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2023年4月21日更新

【人物紹介】人財育成や雇用改善を下支え|(一社)沖縄県建設業協会 専務理事 源河 忠雄 さん[ひと]

公共工事やインフラ整備、個人住宅の建設などを通して、沖縄の発展に寄与する建設業。(一社)沖縄県建設業協会の専務理事を務める源河忠雄さん(62)は「建設業なくして今の沖縄はない。人材を確保し続ける仕組みづくりが大切」と語る。

建設業の地位向上のため


(一社)沖縄県建設業協会 専務理事
源河 忠雄 さん


〈プロフィル〉げんか・ただお/1960年、石垣市生まれ。沖縄国際大学法学部卒業後、県の土木建築部で建設業許可申請の業務サポートに携わる。84年、(一社)沖縄県建設業協会に入職。総務部長(兼雇用改善コンサルタント)に就いた2010年から「実践型人材養成講座」を開くなど、次世代の担い手育成に力を入れる。18年、専務理事に就任。
◆(一社)沖縄県建設業協会
浦添市牧港5-6-8
電話=098・876・5211



-県建設業協会で仕事をするようになったきっかけは?

大学卒業後に非常勤勤務していた県の土木建築部で、「建設業法」に触れたことがご縁の一つかもしれません。法学部出身ということもあって同法に興味を持つようになり、気付いたら今年で入職39年目になります。

県建設業協会は、建設業の社会的地位向上を目指し、技術力向上や雇用改善の情報収集と仕組み構築、会員の声の集約、その声をもとに行政とのキャッチボールなどを行っています。次の世代を担う若手の育成にも力を入れています。

-担い手育成の取り組みとは?

建設機械の試乗ができる「おきなわ建設フェスタ」開催や、高校生の現場見学会・実習の実施、資格取得の費用支援など、幅広く取り組んでいます。

基礎知識がない不安感を軽減して離職防止につなげるため、2010年から毎年、会員企業の新入社員を合同で育成する「実践型人材養成講座」を開催。初年度は15人程度でしたが、今では60~80人が参加し、「違う会社であっても同期」という連帯感にもつながっています。厚生労働省の人材開発支援助成金を活用しているので、訓練費用の一部助成が受けられ、企業にもメリットがあります。

また、デジタルに強い若手と現場経験豊富な先輩との距離を縮めるためIT研修も実施。DX(デジタルトランスフォーメーション)の時代、業務の効率化にもつながりますしね。

若手育成の一環として、工業高校生が那覇市の赤嶺トンネルの工事を見学する様子

-仕事のやりがいは?

思い出すのは、若手の頃に在籍していた「建設業退職金共済制度」を推進する部署でのこと。当時、この制度は浸透しておらず、会社と従業員の両方にメリットがあることを地道に説明して回る日々を送っていました。

導入する会員が増え始めると従業員の方から「私は対象ですか」との問い合わせもあり、とてもやりがいを感じました。別の会社に移っても引き継がれる制度なので、1050万円の退職金をもらった人もいます。

「自分のためではなく、業界のために何をやるべきか常に考え、先を見て取り組みなさい」という上司からの言葉を胸にまい進した日々は、その後の励みにもなりました。

-今後の目標は?

建設業界の皆さんに育ててもらったことへの恩返しがしたい。私ができることは会員企業に寄り添う後輩の育成だと考えています。自分の可能性を限定せずに、多方面から会員企業を支援できるオールラウンダーを育てていきたいですね。




小中学生向けに冊子作製
マンガ風イラストで建設業紹介

小中学生向けに作製した「建設のおしごと図鑑」。マンガ風イラストで建設業の仕事を紹介している

建設業の担い手確保の一環として、県建設業協会は小中学生向けの冊子「建設のおしごと図鑑」を作製した。冊子では、とび工や土木施工管理技士といった専門職を、躍動感のあるマンガ風イラストを使って紹介。建設を学べる高校・専門学校・大学の案内もある。

源河さんは「建設業は社会の基盤整備に重要な役割を担うが、3K(きつい・汚い・危険)のイメージが先行しがち。しかし今は新4K(給与が高い・休暇が取れる・希望が持てる・かっこいい)の取り組みを進めているので、この冊子と合わせて建設業に対するイメージアップにつながれば」と話す。冊子は県内の小中学校に配布されるほか、同協会のホームページhttp://www.okikenkyo.or.jp/pictorial.phpでも閲覧可能。


取材/高良まき子(ライター)
週刊タイムス住宅新聞
第1946号・2023年4月21日紙面から掲載

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