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2024年6月21日更新

【人物紹介】若者が夢持てる建設業界へ|(一社)沖縄県建設業協会会長の津波達也さん[ひと]

(一社)沖縄県建設業協会の会長を務める津波達也さん(69)。「建設業は地域の暮らし、経済を支え、社会に貢献できる産業。若い世代が夢と希望を持って働ける環境を整えたい」と力を込める。

新3K+1「かっこいい」に



(一社)沖縄県建設業協会
会長
津波 達也さん


〈プロフィル〉つは・たつや/1954年生まれ。78年に屋部土建へ入社。2006年に代表取締役社長へ就任、22年より代表取締役会長。(一社)沖縄県建設業協会においては、理事、副会長を歴任し、20年に現職である会長へ就任。24年5月より3期目を務める。

◆(一社)沖縄県建設業協会 浦添市牧港5-6-8 2階 電話=098・876・5211



ー建設業界の現状と協会の役割について

道路や橋、空港などのインフラ整備や公共施設の建設を担う建設業は、地域の方々の暮らしと経済の基盤を支える重要な産業です。災害時には関係機関と連携。道路などの障害物の撤去や復旧に迅速に対応する、“地域の守り手”としての役割も担っています。協会の会員は現在、350社余り。離島を含む七つの支部が地域の課題や意見を拾い、それを協会で集約し、業界全体で取り組めることが強みです。一番の課題は、働き手の不足と高齢化。若い世代が魅力を感じ、夢と希望を持って働ける産業への転換を目指し、「給料」が良く、「休日」が取れ、「希望」が持てる、新3K+1「かっこいい」を掲げ、働き方改革と生産性の向上に取り組んでいます。


ー人材の確保・育成の具体的な取り組みは?

まずは、高校生への資格取得、就職支援です。経済的な事情で進学したくてもできない家庭の学生を、学科を問わず企業で採用。厚労省の助成金を活用し、給料をもらいながら提携専門学校で2年間学び、資格を取得できる仕組みを整備しました。会員21社が取り組む予定です。

私が建設業に従事したのは22歳の時。沖縄の発展に興味が湧き、地域の役に立てる誇り高い仕事だと感じたことがきっかけでした。協会の会員は、地域貢献、社会的責任意識が高い企業ばかり。そんな建設業の魅力を、若い世代に伝える機会になればと、6月には合同企業説明会、11月には建設フェスタも開催します。

また、参入が増えている女性技術者の活躍・定着を応援するため、女性部会も設立します。女性の細やかな発想と技術を、一層生かせるよう支援したい。


ー創立75周年を迎えました。今後の目標は?

当協会は、戦後復興と沖縄の社会資本整備を目的に、「沖縄土木建築請負業組合」として1949年5月に創立。戦後復興に始まり、景気の荒波や公共投資の削減による過当競争など、幾多の苦境を会員各社の経営努力と調和により乗り越えてきました。今後は、若者が夢を持って将来を託せる、持続可能な産業形態の構築が重要。最低制限価格の引き上げ、適正でゆとりある工期の設定で、企業が適正な利潤を確保することで経営が安定し、給与アップや労働環境の改善につながります。工事書類の簡素化や、DX化の促進による生産性の向上にも取り組みます。これからも地域に根差し、沖縄の発展に貢献できるよう努めて参ります。
 
昨年の建設フェスタ。おもちゃのショベルカーを操作して、重機の仕事を疑似体験する子どもたち



人材確保へ 合同説明会
過去最大 県内84社が集結


県建設業協会では、会員企業の人材確保と、建設産業にチャレンジしたい学生をサポートするため、「建設産業合同企業説明会」を、6月7日に沖縄コンベンションセンターで開いた=上写真。

今年は県内の土木・建築・電気などの企業のほか、建設系専門学校など過去最大、84社が参加。高校生、専門学校生、合わせて950人が訪れ、各ブースで担当者の話に熱心に耳を傾けていた。津波会長は、「県内の建設業では、年間で約700人の採用計画があるが、個々の企業の採用活動では、必要な人材確保が難しい。1人でも多くの若者が県内企業に就職する機会になれば」と、意義を語った。


取材/比嘉千賀子(ライター)
毎週金曜日発行「週刊タイムス住宅新聞」
第2007号・2024年6月21日紙面から掲載

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