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2025年8月1日更新

【プロがつくる庭】竹垣や石加え改庭 剪定の手間を軽減|(有)ナカムラ造園土木

作庭/(有)ナカムラ造園土木
Aさん宅(本部町)

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Aさん宅(本部町)
施工/(有)ナカムラ造園土木


竹垣や石加え改庭 剪定の手間を軽減

潤沢な湧き水を利用
 

筧のそばに大きな石を置き、山から水が流れ出ているような雰囲気に。その後ろには木々を茂らせ奥行きを演出している
 

生け垣撤去し明るく

もともとは夫婦でコツコツ造ってきた庭。「子どもたちが小さい頃、水槽で金魚を飼っていた。もっと広い場所で育ててあげようと、庭に池を造ったことがきっかけ」と話す夫人。

庭の左右に筧(かけひ)があり、そこから流れ出た水が、チロチロと軽やかな水音を立てて池に合流する。驚くことにこの水は、循環させているのではなく〝掛け流し〟。近所に湧き水があるほど、水が潤沢な地域。常に新鮮な水が流れる水場で今も魚を育てている。


左側の筧は、四つ目垣の中にある。水は水路を通って右側の池に合流する。中央の芝は手入れの手間を省くため人工芝にした

Aさんは「このせせらぎの音に癒やされている。私が小さい頃は衣食住を賄う生活用水として使っていた水が、今でも暮らしに潤いを与えてくれる。とてもありがたい」と話す。

改庭前



以前はカイズカイブキの生け垣で囲われていたが、「剪定が大変」ということで竹垣を高めにして新調。庭木も整理し明るい庭になった

水場の周囲にはサンダンカやリュウキュウコクタンなどが生き生きと葉を広げ、カイズカイブキの生け垣もあったが「だんだん剪定(せんてい)が大変になってきた。特に脚立に上がっての作業が危なくなってきた」と夫人。プロの知恵と技を借りて、手入れしやすい庭にしてもらおうと「本紙の庭のコーナーをよく見ていて、いつも素晴らしい庭をつくる造園会社に依頼した」。

新しくなった庭は、生け垣の代わりに人工の竹垣を高めにして新調。もともとあった木々も整理してもらい「庭がだいぶ明るくなったし、手入れも楽になった」と夫人は笑顔で話す。

石や植栽でメリハリ付け

増えるリ・ガーデン


Aさん宅の庭を手掛けたナカムラ造園土木の仲村弘喜さんは「最近は水を使わない枯山水(かれさんすい)が多い中、たっぷり水を使ったぜいたくな庭で、石組みもしっかり造られていた。そこに、バランスを見ながら石や水草などを加えて人の手が入っている感じを薄め、自然の趣を演出した」と話す。

全体的に同じような大きさの石で構成されていたことから、重厚感のある大きな石を左右の筧の後ろに立てて、印象を引き締めた。この大石は岩山を表し、そこから清水が湧き出ているような雰囲気を演出した。その後ろにはニーレンベルギアなどの木を茂らせて境界(竹垣)を消し、奥行きを感じさせているほか、借景とも一体化させた。

また、池へと続く水路は直線的だったため、「途中にトクサを植えて高さでメリハリを付けたり、水路の中に水分石(みくまりいし)をいくつか入れて、水の流れを複雑にした。水音にも変化が出る」と中村さんは説明する。

改庭前


直線的だった水路の途中にはトクサやヤブランなどを植えて、高さなどでメリハリを付けた。水路の中には「水分石」を入れて流れを複雑化している

手入れに手間がかかっていたカイズカイブキの生け垣は除去し、人工の竹垣を高めにして新調した。植栽も整理し背を低めに整えた。

「最近は、こうしたリ・ガーデンの依頼が増えている。手入れの手間が掛かる植栽に頼らずとも趣のある庭は造れる。ぜひプロに相談してほしい」と話した。


外側から見た様子。竹垣にして塀も塗り直してリフレッシュ。軽やかな印象になった


施工/(有)ナカムラ造園土木
住所/金武町屋嘉2432
電話/098・964・5670


取材/東江菜穂
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第2065号・2025年08月01日紙面から掲載

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東江菜穂

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編集者
週刊タイムス住宅新聞、編集部に属する。やーるんの中の人。普段、社内では言えないことをやーるんに託している。極度の方向音痴のため「南側の窓」「北側のドア」と言われても理解するまでに時間を要する。図面をにらみながら「どっちよ」「意味わからん」「知らんし」とぼやきながら原稿を書いている。

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