企業・ひとの取り組み
2021年11月19日更新
沖縄|【ひと】進化続けて人の役に立つ|堀内 彰さん|エーテック(株) 代表取締役社長
通信系の事業を展開するエーテック(株)。ハードからソフトまで扱う強みを生かし、「減災システム」の開発など防災にも力を入れる。代表取締役社長の堀内彰さん(61)は「ニーズに応えて技術を進化させながら、人の役に立っていきたい」と話す。
通信技術生かし防災に力
堀内 彰 さん
エーテック(株)代表取締役社長
-事業内容は?
ベースは、コンピューターや電話、監視カメラといった、通信ネットワークをからめたハード系の企画・設計、施工、メンテナンスなど。
最近では、防災に力を入れるため、ソフト系のシステム開発もスタートしました。実際、地震や津波の情報を従来のJアラートなどよりも早く各種端末に伝える「減災システム」=左囲み=や、災害時に避難所の鍵を自動で開けるシステムなどを作っています。
-なぜ防災に力を?
みんながやっていない社会貢献をしたいと思ったから。
以前から、タンカー事故などで海に漏れ出た重油を回収する「海守」の会員になったり、子ども病院で入院中の子のきょうだいの面倒を見るなど、ボランティア活動をしてきました。今でも週末にビーチウオーキングをしながら海岸のゴミ拾いをしています。
そんな中、「仕事でも役に立つことをしたい」「やるなら今後、最も必要とされるものに力を入れよう」と考えるように。そこで、沖縄でいつ発生してもおかしくない地震をはじめ、災害に備えるためのものを作ろうと思いました。
-今後の目標は?
オリジナルで作ったものを県内に広めたい。
ハード系とソフト系の両方を扱えるのがわが社の強み。メーカーが作ったものを販売するだけではなく、技術を組み合わせながら人の役に立つものを提案していきたい。
そのためにも、それぞれの現場で働く人などからニーズを聞き取り、開発したものがさらに良いものとなるよう常に進化を続けていきたいですね。
独自の防災システム開発
地震発生を1秒以内に伝達
災害発生時、生徒のタブレット端末に表示される画像のイメージ。文字や背景の画像は各学校や施設に合わせて変えられる
エーテック(株)は、学校や工場などに向けた「減災システム」を開発した。三重県の会社の特許技術をアレンジしたもので、一番近くにある地震探知機の情報だけを得ることにより、これまで数十秒~1分以上かかっていた地震などの発生情報を1秒以内に伝えられるのが特徴。
地震発生時には、導入する施設に合わせた避難場所などをパソコン画面などに表示する=上。例えば学校なら、生徒が持つタブレット端末や、教室の電子黒板、校内放送などと連動し情報を伝える。低学年にはひらがなだけで表示したり、火災や熱中症警戒情報の発出時にも対応可能だ。
11月19日まで宜野湾市の沖縄コンベンションセンターで開催中の「ResorTech EXPO 2021」に出展予定。入場申し込みなど、詳しくはホームページ(https://resortech-expo.okinawa/)。
〈プロフィル〉ほりうち・あきら/1960年、長崎県出身。大学卒業後、東京のコンピューターメーカーに入社。86年、沖縄に移住し、通信関係の仕事に従事。2000年、エーテック(株)を設立し、代表取締役社長に。趣味は県内各地の浜辺を歩くビーチウオーキング。◆エーテック(株) 浦添市城間1-15-1 電話098・878・0206
第1872号・2021年11月19日紙面から掲載
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この記事のキュレーター
- スタッフ
- 出嶋佳祐
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編集者
「週刊タイムス住宅新聞」の記事を書く。映画、落語、図書館、散歩、糖分、変な生き物をこよなく愛し、周囲にもダダ漏れ状態のはずなのに、名前を入力すると考えていることが分かるサイトで表示されるのは「秘」のみ。誰にも見つからないように隠しているのは能ある鷹のごとくいざというときに出す「爪」程度だが、これに関してはきっちり隠し通せており、自分でもその在り処は分からない。取材しながら爪探し中。