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2024年10月11日更新
鑑賞や蜜源に 黄花の2種|アメリカハマグルマ、セイタカアワダチソウ|身近で見られる帰化植物⑲
文・写真/比嘉正一
海外から入ってきて、今では県内で普通に見られる帰化植物を解説。今回はキク科の「アメリカハマグルマ」と「セイタカアワダチソウ」を紹介。どちらも黄色い花を咲かせ、観賞用や昆虫の蜜源にもなっています。
鑑賞や蜜源に 黄花の2種
「アメリカハマグルマ」「セイタカアワダチソウ」
瞬く間に繁殖
アメリカハマグルマは、熱帯アメリカ原産で、1970年代初期に渡来したと見られます。
長さ0・5から3メートルになり、地表をはう半ツル性多年草です。当初、土質を選ばずどこでもよく育つことから緑化用として、公共や民間でもよく植えられていました。ちぎった茎を放り投げると、そのまま根が出て繁殖することから瞬く間に増え、帰化植物になった。
花は春から秋まで咲き続け、黄色の花は草地の中で目立ちます。チョウやミツバチなどの昆虫が蜜を求めてよくやってきます。
ホテルのベランダ、校庭、公園、海岸沿い、道路の法面(のりめん)など乾燥が厳しい場所の緑化用としても使われている。
セイタカアワダチソウ(北米原産)
セイタカアワダチソウの花
セイタカアワダチソウの草姿
群生するセイタカアワダチソウ
群生し一面黄色に
セイタカアワダチソウは北米原産で、高さが0・5から1・2メートルに成長する多年草です。日本全土どこにでも帰化し大繁茂しています。最近沖縄にも帰化したようですが、沖縄での群落は小規模で繁茂も少ないようです。
花は黄色で秋に咲きます。群落で咲くので、あたり一面が黄色に染まり、とてもきれいです。もともと観賞用の切り花として導入されたこともあり、今でも「花材に使いたいので、どこで咲いているのか」と聞かれることがあります。
地下茎は、アレロパシー物質(ほかの植物の成長を妨げる物質)を出して周囲の植物の生育を妨げることが知られていますが、沖縄ではあまり効果を発揮していないように見えます。
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10月~11月の公園情報
【 沖縄県 県民の森(恩納村)】
◆秋のチョウ類自然観察会
日時/10月19日(土)午前9時30分~同11時
料金/1000円(材料費込み)
定員/15人(小学生以上対象)
講師/比嘉正一氏(学芸員)
※園内には沖縄固有種のオキナワカラスアゲハ、リュウキュウウラナミジャノメなどが見られる。豊富な種類のチョウがなぜ生息可能なのかを解説する。
(電話=098-967-8092)
【 名護城公園(名護市)】
◆秋のチョウ類自然観察会
日時/10月26日(土)午前9時30分~同11時
料金/1000円
定員/15人(小学生以上対象)
講師/比嘉正一氏(学芸員)
※名護市ではこれまでの調査で5科69種が記録されている。その中でも名護城公園はチョウ類の一大生息地で、秋は種類、数とも多くなる季節。公園を散策しながら観察する。
(電話=0980-52-7434)
【 平和創造の森公園(糸満市)】
◆食べられる野草の観察会
日時/11月2日(土)午前9時30分~同11時
料金/1000円
定員/10人(小学生以上対象)
講師/比嘉正一氏(学芸員)
※園内を散策しながら、沖縄で昔から食べられてきた野草を観察しながら公園の自然や環境、魅力を体感する。
(電話=098-852-4033)
【 沖縄県 県民の森(恩納村)】
◆樹木自然観察会
日時/11月9日(土)午前9時30分~同11時
料金/1000円
定員/定員15人(小学生以上対象)
講師/比嘉正一氏(学芸員)
※園内を散策しながら、生育する樹木を見つけて特徴やまつわるエピソードを解説する。
(電話=098-967-8092)
※諸事情で日時が変更になる場合があります。問い合わせ先にご確認ください。
執筆者
ひが・まさかず/1956年浦添市生まれ。月刊誌「緑と生活」、東南植物楽園勤務を経て沖縄県県民の森(恩納村)の所長、沖縄昆虫同好会会長、NPO法人沖縄有用植物研究会理事
第2023号・2019年10月11日紙面から掲載