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2024年7月19日更新

介護の知識・技術を学ぶ[介護を支える 住まいの工夫(35)]

介護が必要な人も、介護をする人も、安心して安全に暮らせる住まいの整え方を紹介するコーナー。今回は在宅介護を支える福祉機器や介護情報の発信に取り組む沖縄県介護実習・普及センターで、開催予定の介護講座などについて話を聞いた。

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介護を支える住まいの工夫 (35)


介護の知識・技術を学ぶ

情報をキャッチして

介護生活は多くの場合、予期せぬタイミングで始まり、その準備ができていないことがほとんどだ。適切な情報と知識がないと、介護が必要な人も、介護をする人も、大きなストレスを抱えてしまう。

「超高齢社会が進む中、今後ますます、いろんな人が介護に向き合わないといけない場面が出てきます。住み慣れた地域で自立した生活を送るための必要な知識や情報を知っている人は少ないのが現状。介護はまだこれからという人も積極的に情報をキャッチしてほしい」と話すのは、沖縄県社会福祉協議会いきいき長寿センター主事の大城昇次郎さん。

介護をする上で、大きな助けとなるベッドや車いす、入浴用品など福祉機器や介護用品は次々に新商品が開発されている。これら製品の選び方や使い方を知れば介護の負担を軽減することができ、介助の仕方やおむつの当て方など介護の技術を学ぶことは、介護の質を向上させ、介護が必要な人の生活の質を高めるだけでなく、腰痛防止など介護者の体の保護にもつながると語る。
 

豊富な種類が試せる 福祉機器展示場
沖縄県総合福祉センター東棟1階にある沖縄県介護実習・普及センターの福祉機器展示場。一般的な車いすから、リクライニングタイプ、電動タイプと豊富な種類の車いすが展示されており、試すこともできる。他にも、ベッド、リフト、入浴、住宅改修に関するコーナーもあり、介護に関する相談もできる



24日から介護講座

沖縄県介護実習・普及センターは、福祉機器や介護用品の普及、介護についての情報発信を目的に、沖縄県総合福祉センターで福祉機器を常設展示。介護講座の開催、専門スタッフによる介護相談にも応じている。今年の介護講座は7月24日から月1回開催予定で、参加を呼び掛けている。

「はじめての介護講座」は、介護保険制度、福祉用具の活用法、ベッドや車いすなどでの基本的な介護技術、おむつや排せつケア、褥瘡(じょくそう)予防、口腔(こうくう)ケアなど幅広い内容で、6回にわたり行われる。「初心者でも安心して参加できるように、福祉・医療関係団体から専門の知識を持つ講師が丁寧に指導します。定員20人なので質問がしやすく、実際に展示室の福祉用具に触れながら、ご家族の状態を考え相談ができますよ」と大城さん。

介護実習・普及センター介護福祉士の金城ちはやさんは「福祉用具で利用が多いのは車いす。人によって、日常生活動作(ADL)が低下したり、上がったりするので、購入するより、状態に合わせて選択できるレンタルがいいと思う。展示室に多種多様の車いすがあるので、試してみるのもおすすめです」と促す。

大城さんは「講座は広く一般県民に介護への関心を持ってもらうのが目的のため、毎年ほぼ同じ構成で開催していますが、何度も繰り返して参加し理解を深めたいという感想が寄せられている」と手応えを感じているよう。

受講に関する問い合わせや申し込みは、
沖縄県介護実習・普及センター
電話 098(882)1484




(左から)沖縄県社会福祉協議会いきいき長寿センターの大城昇次郎さん、沖縄県介護実習・普及センターの金城ちはやさんと譜久里敬子さん


取材/赤嶺初美(ライター)
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第2011号・2024年07月19日紙面から掲載

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