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2024年8月16日更新

福祉機器が進化し便利に[介護を支える 住まいの工夫㊱]

介護が必要な人も、介護をする人も、安心して安全に暮らせる住まいの整え方を紹介するコーナー。今回は7月12日、13日に沖縄県総合福祉センターで開催された「福祉機器展2024」から、浴室関連の福祉機器を紹介する。

介護を支える住まいの工夫


福祉機器が進化し便利に

介護が必要な人も、介護をする人も、安心して安全に暮らせる住まいの整え方を紹介するコーナー。今回は7月12日、13日に沖縄県総合福祉センターで開催された「福祉機器展2024」から、浴室関連の福祉機器を紹介する。

福祉用具でQOL向上

7月12日、13日、沖縄県総合福祉センターで「福祉機器展2024」が開催された。

福祉用具メーカー50社が出展し、最新の福祉機器を展示、体験会が行われたほか、会場内で研修会も開催。介護業界で話題となっているデジタル機器の導入事例や商品の紹介、介護技術やおむつ、口(こう)腔(くう)ケアなどの講座に、医療・福祉系の従事者や学生、一般県民が多数参加するなど、関心の高さが感じられた。
 

全国から50社の福祉機器メーカーが集い、沖縄県総合福祉センターで開催された「福祉機器展2024」。医療・福祉施設の関係者や学生をはじめ、介護に関心を持つ人々でにぎわった



水回り関連に注目

在宅介護を支える住宅設備として注目は浴室やトイレなど水回り関連製品。特にシャワーヘッドから泡も出せる泡シャワー製品は実際に試そうとする人でにぎわった。

同製品は、壁にマグネットで設置したスイッチレバーを上下に操作するだけで、シャワーヘッドから、お湯と泡が切り替わり出てくる=下写真。とてもきめ細かな泡が出るので、こすって洗う必要がなく、介助者がせっけんを泡立てる必要がない。泡は温かく、ホイップクリームのよう。その泡で全身を包むと、洗い上がりもしっとりするという。泡切れもよく、介護が必要な人も介護する側にも優しい。同製品を提供する豊田通商(株)の吉田雄さんは「施設職員の作業負担軽減につながったと多くの声がある。また、この展示会では、重度障害児など体を支えながら洗うのに苦労している家庭で楽になりそうだと感想をもらい、より可能性を感じることができた」と反響の良さを語った。

 


シャワーヘッドからお湯と泡が出る製品には多くの関心が寄せられた


ほかにも、浴室用床置き式の手すり=下写真=を展示した(有)サテライト代表の堤道成さんは「当社製品は水はけが良いゴムで、ぬれた手足でも滑りにくく、防さび、高耐久性が特徴。ほとんどの従来品で使えないカビとり洗剤が使え、いつでも清潔を保ち、床置き式で賃貸住宅でも取り入れることができる。どんな住宅環境に暮らしていてもあきらめず、たくさんの福祉機器があることを知ってほしい」と熱く語った。
 

浴室の床置き用手すりは、介護保険が適用でき、賃貸住宅でも使える


同会場では他にも、排せつ処理を軽減するトイレ、ベッドや車いすなどの福祉機器も多数展示され、来場者は質問をしたり、実際に試したりするなど熱心な姿があった。

福祉機器の進化は目覚ましい。沖縄県介護実習・普及センターでは、毎年1回、福祉機器展を開催しているほか、県総合福祉センターで福祉機器を常設展示し、誰でも見学、試せるようにしている。在宅介護の不安や負担の軽減につなげるためにも、情報を積極的に得たい。


取材/赤嶺初美(ライター)
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第2015号・2024年08月16日紙面から掲載

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