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2023年11月17日更新

[沖縄・木造住宅特集④]高断熱・高気密でも開放的|島建築 株式会社

高断熱・高気密な家というと「窓が小さい」とか「閉めきった家」というイメージを持つ人は少なくない。だが、島建築株式会社の與儀征剛さんは、「開放感と、高断熱・高気密は両立できます」と力を込める。

與儀さんが手掛けた自邸。木ルーバーで囲った中庭を設けた。住宅地でもカーテン要らずで伸び伸び暮らす
與儀さんが手掛けた自邸。木ルーバーで囲った中庭を設けた。住宅地でもカーテン要らずで伸び伸び暮らす


設計の工夫で機能と快適を両立

高断熱・高気密な家というと「窓が小さい」とか「閉めきった家」というイメージを持つ人は少なくない。だが、島建築株式会社の與儀征剛さんは、「開放感と、高断熱・高気密は両立できます」と力を込める。

同社の木造住宅は、断熱材で家をすっぽり覆う「外断熱」と、樹脂サッシ・複層ガラスを標準仕様としている。高性能な造りをベースに「自然光や風、季節の移ろいを感じられるよう窓の設け方や間取りを工夫し、心からくつろげる住まいを提供しています」。

例えば、首里の住宅地に建つ與儀さんの自邸は、木ルーバーに囲まれた中庭が特徴=写真。2階までの吹き抜けになっていて開放的だ。「隣家や道路と近接しているが、カーテン要らず。夏場のきつい日差しは遮りながら、冬場の日光は室内に取り入れられるよう、ルーバーの角度を調整しています」。

シティーホテルの道向かいに計画中の住宅では、「ホテルとの間にアプローチを設けて緩衝空間とし、ホテルの植栽が借景になるよう窓の位置を計算。周辺環境と、ちょうど良い距離感でつながるよう配慮しました」。

「機能性だけを追求しても、味気ない住まいになってしまいます。開放感を求めて大きな窓をつくっても、カーテンが開けられないようでは意味がありません。大事なのは現代の住宅に求められる断熱・気密性能を確保しつつ、敷地に合わせて外部空間を取り込むことです。そうすることで生活の満足度が上がります」

2021年2月ごろに撮影した與儀さん宅の外観
2021年2月ごろに撮影した與儀さん宅の外観

約2年半後の今年10月に撮影した外観は、黒っぽくツヤが出てきた。「経年美を楽しめるのも木造の良さ」
約2年半後の今年10月に撮影した外観は、黒っぽくツヤが出てきた。「経年美を楽しめるのも木造の良さ」
 
 
経年美を楽しむ

外壁には耐久性の高い杉板を使用。「杉板は基本的にメンテナンスフリーですが、無着色の保護防護剤を塗布しています。耐久性をより高めつつ、木の経年変化も楽しめます」と話す。

與儀さんの自邸は完成して3年半。杉板は黒っぽくなりツヤが出てきた。「こうした経年美を味わえるのも、自然素材を用いた木造の良さ。赤瓦も良い感じに渋くなってきていて、今後の変化も楽しみです」と目を細めた。
 
南城市の物件は、周囲の視線が気にならないので大きな窓を設けた
南城市の物件は、周囲の視線が気にならないので大きな窓を設けた





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毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1976号・2023年11月17日紙面から掲載

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