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2020年6月5日更新

古い集合住宅 白い床で広々|(有)国真住建

[こだわリノベ]|伊江島で暮らしていたUさん(45)家族は、長女(15)の高校進学を機に那覇市内で暮らすことに。そこで両親から築30年以上のマンションを購入し、白を基調とした空間にリフォームした。北欧風家具が似合うよう、クロスの色選びなども楽しんだ。

北欧家具が合う空間
Uさん宅
全面改修/築30年余/マンション/RC造


LDK。10年以上前に住んでいたころと家具の配置などは変わっていないが、床を白の木目調フローリングにしたことで、空間全体が白で統一され、実面積以上に広く感じる


リノベーション前
 

 改修前のお悩み 「10年以上住み手がおらず古くなった空間を今風にしてほしい」


各部屋に異なる彩り
玄関扉を開けると、天井から壁、床まで白い、現代風の空間が奥へと続く。那覇市内にあるUさん宅は、築30年を超すマンションの一室。4LDKと広いが、10年以上誰も住んでおらず、設備類も古くなっていたためリノベーションした。

一般的なフローリングを白い木目調に張り替えるなど、内装の色や材料をはじめ、照明やカーテンなども夫人(46)と長女が選んだ。「間取りはそのままでも、雰囲気なら変えられる。北欧風やナチュラル系の家具が似合うように」と、SNSなどを参考にしたという。

クロスは全室白だったが、リノベでは、1面にだけ色のついたアクセントクロスを個室に採用。各部屋で色は異なり、自室の壁を淡いピンクにした長女は「かわいいけど、大人っぽい感じで落ち着く」とお気に入りだ。

LDKは全体が白で統一され、実面積以上に広く感じる。幅広のキッチンには夫人と長女が並んで立つ。夫人は「娘とおしゃべりしながら料理するのがあこがれだった」と笑顔を見せる。



空間に合わせ、白をベースにしたキッチン。一方で、柱やドア枠などの色は濃いため、空間が引き締まって見える


リノベーション前



長女の部屋。1面だけ淡いピンクのアクセントクロスが貼られている。カーテンや布団カバーなどは、お気に入りの雑貨店でそろえた


昔の住まいを購入
マンションはもともと、伊江島で暮らすUさんの両親が25年前に中古で購入したもの。那覇に出かけた際に泊まったり、Uさんの姉妹が住まいとして使ったりしてきた。Uさん家族も6年ほど住んだことがあり、Uさんが教員採用試験で合格したり、長女が生まれたりと、家族の記憶が詰まった部屋でもあった。

その後、出身地でもある伊江島の小学校で約10年にわたって教壇に立ってきたが、長女の高校進学を機に那覇へ。立地やコストを考慮した結果、かつての住まいを両親から購入し、改修して再び住むことにした。

依頼先は、Uさんの教え子の家が住宅新聞で掲載されていたので、その家を見せてもらい、手がけた建築会社も紹介してもらった。

Uさんは「前に住んでいた時は余裕がなかったが、子育てもひと段落し、今は3人で映画を見たりしてくつろげる」とおうち時間を楽しんでいる。



Uさん夫婦がリノベを選んだ理由

新築での購入なども検討したが、同じ広さや間取り、立地条件などで考えた時、両親からマンションを購入してリノベーションする方が大幅にコストを抑えられた。
以前暮らしたこともあるため使い勝手も分かっていたし、広いバルコニーや夜景も魅力だった。



和室。黒枠の障子や琉球畳などにより、モダンな温泉旅館のような雰囲気


リノベーション前
 


Uさん宅リノベのカギ
廊下にも光や風が入るよう居室の壁に窓を設けた。材料を外階段から運ぶなど、他の部屋の住人に配慮した。

廊下に窓設け光と風
「築30年以上ではあったが、構造的に問題なかった。ただ、正式な図面がなく、マンション販売時の広告などを参考に、実測するところから始まった」と話すのはプランニングを担当した國吉真永さん。上下階につながる配管の位置などマンションならではの制約や、予算の都合もあり、間取りはそのままで計画を進めた。

その中で、より快適にするための工夫が随所に。玄関からリビングに続く廊下は、窓がなく、昼間でも照明が必要なほど暗かった。そこで國吉さんは、書斎の壁に窓を設けることを提案。「廊下に光が入り、風も通り抜けやすくした」

広いバルコニーは一部が黒くなり、水たまりの形跡と見られるものがあった。防水塗装の際に、その部分を高くして勾配を調整。水がたまらないようにした。

コンセントの数を増やしたり、テレビのアンテナ線も必要な部屋に引くなど、現場で調整しながら工事した。分電盤も六つしかなかったスイッチを12個にし、容量を超えたとしても全室のブレーカーが落ちないようにした。

施工時、注意したのは他の部屋の住人に迷惑をかけないこと。例えば、材料を運ぶ際は、前面道路が狭くクレーンが使えなかったため、4階のUさん宅まで外階段から運び入れた。

そのほか、夫人と長女がクロスの色などを選ぶ際は「床も含めて全体的に薄い色にするなら、ドア枠などの色は濃い方が空間が引き締まる」などのアドバイスもした。



書斎。家族みんなの書籍類が並んだ本棚は、壁の色が見えるよう背板がないものにしている



暗かった廊下は、書斎の壁に窓(右写真囲み部分)を設けることで光や風が入るようにした


リノベーション前



寝室。リラックスできるようにと、アクセントクロスは薄いグリーン。ウォールアートも飾り、リゾートホテルのような雰囲気になっている


リノベーション前



浴室。老朽化していたため以前のものは全て取り払い、ユニットバスを入れた


リノベーション前


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[DATA]
家族構成:夫婦、子ども1人
躯体構造:鉄筋コンクリート造
築年数:30年以上
床面積:87.66㎡(約26.48坪)
工期:約3カ月
プランニング・施工:㈲國真住建 國吉真永
デザイン監修:㈲色設計 田中健一朗
電気:東光電気水道工事社 新垣
水道:㈲丸栄電気水道工業 砂川
木内装:三協商会 仲田
キッチン・バス:㈲沖縄タカラ住設 嶋


[問い合わせ先]
㈲國真住建
098-862-2785


撮影/矢嶋健吾 取材/出嶋佳祐
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1796号・2020年6月5日紙面から掲載

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スタッフ
出嶋佳祐

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編集者
「週刊タイムス住宅新聞」の記事を書く。映画、落語、図書館、散歩、糖分、変な生き物をこよなく愛し、周囲にもダダ漏れ状態のはずなのに、名前を入力すると考えていることが分かるサイトで表示されるのは「秘」のみ。誰にも見つからないように隠しているのは能ある鷹のごとくいざというときに出す「爪」程度だが、これに関してはきっちり隠し通せており、自分でもその在り処は分からない。取材しながら爪探し中。

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