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2023年3月3日更新

【人物紹介】施主の人柄に合う建物を|株式会社屋島組|代表取締役社長|屋冨祖 秀清 さん

医療介護施設や集合住宅、個人住宅の設計・施工、土木工事などを行う(株)屋島組が、年間の消費エネルギーを実質的ゼロに近づけるZEH(ゼッチ:ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の建売住宅事業を新たにスタート。屋冨祖秀清代表取締役社長(69)は「お客さまを知り、ご希望をかなえるための挑戦は楽しい」と語る。

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10年後も感謝される家づくり

株式会社屋島組|代表取締役社長|屋冨祖 秀清 さん
株式会社 屋島組
代表取締役社長|屋冨祖 秀清 さん


〈プロフィル〉やふそ・ひできよ/1953年、伊是名村生まれ。沖縄工業高校卒業後、建築士を目指して県外大学へ進学。卒業後は東京の設計事務所に勤務。32歳のとき、埼玉で(株)YAFUSO総合設計を設立。2011年、病に倒れた兄の後を継いで(株)屋島組の社長に就任。依頼主の予算や希望に合わせた家づくりを心掛けている。


◆(株)屋島組
 那覇市西2-16-3
 電話098・867・5505



-代表になった経緯は?
屋島組の創業は1962年。父が立ち上げ、兄が承継しました。しかし、その兄が志半ばで病に倒れたため、2011年、事業のバトンを受け取りました。それから毎週、私が立ち上げた埼玉の設計事務所と屋島組を往復する日々が始まります。

当時、屋島組の経営状況は金融機関からの融資も受けられないくらい逼迫(ひっぱく)。1億円の支払いができないと倒産という状況に追い込まれていたとき、思い切って本土でお世話になっているお客さまに借金のお願いをしました。すると二つ返事で用立てていただき、倒産を免れました。

このときは本当にうれしかった。仕事を通して信頼関係が構築されていたんだなと、胸に熱いものが込み上げたことを今でも覚えています。

-仕事で心がけていることは?
精いっぱい取り組むこと。そうすることで作り手の思いが伝わるからです。実際、お客さまから「この建物に入るとエネルギーがもらえる」と声をかけていただいたこともあります。

建物を設計施工する際に大切にしているのは「強さ」「機能的であること」「美しさ」。加えて、建物はお客さまの醸し出す雰囲気や人物像と合うものでなくてはならないと考えています。お客さまを知るために打ち合わせの時間を惜しまず、建物の前にお客さまが立つ姿を想像しながら図面をひくようにしています。

-屋島リボンとは?
12年前から建築現場に掲出(けいしゅつ)している屋島組のシンボルです。お客さまのために心を込めて建物を造ろうという思いでデザインしました。リボンの美しさに負けないように建築現場も毎日の整理整頓、明るいコミュニケーションを心がけようという、社員と私自身へ向けたメッセージを内包しています。

リボンと一緒に掲げている「10年後も感謝される家づくり」のメッセージは、アフターフォローにもしっかり向き合う“造り手の責任”を表しました。
 

-今後の目標は?
“長く快適に暮らせる住まい”を提供していきたい。古い建物はリノベーションをして、建物が持つパワーに再度、光を当てられたらと思います。また、もうすぐ完成予定の建売住宅は省エネ・省資源化を実現するZEH。このような環境負荷を減らす家の普及を今後は図っていきたいです。

企業としての目標は、100年、200年と続く会社。仕事を通して社員とその家族の幸せを支える。会社の存続こそが社会貢献だという信念で、挑戦を続けていきたいと思います。
 

屋島組の施工現場の目印になっている「屋島リボン」

屋島組の施工現場の目印になっている「屋島リボン」。精いっぱい、心を込めて家づくりに取り組むという思いを、贈り物を包むリボンで表現した




PCa×ZEHの建売住宅
屋島PCリボン

南城市冨里に建設中の屋島PCリボン住宅のイメージパース
南城市冨里に建設中の屋島PCリボン住宅のイメージパース。太陽光発電パネルを標準装備しており、家庭で使うエネルギーの実質ゼロをめざす

SDGsの時代にふさわしい住宅の提案として、屋島組が新たに取り組むのが「屋島PCリボン」。コンクリートと同等の強度と耐用年数を持ちながら、コストは約2割削減、工期は約2カ月短縮できるPCa(プレキャストコンクリート)を採用した建売住宅だ。

さらに、内断熱と太陽光パネルを組み合わせることで、家庭で1年間に消費するエネルギーを実質的ゼロに近づける「ZEH(ゼッチ:ネット・ゼロエネルギー・ハウス)」でもある。

屋冨祖さんは「長く住めて財産になる住宅」と話す。ZEH専用の住宅ローンも利用可能。問い合わせは同社(電話=098-867-5505)。
 


取材/高良まき子(ライター)
週刊タイムス住宅新聞
第1939号・2023年3月3日紙面から掲載

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