%(許容100%)
断熱基準:Ua値0.42W/平方メートルk
日射遮蔽:ηAC値1.3
気密測定値:C値0.1c平方メートル/平方メートル
用途地域:第一種低層住居専用地域
躯体構造:木造
設計:Kawakatsu Design
施工:フロンティア-ズデザインハウス

問い合わせ
 (有)フロンティア-ズ
  電話 098・934・6701
  https://www.frontiers-house.jp/


撮影/比嘉秀明 取材/東江菜穂
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1862号・2021年9月10日紙面から掲載

この記事のキュレーター

スタッフ
東江菜穂

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編集者
週刊タイムス住宅新聞、編集部に属する。やーるんの中の人。普段、社内では言えないことをやーるんに託している。極度の方向音痴のため「南側の窓」「北側のドア」と言われても理解するまでに時間を要する。図面をにらみながら「どっちよ」「意味わからん」「知らんし」とぼやきながら原稿を書いている。

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