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2024年9月13日更新
繁殖力強い2種|セイヨウタンポポ、コトブキギク|身近で見られる帰化植物⑱
文・写真/比嘉正一
海外から入ってきて、今では県内で普通に見られる帰化植物を解説。今回はキク科の「セイヨウタンポポ」と「コトブキギク」を紹介します。繁殖力の強い2種で公園や道端、畑など、どこでも見られます。
繁殖力強い2種
「セイヨウタンポポ」「コトブキギク」
種を飛ばして遊ぶ
セイヨウタンポポはヨーロッパ原産で、繁殖力が強く世界中に帰化しています。高さ5センチから20センチほどになり、公園、道端、荒れ地や畑など、あちこちで普通に見ることができます。
野草の代表的な植物で、沖縄での花期は11月から5月です。5センチ程度の黄色い花が真夏以外、咲き続けます。
咲いた後の種には毛が付いていて、風にのって運ばれます。摘み取って強く息を吹きかけると、けっこう遠くに飛んでいきます。公園でも、子どもたちがこぞって飛ばす光景が見られます。
葉はウサギなどのエサ、根は炒(い)ってコーヒーの代用にすることがあります。
ちなみに、属名のTaraxacum(タラクサクム)は「苦い」、officinale(オッフィキナレ)は「薬」という意味です。
コトブキギク(熱帯アメリカ原産)
白と黄色のコントラストがかわいらしいコトブキギクの花
群生するコトブキギク
コンクリートの隙間からたくましく生育するコトブキギク
珍重もすぐに撤回
コトブキギクは、熱帯アメリカ原産で、第二次世界大戦後に沖縄に帰化したといわれています。
高さ15センチから40センチに成長する多年生草本で、公園や道端、荒れ地などで多く見られます。花弁は乳白色で、細長い花軸の上につきます。葉は不規則なノコギリ状です。
種は風に乗って運ばれ、コンクリートや岩の隙間から発芽してもよく育ち群生します。それを引き抜こうとしても根が強く、茎の方からちぎれてしまって難儀することもあります。
侵入当時は花がかわいくて名前も縁起がよいことから珍重されましたが、すぐに撤回されました。
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9月~10月の公園情報
【 平和創造の森公園(糸満市)】
◆帰化植物観察会
日時/9月21日(土)午前9時30分~同11時
料金/1000円
定員/15人
対象/小学生以上
講師/比嘉正一氏(学芸員)
※平和創造の森公園には多種多様の帰化植物が生育している。今回はキク科を中心に入ってきた背景、自生種との関係などを観察しながら解説する。
(電話=098-852-4033)
【 中城公園(中城村)】
◆夏の植物観察会
日時/9月28日(土)午前9時30分~同11時
料金/1000円
定員/15人
対象/小学生以上
講師/比嘉正一氏(学芸員)
※園内に育つ植物は在来と帰化植物合わせて400種余り。帰化植物は古くに侵入したものから最近のものまでさまざま。散策しながら見つけた植物について解説する。
(電話=098-935-2666)
【 平和創造の森公園(糸満市)】
◆秋のチョウ類自然観察会
日時/10月5日(土)午前9時30分~同11時
料金/1000円
定員/15人
対象/小学生以上
講師/比嘉正一氏(学芸員)
※散策路沿いに生息するチョウ類は、沖縄島南部を代表するものばかり。同公園の自然の楽しみ方について園内を散策しながらチョウ類について解説する。
(電話=098-852-4033)
【 中城公園(中城村)】
◆秋のチョウ類自然観察会
日時/10月12日(土)午前9時30分~同11時
料金/1000円
定員/15人
対象/小学生以上
講師/比嘉正一氏(学芸員)
※台グスクエリアの散策路沿いに生息するチョウ類は、本島中南部を代表するものばかり。自然を学び、絶景を見て両得の観察会。
(電話=098-935-2666)
※諸事情で日時が変更になる場合があります。問い合わせ先にご確認ください。
執筆者
ひが・まさかず/1956年浦添市生まれ。月刊誌「緑と生活」、東南植物楽園勤務を経て沖縄県県民の森(恩納村)の所長、沖縄昆虫同好会会長、NPO法人沖縄有用植物研究会理事
第2019号・2019年09月13日紙面から掲載