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2024年5月10日更新

開花期間が長い2種|サシグサ、キバナコスモス|身近で見られる帰化植物⑭

文・写真/比嘉正一
海外から入ってきて、今では県内で普通に見られる帰化植物を解説。今回は、世界中に広く帰化し、丈夫で開花時期の長いキク科の「サシグサ」と「キバナコスモス」を紹介します。

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開花期間が長い2種
「サシグサ」「キバナコスモス」

サシグサ(熱帯アメリカ原産)
県内のどこででも見られるサシグサ
 
赤花のサシグサもある
 

年中繁茂 エサにも

キク科のサシグサは、タチアワユキセンダングサやオオバナノセンダングサなどの総称です。熱帯アメリカが原産で、1970年代には路傍に生えていました。今では本島内の多くの島々に繁殖しています。

高さ30センチ~1メートル50センチに成長します。畑や庭に繁茂すると、種が服につくので厄介者として嫌われています。繁殖力が非常に強く、庭や畑に繁茂すると除草が大変です。他の植物の発芽を阻害することもあります。

ところが開花期間が長いので、特に養蜂家にとっては重宝なようです。多くのチョウをはじめ昆虫類も蜜を求めてやってきます。

そのほか新芽を野菜として食べたり、お茶にしたりします。青臭さがあるので火を通して使うのがおすすめです。

中繁茂するのでヤギのえさとしても重宝されています。

サシグサは柔らかい新芽を食べることもできる。ジューシー(上写真)やおひたし(下)などにしても良い


 

キバナコスモス(メキシコ原産)


群れ咲きするキバナコスモス


キバナコスモスの花。普通のコスモスよりも暑さに強く、真夏でもよく咲く
 

暑さに強く強健
同じくキク科のキバナコスモスはメキシコが原産です。いつごろ沖縄に入ったのかは不明で、園芸種が移出して野生化したと思われます。 

高さが1メートルから1メートル20センチほどに成長します。花は直径5センチ~8センチほどで黄色やオレンジ色があります。

普通のコスモスに比べると暑さに強く、沖縄の真夏でもよく開花し、花壇を彩ってくれます。強健なことから、路傍や原野でも開花しているのを時々見かけます。
 


 

5月~6月の公園情報


【平和創造の森公園(糸満市)】
◆園芸教室/ハイビスカスの栽培と咲かせ方

日時/5月18日(土)午前9時30分~同11時
料金/1500円 定員/15人(小学生以上)

講師/比嘉正一氏(学芸員) 

沖縄の代表的な熱帯花木、ハイビスカスの鉢植えでの育て方、庭先でどのような土・肥料を使うのか、剪定(せんてい)時期や大きな花を咲かせるこつ、接ぎ木、挿し木での増やし方を説明します。

(電話=098-852-4033)

【県民の森(恩納村)】
◆初夏のチョウ類自然観察会

日時/5月25日(土)午前9時30分~同11時
料金/1千円 定員/15人(小学生以上)

講師/比嘉正一氏(学芸員)

園内を散策し県民の森の楽しみ方を紹介しながら、園路沿いでチョウ類を観察します。県民の森に生息するチョウ類は種類・数ともに多く、オキナワカラスアゲハ、アオスジアゲハなどが観察できます。

(電話=098-967-8092)


【中城公園(中城村)】
◆植物自然観察会

日時/6月1日(土)午前9時30分~同11時
料金/1千円 定員/15人(小学生以上)

講師/比嘉正一氏(学芸員)

公園内の高台に位置する「台グスク」エリアを散策しながら、楽しみ方を解説します。散策路沿いに育つ樹木は、沖縄島南部を代表するものばかりです。方言名、利用方法などさまざまなエピソードについて説明します。自然を学び、絶景を見て両得の観察会です。

(電話=098-935-2666)


【名護城公園(名護市)】
◆帰化植物観察会

日時/6月8日(土)午前9時30分~同11時
料金/1千円 定員/15人(小学生以上)

講師/比嘉正一氏(学芸員)

名護城公園内には多種多様の帰化植物が生育しています。今回はキク科植物を中心に観察し解説いたします。入ってきた背景、自生種との関係など、帰化植物ならではの勢力拡大の秘密を探ります。

(電話=0980-52-7434)

※諸事情で日時が変更になる場合があります。問い合わせ先にご確認ください。





比嘉正一さん
執筆者
ひが・まさかず/1956年浦添市生まれ。月刊誌「緑と生活」、東南植物楽園勤務を経て沖縄県県民の森(恩納村)の所長、沖縄昆虫同好会会長、NPO法人沖縄有用植物研究会理事

毎週金曜発行・週刊タイムス住宅新聞
第2001号・2024年05月10日紙面から掲載

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