庭・garden
2025年11月7日更新
荒れたスクラップ置き場が変身! 沖縄の76歳女性がつくり上げた、「幸せ感じる」ナチュラルガーデンを訪ねた|自分でつくる庭
このコーナーでは、施主自ら楽しみながら作った庭を紹介する。

伊禮博枝さんの庭(うるま市)
花も果樹も多肉も 植物に囲まれ幸せ
荒れ地を手入れしガーデンに
自宅隣の敷地につくったナチュラルガーデン。クヮンソウやペトレア、プルメリアなどに加え、カラーリーフもたくさんで彩り豊か=10月27日撮影
挿し芽で増やす
伊禮博枝さん(76)のお宅の庭は、石組みの中にクロキやリュウキュウマツが鎮座する立派な和風庭園。実は12年前、本紙で紹介した=下。

2013年6月7日に本紙「和風庭園を見る」のコーナーに登場した。記事によると岩は「富山県から少しずつ持ってきた」。質の良い岩と木々で重厚感を演出している

家の前の和風庭園。12年前、本紙で紹介したときより木々の重厚感が増している。「毎年、年末にプロに剪定してもらっている。今年はこれから。1番葉が伸びている時だからちょっと恥ずかしい」と伊禮さん
しかし、「きょう見せたいのはこっちよー」と呼ばれ、早々に庭園を後にして自宅隣の敷地へ。そこにはクヮンソウやペトレア、コンロンカなどが咲き誇る、にぎやかなナチュラルガーデンが広がっていた。花だけでなく、四季柑がたくさんの実を付け、パパイアも鈴なり。ブラジルバナナは青い房を連ね、重そうにしだれる。そして穂を揺らす糸ススキや、華やかなケイトウが秋を感じさせる。

糸ススキ=左=など本土の植物も多い。「旅行先では観光地も見ずに植物ばっかり見ている」と笑う
「とにかく草花が大好き。旅行に行くと観光地よりも植物に目がいっちゃう。孫の卒業式で名古屋に行ったときも、花屋でかわいいスミレの苗を見つけて、大荷物を抱えて式に参加したさー(笑)」。
ほかにも、珍しい植物は友だちに譲ってもらったり、譲ったり。「何てことない植物でも、育てているうちに今までにない色の花が咲いたり、斑入りの葉が生えてくることがあるでしょ? その部分を挿し芽して増やすわけ」。フットワークの軽さや探究心で、彩り豊かなガーデンをつくり上げた。

「まだまだ育てたい植物はいっぱいある。完成にはほど遠い」と話す伊禮さん
毎日どこかに実や花

石だらけだった荒れ地をコツコツ手入れして広げたガーデン。クロトンだけでも数十種類あるという。庭の奥には四季柑やバナナ、ビワ、アテモヤ、ジャボチカバなどの果樹もたくさん
自宅裏まで緑いっぱい
以前は「スクラップ置き場になっていて、掘ると石やガラスが出てくるような荒れ地だった」。そんな状態からコツコツと耕し、土を入れて作り上げたガーデンだからこそ、愛着もひとしお。
一つ一つの植物に目を配り「大きな実を付けたね!」「キレイに咲いているさー」と、まるで我が子のように話しかける伊禮さん。「いつでもどこかで花が咲いて、実がなっている。だから私は毎日、忙しいのよ」と楽しそうに話してくれた。
ガーデンを隅々まで案内してもらい、取材終了と思いきや「こっちも見るねー?」と、自宅の裏側へ。建物で日当たりが制限されたそこは、多肉植物やシダ植物ゾーン。「ウチの庭を全部見るには、3日はかかる」と笑う伊禮さん。これだけの庭を、きれいに維持管理していることに頭が下がる。「好きだから続けられる。植物に囲まれていると幸せだし、見た人が笑顔になるのもうれしい」と話す。


日当たりが制限される家の裏側は多肉植物(上)やシダゾーン(下)
ようやく帰路につく頃には、ガーデンで収穫して持たせてくれたパパイアやグヮバなどでかばんがはち切れそうだった。
取材/東江菜穂
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第2079号・2025年11月07日紙面から掲載
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編集者
週刊タイムス住宅新聞、編集部に属する。やーるんの中の人。普段、社内では言えないことをやーるんに託している。極度の方向音痴のため「南側の窓」「北側のドア」と言われても理解するまでに時間を要する。図面をにらみながら「どっちよ」「意味わからん」「知らんし」とぼやきながら原稿を書いている。












