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2025年8月8日更新

丸い実付けるナス科2種|キダチイヌホオズキ、テリミノイヌホオズキ|身近で見られる帰化植物㉙

文・写真/比嘉正一 沖縄文化スポーツイノベーション(株)顧問
海外から入ってきて、今では県内で普通に見られる帰化植物を解説。今回はナス科のキダチイヌホオズキとテリミノイヌホオズキを紹介します。「イヌホオズキ」系の植物は有毒のものが多く、注意が必要です。

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丸い実付けるナス科2種
「キダチイヌホオズキ」「テリミノイヌホオズキ」

キダチイヌホオズキ/中国~インド原産

キダチイヌホオズキの実。導入当時は観賞用として栽培されていた


白っぽい小花を咲かせる


野鳥が好み野生化

キダチイヌホオズキは中国~インド原産で、高さは50センチ~2メートルに成長する常緑低木です。黄白色の小花を春から秋にかけて咲かせます。果実は球形で鮮やかな黄色から、熟すとオレンジ色になります。

沖縄には1970年代に、台湾から導入されたようです。当時は、果実がきれいなので観賞用として栽培されていたようですが、果実を野鳥が好んで食べることなどから次第に野生化し、今では至る所で見かけるようになってきました。繁殖力が旺盛なことも、生育地を広げる要因となっているようです。


テリミノイヌホオズキ/アメリカ原産

テリミノイヌホオズキは実だけでなく全体に毒性があるそうだ


星形のかわいらしい花を咲かせる


実は有毒植物

テリミノイヌホオズキはアメリカ原産で、高さ30センチ~1メートルに成長します。白い花を8月~12月ごろに咲かます。

果実は球形で、子どもの頃は熟した黒い実を食べた記憶がありますが近年になって、有毒と分かりました。


テリミノイヌホオズキの実。近年、毒性があると分かった

沖縄にいつ頃入ってきたかは不明です。ただ、子どものころは畑や路傍にたくさん生えていて、なじみの植物だと認識しています。

しかし、ナス科植物の重要害虫であるナスミバエが寄生するとして、沖縄県は雑草として生えるテリミノイヌホオズキをできるだけ除草するように呼び掛けています。

 


8月~9月の公園情報
※諸事情で日時が変更になる場合があります。問い合わせ先にご確認ください。

【八重島公園(沖縄市)】
◆夏のチョウ類自然観察会

・日 時/8月16日(土)午前9時30分~同11時
・料 金/1000円
・定 員/定員15人(小学生以上対象)
・講 師/比嘉正一氏(学芸員)
 八重島公園に生息するチョウ類は、沖縄島中部を代表するものばかり。チョウ類の種類も多く、絶好の観察場所だ。
・電 話=090-6869-7998


【沖縄県 県民の森(恩納村)】
◆アダン根の筆づくり体験

・日 時/8月23日(土)午前9時30分~同11時
・場 所/同公園「研修室」
・料 金/1500円
・定 員/15人(小学生以上対象)
・講 師/岩田亜久梨氏(デザイナー)
 アダン根をトンカチでたたいて繊維をほぐし、オリジナル筆を作り、半紙に書道や絵を描く。何回でも繰り返し使え、記念の作品として残る。
・電 話=098-967-8092


【浦添大公園(浦添市)】
◆夏のチョウ類自然観察会

・日 時/9月6日(土)午前9時30分~同11時
・料 金/1000円 
・定 員/10人 小学生以上対象
・講 師/比嘉正一氏(学芸員)
 浦添大公園の自然の楽しみ方について園内を散策しながら解説する。公園に生息する蝶類は、沖縄島南部を代表するものばかり。
・電 話=098-873-0700


【コザ運動公園(沖縄市)】
◆帰化植物観察会

・日 時/9月13日(土)午前9時30分~同11時
・料 金/1000円 
・定 員/10人 小学生以上対象
・講 師/比嘉正一氏(学芸員)
 コザ運動公園には多種多様の帰化植物が生育する。入ってきた背景、自生種との関係、勢力拡大の秘密などを探る。
・電 話=098-932-0777

 

比嘉正一さん
執筆者
ひが・まさかず/1956年生まれ。月刊誌「緑と生活」、東南植物楽園勤務を経て沖縄文化スポーツイノベーション(株)顧問に。沖縄昆虫同好会会長、NPO法人沖縄有用植物研究会理事
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第2066号・2025年08月08日紙面から掲載

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