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2025年7月25日更新
シュールで楽しげ 動物のぬいぐるみ|アートを持ち帰ろう(52)
文/本村ひろみ
素材にも表情にもこだわり

「ロバ」
25000円(税込み)
180ミリ×220ミリ
180ミリ×220ミリ
ある展示会の片隅にあったガラスのショーケース。絵画を鑑賞しながらも、そこに並べられているカラフルな存在が気になった。その吸引力。引っ張られるようにショーケースの前に移動すると動物のぬいぐるみだった。かわいい! テンションがあがる。中央のロバは、茶色い艶のある毛をコーデュロイの布で表現し、短いたてがみと尻尾の先はけば立てた糸を使っている。ロバの荷鞍(にぐら)はインドのカンタキルトを使用し色彩を添えている。顔をみると、重い荷物を運ぶロバなのに目尻が下がって心なしか口角も上がっている。表情にも心が動いた。他の動物たちもそれぞれパーツにこだわっている。仕事が細かい。見ているうちに、この楽しげな動物たちを収集したくなった。
ぬいぐるみ作家・長嶺恵は大阪出身。美術短大出身で最初は縫い物や編み物でバッグやポーチを制作していたが、ある日ふと思いついて作ったぬいぐるみが評判よく、自信につながったという。なので、ぬいぐるみを作り始めたのはつい最近。今は哺乳類がメインで、素材は家にある布から直感で選ぶ。
「沖縄では冬用の起毛生地が手に入りにくいのが悩ましい」と語る彼女の作品は、スタートしたばかり。素材にしてもモチーフにしても伸びしろしかない。ちょっとシュールでユーモアのあるぬいぐるみから愛情がにじみ出ている。良ければ彼女のインスタグラムでデカゴリラの親子のエピソード(妄想)を読んでほしい。その想像力のとりこになること間違いなし。

「キリン」
販売済み
350ミリ×200ミリ
350ミリ×200ミリ

「ラクダ」
35000円(税込み)
290ミリ×280ミリ

「アルパカのパカチョ」
32000円(税込み)
340ミリ×250ミリ

「カゴ持ちリス」
18000円(税込み)
150ミリ×200ミリ
長嶺恵(ぬいぐるみ作家) 9月に南城市玉城食堂で展示会予定
詳しい情報はinstagramで
https://www.instagram.com/megumi_nagamine_itomame_ya/
もとむら・ひろみ
那覇市出身。清泉女子大学卒業。沖縄県立芸術大学造形芸術研究科修了。ラジオ沖縄「GO! GO! ダウンタウン国際通り発」「We love yuming2」でパーソナリティーを務める
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第2064号・2025年07月25日紙面から掲載
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- 本村ひろみ
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ロマンチストなラジオDJ
那覇市出身。清泉女子大学卒業、沖縄県立芸術大学 造形芸術研究科修了。現在、ラジオ沖縄「GO! GO! ダウンタウン国際通り発」「We love yuming2(毎週 日曜日 19時~20時)」でパーソナリティーを務める。