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2025年8月15日更新

[イランでの買い付け旅~北部編~]初めての町はドキドキ 伝統建築や名物に感動|ラグの世界⑰

イランやトルコなどの中東で手織りされるラグを取り扱う那覇市西の「Layout(レイアウト)」のバイヤー、平井香さんによるラグ買い付け旅記。今回は、初めて訪れたというイラン北部の町「ガズヴィーン」で出逢った、ラグや建物、名物料理のお話。

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エピソード⑰ イランでの買い付け旅~北部編~



ガズヴィーンのあるイラン北部エリアで出逢ったヴィンテージラグは、落ち着いた色合いで織りもデザインも比較的ゆったりしていた

 
まだペルシャ語に耳が慣れない中、テヘランから北西へ約150キロの場所にあるガズヴィーンの町へ向かう。

途中、さっそくイランの洗礼を受ける。休憩で売店に寄ると、日本ではコンビニでもよく見るカップタイプのアイスコーヒーが陳列されていた。買って飲もうとしたら、ストローもストローを挿す穴もどこにも見つからない。売店の前で一人、ケラケラと笑ってしまった。「あぁ、私はイランにいるんだなぁ」と。日本では当たり前だったことがそうではないと気づかされた瞬間、リアルに実感した。

タイル張りのバザール

16世紀のペルシャ帝国時代では都だったガズヴィーン。周辺にはクルド、トルコ、ロリなどさまざまなルーツを持つ人たちが暮らし、言語もペルシャ語やトルコ語が混ざっている。

町に着くと、天井から床までタイルで埋め尽くされた美しいバザールが現れた。ガズヴィーンの伝統的なバザールや、かつて商隊の宿として使われた「キャラバンサライ」は、少しずつ修復されながら今も美しい姿でそこに残っていた。床まで美しいバザールは初めてだ。

石畳を進むと何軒かラグの店があった。そのうちの1軒はイランのハンドメイドラグを幅広く扱うお店だった。「ガズヴィーンのあるイラン北部のエリアのラグを見たい」と伝えると、店主が山の中から引っぱり出してくれて、ザンジャンやターロムという町のヴィンテージラグを中心に10枚ほどセレクトした。比較的織りもデザインもゆったりとしている。落ち着きのある色合いのラグはこの辺の地域で出逢えたらいいなと考えていたので、少しほっとした。


タイルと石畳が美しいガズヴィーンのバザール​

名産のナッツ 料理にも

初めての場所は、ラグを見つけるまでは結構ドキドキしている。もちろん、行ってみたけど全然なかったということも何度もある。それでも行ってみることで、何かしら発見があるのが買い付け旅の面白いところ。

ガズヴィーンのラグはバザール内を探しても古いものが数枚しか見つからず、今ここではラグがほとんど織られていないという話は本当のようだった。

お世話になったラグ屋さんにこの町の名物料理「ゲイメ ネサール」が食べられるお店に連れて行ってもらった。ガズヴィーンの名産品はブドウ、キュウリ、マカダミアナッツ、ピスタチオなど作物が豊富。


この町のバザールに並ぶ野菜や果物はどれも新鮮! 人も多くて活気があった


ガズヴィーンの名物料理「ゲイメ ネサール」。名産のナッツがたっぷり乗っている

運ばれてきた「ゲイメ ネサール」はピスタチオとアーモンドのスライス、そしてイラン料理には欠かせないゼレシュク(英語ではバーベリーと呼ばれる赤い木の実)がご飯の上に乗っている。ご飯の中にはスパイスなどで煮込まれた優しい味付けのお肉が隠れていて、コクのあるナッツと甘酸っぱいゼレシュクがとてもよく合う。

ナッツとグリーンレーズンを旅のおやつに調達。再び車でさらに北上しカスピ海にほど近いラシュトという町へ向かう。




執筆者/ひらい・かおり
ラグ専門店Layout バイヤー
那覇市西2-2-1
電話=098・975・9798
https://shop.layout.casa

毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第2067号・2025年8月15日紙面から掲載

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