地域情報(街・人・文化)
2023年8月4日更新
携帯浄水器 使ってみた|アウトドア×減災⑤
那覇市曙にあるアウトドアショップ「燈人」のスタッフ・與那嶺康貴さんが「減災(災害によって被る被害を少しでも食い止めるような行動や取り組み)×アウトドア」をテーマに執筆。今回のテーマは「災害時での水の確保」。携帯用の浄水器を試してみました。
携帯浄水器使ってみた
那覇市曙にあるアウトドアショップ「燈人」のスタッフ・與那嶺康貴さんが「減災(災害によって被る被害を少しでも食い止めるような行動や取り組み)×アウトドア」をテーマに執筆。今回のテーマは「災害時での水の確保」。携帯用の浄水器を試してみました。
携帯用浄水器の性能を試験紙で確認
一人1日3リットル必要
災害時にライフラインが止まってしまったとき、飲料水の確保はかなり重要です。大規模災害時には、一人当たり1日に3リットルを目安として3日分を備蓄することが推奨されています。そうなると水の備蓄は一人9リットルで家族の人数分に換算するとかなりの量になります。他にも非常食や備蓄品も用意するとスペースの確保が大変です。
そこで、今回はアウトドア用品の中から、水をろ過してくれるコンパクトな浄水器を紹介したいと思います。
実は私、使ったことがなく「本当にきれいな水になるのかな?」と思っていたので、この機会に実験してみることにしました。
携帯用浄水器で実験
今回、使用した携帯用コンパクト浄水器は「マイクロスクィーズフィルター(ソーヤー社)」という製品。この小さな器具の中にはフィルターが備わっており0.1ミクロンの穴が無数にあいていて水をろ過します。バクテリアや有害な病原菌なども除去してくれる上、市販のペットボトルの先端に取り付けて使えるので手軽です。使用後は専用器具で注ぎ口と逆方向からきれいな水を押し出すことで洗浄できます。この一個で38万キロリットル+αもろ過できます。
細菌をしっかり除去
それでは実験開始。一般細菌試験紙と大腸菌群試験紙を用意しました。試験紙はすぐに結果が出るわけでなく一定時間、恒温器(35~37度)で培養する必要があるので、即席恒温器としてホッカイロ入りの発泡スチロールボックスを準備しました。
まず向かったのは、全国名水百選にも選ばれている南城市の「垣花樋川(カキノハナヒージャー)」。家族連れや学生たちが水浴びして楽しく涼んでいました。私は上流部で勢いよく流れる湧水を確保し、くんだ水をそのまま試験紙に浸します。次に浄水器を通した水を試験紙に浸して即席恒温器の中へ。
2カ所目は、子どもたちが水遊びを楽しんでいる糸満市の「与座ガー」、3カ所目は親子が魚取りを楽しんでいた八重瀬町にある「世持井(ユムチガー)」で水を採取しました。
結果は左上の写真の通りです。浄水器を通した水は、細菌の繁殖がなく試験紙はきれいないまま。各種の細菌がしっかり除去されていました。水自体を見ても、原水には点々と汚れが見えましたが、浄水器を通した水はそれがなくちゃんと除去できているのが分かりました。
次は川の水を採取して実験してみたいと思います。それではまた!
地域の湧き水をくんで(左)、携帯用浄水器でろ過した(右)
よなみね・やすたか/沖縄ヤマハ内のキャンプギアコーナー「燈人(ともしびと)」スタッフ。店舗は那覇市曙1-8-10、電話098・867・3359
毎週金曜発行・週刊タイムス住宅新聞
第1961号・2023年 8月4日紙面から掲載