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2025年8月8日更新

[固定費下げる工夫②]家計への影響大「給湯」|お財布とヒトにやさしい住まいのヒント⑤

当連載では住環境が家計や人間関係、幸福感にどのように影響するかを一級建築士の村山創さんが解説する。今回は、前回に続き固定費を下げる工夫について。沖縄では、年間の家庭でのエネルギー消費において、「実は冷房より給湯が占める割合が高く、家計への影響も大きい」と村山さんは説明します。


文・図表/一級建築士・村山創

当連載では住環境が家計や人間関係、幸福感にどのように影響するかを一級建築士の村山創さんが解説する。今回は、前回に続き固定費を下げる工夫について。沖縄では、年間の家庭でのエネルギー消費において、「実は冷房より給湯が占める割合が高く、家計への影響も大きい」と村山さんは説明します。

 固定費下げる工夫② 

家計への影響大「給湯」

省エネ給湯器に補助金

本格的な夏を迎え、シャワーを使う機会が増えてきました。毎日の生活の中で当たり前に使っているお湯ですが、実は家庭の年間エネルギー消費量において「給湯」が占める割合は意外と高いことをご存じでしょうか?

特に沖縄では、冷房よりも給湯のエネルギー消費が大きくなる傾向があり=下グラフ=、給湯設備の選び方が家計に与える影響が非常に大きくなります。
 

一般的に家庭で使用されている給湯設備にはいくつか種類があり、省エネ性にも大きな差があります。従来型のガス給湯器をはじめ電気給湯器、効率の良い「エコジョーズ(高効率ガス給湯器)」や「エコキュート(ヒートポンプ式電気給湯器)」などが代表的な選択肢です。
 

電気温水器は深夜電力を利用してお湯を沸かす仕組みですが、消費エネルギーが多く、電気代も高くなりがちです。各給湯方式の年間消費エネルギーを比較した=上グラフ=を見ると、電気温水器のエネルギー使用量が多いことが分かります。

エコジョーズやエコキュートは熱効率が高く、お湯をつくるために必要なエネルギーが少ないため、光熱費を大きく削減できます。例えば、エコキュートは空気中の熱を利用してお湯を沸かす「ヒートポンプ技術」を採用することで、電気温水器の約4分の1に、エネルギー消費を実現することが可能になります。

こうした背景を踏まえ、政府はエコキュートなどへの交換を推進しており、「給湯省エネ2025事業」で補助金を用意しています。これを活用すれば、初期費用の負担を抑えつつ、省エネで家計に優しい給湯器へとスムーズに切り替えることが可能です。光熱費の削減だけでなく、CO2排出量の削減にもつながるため、環境にも優しい選択になります。

 
節水型シャワーヘッド

また、より手軽に光熱費を節約する方法としておすすめなのが「節水型シャワーヘッド」への交換です。最近では多くの製品が販売されていて、快適性を保ちながら30~50%の水道代・光熱費の削減が期待できます。数千円程度の初期投資で、数カ月から1年程度で元が取れるケースもあり、手軽に始められるとして人気です。

給湯は毎日の生活に欠かせないものであり、工夫次第で家計と環境の両方に優しい選択が可能です。今後も物価の上昇が予想される中で、「給湯の省エネや節水型シャワーヘッドへの交換」は固定費を下げるための有効な手段になります。ぜひ、この機会にご家庭の給湯設備などを見直し、無理なく快適な省エネ生活を実現してください。



むらやま・はじめ
一級建築士、創環境Design代表。フラット35適合証明技術者。設計の仕事をしながら、住宅関係の講演会や一般消費者に向けて住宅づくりの情報をSNSで発信している

https://hajimemurayama.my.canva.site/

毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第2066号・2025年08月08日紙面から掲載

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