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2021年9月3日更新

[沖縄・お住まい拝見]いつでも家族を感じて|Arms DESIGN

[住宅密集地でも伸びやかに]
居住空間を2階にまとめたコンパクトな造りで、住宅密集地でも伸びやかに暮らす鈴木さん(45)宅。お気に入りのちゃぶ台を置いた小上がりに集い、だんらんの時間を楽しむ。

2階のLDKと小上がり。曲線を描くブルーグリーンの壁が、空間のアクセントに。小上がりの畳間が、家族の集いの中心。廊下の奥に水回りと洋室がある
2階のLDKと小上がり。曲線を描くブルーグリーンの壁が、空間のアクセントに。小上がりの畳間が、家族の集いの中心。廊下の奥に水回りと洋室がある


個性的であきない

鈴木さん宅
 RC造/自由設計/家族5人 

大きさの違う積み木を重ねたような、立体的な形が特徴的な鈴木さん宅。大きく張り出した2階部分が、日差しと雨を遮るピロティは、駐車場兼3人の子どもたちの遊び場だ。家を建てたのは7年前。「家族で過ごす時間を大事にしたい」と、いつも気配が感じられる造りを希望した。

1階は、4・5畳の土間がある玄関と、多目的に活用する洋室、トイレのみ。2階にLDKと寝室として使う洋室、水回りがコンパクトにまとまる。「子どもたちはよく、土間で竹馬の練習をしています。帰宅したらすぐに玄関脇のトイレで手を洗い、2階に上がる。コロナ禍の今、この家の造りがより便利に感じます」と夫人(38)。

2階のLDKは、木格子に、アンティークガラスをはめ込んだ間仕切りと、弧を描くブルーグリーンの壁が印象的。「サザエさんの食卓をイメージした」という、ちゃぶ台を置いた小上がりに家族が集い、宿題をしたり、絵本を読んだり、思い思いに過ごす。

小上がりからLDを見る。小上がりには、本棚とカウンターを造り付けた。6種類のアンティークガラスをはめ込んだ木格子の仕切り壁が、空間に柔らかな雰囲気をもたらす
小上がりからLDを見る。小上がりには、本棚とカウンターを造り付けた。6種類のアンティークガラスをはめ込んだ木格子の仕切り壁が、空間に柔らかな雰囲気をもたらす
 

階段室は、ミニギャラリー。照明を仕込んだニッチスペースに、子どもたちが描いた絵や雑貨を飾って楽しむ。高窓から光を取り込み、明るい

階段室は、ミニギャラリー。照明を仕込んだニッチスペースに、子どもたちが描いた絵や雑貨を飾って楽しむ。高窓から光を取り込み、明るい

2階のテラスは、鈴木さん自身でウッドパネルを敷き、リビングダイニングと一体的に使えるように工夫。プールやテントを広げて楽しむ
2階のテラスは、鈴木さん自身でウッドパネルを敷き、リビングダイニングと一体的に使えるように工夫。プールやテントを広げて楽しむ


手を加えて楽しむ

知人宅を手がけた建築士のデザインが気に入って、土地探しから相談。夫人の実家に近い、那覇市内の住宅地に土地を購入した。「建築士さんがとても話しやすく、やりたいことを全部出して絞り込んだから、他にはない特徴のある家になった」と鈴木さん。

家時間が長くなる中、テラスにウッドパネルを敷き、ビニールプールやテントを出して、アウトドア気分を楽しむ。「キッチンから目が届くから安心。これから裏庭に畑を作って、野菜やハーブを育てたい」と夫人。日々手を加える「あきない家」で、家族と過ごす時間を満喫する。

玄関。4.5畳の土間スペースは、自転車などを置いても余裕の広さ。3枚建ての玄関引き戸を開けると、ピロティとつながり、子どもたちの遊びの幅も広がる
玄関。4.5畳の土間スペースは、自転車などを置いても余裕の広さ。3枚建ての玄関引き戸を開けると、ピロティとつながり、子どもたちの遊びの幅も広がる
 

北側の外観。大きく張り出した2階部分のおかげで、雨にぬれずに車から乗り降りできる。駐車スペースも3台確保
北側の外観。大きく張り出した2階部分のおかげで、雨にぬれずに車から乗り降りできる。駐車スペースも3台確保

1階の裏庭。張り出した2階のテラスがひさし代わりに。新築時に建築士がシンボルツリーとして贈ったストロベリーグヮバも実をつけ、家族で収穫を楽しむ
1階の裏庭。張り出した2階のテラスがひさし代わりに。新築時に建築士がシンボルツリーとして贈ったストロベリーグヮバも実をつけ、家族で収穫を楽しむ


ここがポイント
片持ち梁で広さ確保 居室を2階に集中

敷地は南北に細長く、北側に前面道路、東西に隣家が近接する。南側に建つマンションの敷地とは約4メートルの高低差があり、擁壁で土留めされていた。

安定した地盤に建物を建てるためには、南側の擁壁から約6メートル後退させる必要があり、必然的に使える面積は小さくなる。安全性を確保しながら、敷地を有効に活用するため、建築士の西村修さんは、「2階部分が1階から張り出すような形のキャンティレバー(片持ち梁(はり))を採用。2階部分で広さを確保し、生活空間をまとめました」と説明する。

住宅密集地のため、プライバシーの確保に配慮。開けた南側に、大きな開口部を設ける一方、道路側は壁で閉じ、吹き抜けの光庭を配置。隣家に面する東西は高窓や小窓にして、光、風を取り込みながら視線を遮る。

2階のLDKでは、デザイン性と暮らしやすさを両立する工夫が光る。階段との仕切り壁には、アンティークガラスをはめ込んだ木格子を採用。空間のアクセントにしながら、階段上部に設けた高窓から入る光を、効率よくLDKに届ける仕掛けになっている。

また、華やかな色が目を引くリビングダイニングの壁は、「廊下の広さと安全性を確保するため」曲線に。小上がりの下部が収納になっているほか、2階のキッチンと洋室の床下には、深さ60センチの床下収納も設けた。
 

玄関脇にある1階のトイレ。吹き抜けになった光庭に面しているため、明るさも十分

玄関脇にある1階のトイレ。吹き抜けになった光庭に面しているため、明るさも十分




[DATA]
家族構成:夫婦、子ども3人
敷地面積:130.83平方メートル(39.57坪)
1階床面積:32.474平方メートル(9.8坪)
2階床面積:63.31平方メートル(19.1坪)
建ぺい率:49.788%(許容60%)
容積率:73.20%(許容200%)
用途地域:第1種住居専用地域
躯体構造:鉄筋コンクリートラーメン構造
設計・構造:Arms DESIGN
      城間聡、西村修
施工:(株)佐平建設
電気:神谷電設
水道:(有)當山設備興業

問い合わせ
 Arms DESIGN
  電話 098・988・4242
  https://armsdesign.ti-da.net/


撮影/泉公(ララフィルム) 取材/比嘉千賀子(ライター)
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1861号・2021年9月3日紙面から掲載

この記事のキュレーター

キュレーター
比嘉千賀子

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編集者
住まいと暮らしの情報紙「タイムス住宅新聞」元担当記者。猫好き、ロック好きな1児の母。「住まいから笑顔とHAPPYを広げたい!」主婦&母親としての視点を大切にしながら、沖縄での快適な住まいづくり、楽しい暮らしをサポートする情報を取材・発信しています。

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