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2024年1月19日更新

かばんや車に防災ボトル|アウトドア×減災⑩

能登半島地震では、食糧や水、防寒具などが行き渡らず辛い避難生活をしている人も多くいる。私たちも人ごとではない。那覇市曙にあるアウトドアショップ「燈人(ともしびと)」のスタッフ・與那嶺康貴さんがアウトドアのグッズや知恵を減災に活用する技を紹介。今回は「防災ボトル」を紹介するとともに、過去の連載から備えておきたい防災グッズや知恵も紹介する。

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かばんや車に防災ボトル

外出先から避難所にたどり着くまでに必要と思われるもの(ホイッスル、圧縮タオル、耐熱性ポリ袋、ミニライト、ビニール袋、常備薬、ばんそうこう、アルコール消毒綿、簡易ポンチョ、ようかん、小型缶切り、個人情報カード、現金)などを詰めました。簡易トイレやアルミ温熱シートは入らなかったので別で携帯します。これをベースに自分の必需品を追加してください


コンパクトで再注目

石川県能登地方を震源とする地震の被害者の方々に、心よりお見舞い申し上げます。お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするとともに、ご遺族に心からお悔やみを申し上げます。また、被災地域の一日も早い復興をお祈りいたします。

私としましても、減災のためにできることを少しずつやっていきたいと思っております。

今回は防災ボトルを紹介します。2022年4月11日に警視庁警備部災害対策課のX(旧ツイッター)公式アカウント(@MPD_bousai)で紹介された、透明なプラスチックのウオーターボトルに防災グッズを詰め込んだ「防災ボトル」が今回の災害で再注目されました。

ボトル自体が給水ポットや水筒としての機能があり、耐熱のタイプであればお湯なども持ち運びでき、簡易湯たんぽも作れます=左面「暖」参考。透明なので中身が見やすいなどのメリットも。

中に入れるものは、外出先から避難所や自宅までたどり着くための最低限必要そうなのものを厳選すると良いと思います。私はホイッスル、圧縮タオル、耐熱性ポリ袋、ミニライト、ビニール袋、常備薬、ばんそうこう、アルコール消毒綿、簡易ポンチョ、ようかん、小型缶切り、個人情報カード、現金を詰めました。
 
今回、防災ボトルに入れるモノを探しながらあちこちのお店を回ったところ、長期保存可能な保存食が充実していました。特に10年保証の備蓄水や3年~4年持つ備蓄米や備蓄おやつなどが普通に販売されていて驚きました。


お守り代わりに携帯

防災ボトルについて書こうと思ったのは、能登半島地震後のSNSで「『自分の地域も同じようになるのでは?』と恐怖や不安が頭から離れなかったところ防災ボトルの存在を知り、それを用意し持ち歩くことで日常生活を取り戻しつつある」という投稿を見たからです。使う事がなければそれが一番良いのですが、手元にあることで安心できる防災ボトルは「お守り」のような存在だと感じました。左ページにも備えのアイデアを紹介します。知ること&実行することで皆さまの気持ちが少しでも軽くなれば幸いです。



長期保存が可能な水(10年)やレトルト食品、米(3~4年)などがスーパーなどで普通に販売されていて驚いた

以前、「防災ピクニック」の記事では非常用持ち出しグッズや、「防災グッズのアップデート」についても紹介しました。こちらはしっかりと自宅に備えて置きたいものです。ぜひ参考になさってください

●防災ピクニック(2022年4月22日号掲載)

●防災グッズのアップデート(2023年9月1日号掲載)



過去に載った備えたいグッズ&知恵


●光  2023年6月2日号掲載

防災グッズとして備える光源は、コンパクトサイズで長時間の点灯が可能なLEDタイプが重宝。頭や首に装着できるヘッドライトも両手が使えて便利。また、中身の入ったツナ缶に、こより(キッチンペーパーやコーヒーフィルターなどを利用)を入れて簡易ランプもつくれる。その際は転倒による火災に注意が必要。手持ちの懐中電灯の光が小さい場合は、レジ袋をかぶせたり、水を入れたペットボトルを載せたりすると光が拡散し大きくなる。


ツナ缶を使った簡易ランプ(中央)。袋やペットボトルで光を大きくするアイデアも


●水  2023年8月4日号掲載

飲料水の確保は大切だが、大量の水を備蓄するのは大変。携帯用浄水器を備えるのも手だ。記事で紹介したのは「マイクロスクィーズフィルター(ソーヤー社)」という製品。市販のペットボトルに付けて使え、この1個で38万㌔㍑もろ過できる。実際、県内あちこちの湧き水を採取し、同製品でろ過。一般細菌試験紙と大腸菌群試験紙で確認したところ、各種の細菌が除去されていた。
 



●暖  2023年12月1日号掲載

冬場は、電気を使わずに暖を取れる「アナログ防寒具」も備えておきたい。記事では、ペットボトルで作れる簡易湯たんぽも紹介した。まず水をボトルの3分の1程度入れ、お湯を注ぐ。約7割くらいの量でキャップをしっかり閉めてタオルで包んで使う。




「アナログ防寒具」は、湯たんぽや使い捨てカイロ、保温性の高いアルミシート(エマージェンシーシート)など


●個 2023年5月5日号掲載

避難所でプライバシーを確保するためには、テントがあると便利。減災的観点からテントを選ぶ際は、地中にペグを打たない自立式のもの、コンパクトなもの、冷暖房のない場所で使うことも考えて換気口や窓があり、風通しを確保できるものなどが良い。


体育館などで使うなら自立式の物がよい。左下の小さなテントはペット用


●食  2023年10月6日号掲載

キャンプ飯でよく使われている「湯煎可能なポリエチレン袋」。食材をこのポリ袋に入れて湯煎すれば鍋が汚れない。米を炊くこともでき、一緒にカレーなどのレトルト食品を湯煎すれば時短にもなる。そのままポリ袋ごと盛り付ければ食器も汚れず一石何鳥にもなる優れモノ。

ポリ袋を何枚か重ねれば、水を運ぶこともできる。匂いも漏れにくいのでおむつなどを捨てる際にも重宝されているそう。コスパもいいので、ぜひ備えておきたい。



ポリ袋調理の様子。袋が鍋肌に接しないよう鍋底に皿を沈めたり、つるすなどして使う




文・写真/與那嶺康貴
よなみね・やすたか/沖縄ヤマハ内のキャンプギアコーナー「燈人(ともしびと)」スタッフ。那覇市曙1-8-10、電話=098・866・5365

[HPが新しくなりました!]https://sites.google.com/view/tomoshibito/


毎週金曜発行・週刊タイムス住宅新聞
第1985号・2024年1月19日紙面から掲載

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