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2025年8月15日更新
[樹木観察会]平和創造の森公園(糸満市)|葉から植物を知る 「大人の自由研究」
本紙で「身近で見られる帰化植物」を連載中の学芸員・比嘉正一さんは、さまざまな公園で植物やチョウの観察会の講師をしている。8月2日には糸満市の平和創造の森公園で樹木観察会を開催。記者も参加し、比嘉さんの知識をお裾分けしてもらいながら「大人の自由研究」を楽しんだ。
樹木観察会
平和創造の森公園(糸満市)
葉から植物を知る 「大人の自由研究」
本紙で「身近で見られる帰化植物」を連載中の学芸員・比嘉正一さんは、さまざまな公園で植物やチョウの観察会の講師をしている。8月2日には糸満市の平和創造の森公園で樹木観察会を開催。記者も参加し、比嘉さんの知識をお裾分けしてもらいながら「大人の自由研究」を楽しんだ。
葉の形や質感に特徴
糸満市にある平和創造の森公園は1993年に行われた第44回全国植樹祭の会場跡地を中心に、24種8千本の苗木が植樹された公園。「森という名前だけど、人工的に創られたという意味では『林』に近いかな」と比嘉さんは話す。
この日は「葉」から、その樹木の特徴を観察する。「花から観察する方法もあるけれど、葉の方が時期を選ばずに観察できる」と説明する。

モンパノキ
散策路の足元に何げなく生えていた「シマグワ」を指さす比嘉さん。「よく見ると切れ込みのある葉と、卵形の葉が混在している。これがシマグワの特徴。木が成長するにつれ、卵形の葉が多くなっていく」。観察したシマグワは切れ込みのある葉が多く、まだ若木であることがうかがえた。

シマグワ
切れ込みのある葉と卵形の葉が混在するシマグワ。成長するごとに卵形の葉が多くなるそうだ
玩具や日用品にも
葉の活用についても解説。タコノキの細長い葉のトゲを切り落として風車をつくったり、オオバギの葉を手にし「これは昔、トイレットペーパーとして利用していた」と比嘉さん。「主に葉脈の凹凸がある裏側を使っていた。近年の研究で、オオバギには抗菌作用などがあることが分かっており、先人たちの知恵には頭が下がる」と説明する。

オオバギの表(左)、裏(右)
大きな葉の木で「オオバギ」というシンプルな名前。この大きな葉は昔、トイレットペーパーとして使われていたそう。「葉脈の凹凸のある裏側を主に使っていた」と比嘉さん
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ひが・まさかず/1956年生まれ。月刊誌「緑と生活」、東南植物楽園勤務を経て沖縄文化スポーツイノベーション(株)顧問に。沖縄昆虫同好会会長、NPO法人沖縄有用植物研究会理事
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第2067号・2025年08月15日紙面から掲載