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2024年6月14日更新

道端や荒れ地に咲くキク|ミチバタギク、アレチノギク|身近で見られる帰化植物⑮

文・写真/比嘉正一
海外から入ってきて、今では県内で普通に見られる帰化植物を解説。今回は、道端や荒れ地などに咲く、その名も「ミチバタギク」と「アレチノギク」を紹介します。

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道端や荒れ地に咲くキク
「ミチバタギク」「アレチノギク」

ミチバタギク(熱帯アメリカ原産)
ミチバタギクは小さく黄色い花を咲かせる

群生するミチバタギク
 

2000年代に増

熱帯アメリカ原産の「ミチバタギク」は、その名の通り道端などで見ることができます。別名はツルセンダングサです。草丈は5センチ~20センチくらいに成長し、茎は地面をはうように伸びる「ほふく性」の植物です。

沖縄に入ってきたのはわりと最近で、2000年に入って急速に広がったようです。

花は小さく黄色。葉は二枚が向かい合って出る「対生」です。葉や茎に微毛が生えていて、触るとザラザラしています。

侵入当初は、図鑑などを調べても名前が分からなかったのですが、知人に教えてもらって「ミチバタギク」と判明したときは、うれしかったことを覚えています。

 

アレチノギク(熱帯アメリカ原産)

アレチノギクの花

 

アレチノギクの草姿。茎が太くしっかりしているので抜くのに苦労する
 

昨今は減少傾向
 

「アレチノギク」も熱帯アメリカ原産で、草丈は30~80センチに成長する1年生草本です。こちらも路傍、荒れ地、畑の周囲、公園などどこにでも生えています。白くて小さい頭状花(多数の小さな花が集まって一つの花の形を作る。キク科によく見られる特徴)を咲かせます。オオアレチノギク、ヒメムカシヨモギも同じような環境に生育していて、そっくりですが、アレチノギクの頭状花の方が大きいことで判別できます。

これらのキク科の植物は根が太くしっかりしているので、抜くのに強い力が必要です。

アレチノギクは、明治中期に日本に入ってきて、昭和初期には全土に広がったとされています。沖縄でも以前は多く見られましたが、最近は少なくなってきています。
 

アレチノギクの綿毛。フワフワと風に乗って繁殖する
 


 

6月~7月の公園情報


【県民の森(恩納村)】
◆自然講座「海の危険生物」

日時/6月15日(土)午前9時30分~同11時
場所/木のふれあい館2F「研修室」
料金/1000円 定員/20人(小学生以上)

講師/新城安哲氏 (元県保健所職員)

沖縄の海遊びで出合う危険生物や今まで被害の記録がある事例、対処法、応急処置を詳しく解説する。

(電話=098-967-8092)

【平和創造の森公園(糸満市)】
◆園芸講座「ブーゲンビレアの咲かせ方」

日時/6月22日(土)午前9時30分~同11時
場所/管理事務所前
料金/1500円 定員/10人(小学生以上)

講師/比嘉正一氏(学芸員)

沖縄の代表的な熱帯花木、ブーゲンビレアの上手な育て方を解説。鉢植えの施肥・水やりや庭先ではどんな用土が良いか、せん定時期やたくさんの花を咲かせるこつ、接ぎ木、挿し木での増やし方を説明する。

(電話=098-852-4033)


【浦添大公園(浦添市)】
◆植物自然観察会

日時/7月6日(土)午前9時30分~同11時
場所/旧管理事務所前
料金/1000円 定員/15人(小学生以上)

講師/比嘉正一氏(学芸員)

浦添大公園の高台に位置する散策路沿いを歩きながら、自然の楽しみ方を解説。散策路沿いに育つ植物は、琉球石灰岩に育ち沖縄島南部を代表するものばかり。方言名やさまざまなエピソードを紹介する。

(電話=098-873-0700)


【平和創造の森公園(糸満市)】
◆夏のチョウ類自然観察会

日時/7月13日(土)午前9時30分~同11時
集合場所/「管理事務所」側休憩所
料金/1000円 定員/10人(小学生以上)

講師/比嘉正一氏(学芸員)

真夏のチョウ類の暮らしを間近に見る自然観察会。この時期、南方から飛来するチョウもいて、今年はどんな種類が園内にやってきているのか一緒に調査しよう!夏休み自由研究にもぴったり。

(電話=098-852-4033)

※諸事情で日時が変更になる場合があります。問い合わせ先にご確認ください。





比嘉正一さん
執筆者
ひが・まさかず/1956年浦添市生まれ。月刊誌「緑と生活」、東南植物楽園勤務を経て沖縄県県民の森(恩納村)の所長、沖縄昆虫同好会会長、NPO法人沖縄有用植物研究会理事

毎週金曜発行・週刊タイムス住宅新聞
第2001号・2024年05月10日紙面から掲載

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