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2023年5月26日更新

[建築科がある工業高校④]浦添工業高校(浦添市)|建築科が新設 実習を手厚く

ものづくりの知識と技術を磨ける工業高校には、さまざまな学科がある。今回は「建築科」を特集。県内で建築科を有する五つの工業高校に授業内容や進路状況を聞いた。



建築科が新設 実習を手厚く

浦添工業高校(建築科)

浦添工業高校(建築科)は

◆本年度から新設された。家具製作などを行うインテリア科とは別に設けられ、それぞれの定員は40人。
◆他校の建築科よりも、2年次の実習の単位を多く設定。座学に加えて、実習を通して、より理解を深めるカリキュラム。

※オープンスクールは6月28日(水)、7月26日(水)、10月14日(土)。オープンスクールでは学校・学科説明会とともに、7月は実習を体験でき、10月は浦工祭にも参加することができる。



浦添工業高校の「建築科」は本年度、新設された。昨年度までは家具製作、工芸などに重点を置いた「インテリア科」のみだったが、「県内の人材不足を解消したいという建設業界の働きかけもあり、建築科の新設となった」と同科の喜瀬達也先生は話す。建築科では建物の設計、施工、構造、建築法規などが学べ、卒業と同時に2級建築士の受験資格を得ることができる。

また、同科の特徴は2年次の実習について他の工業高校よりも単位を多く設けていること。「座学で学ぶ知識も大事だが、生徒が自分の手を動かし、それぞれの体験から理解を深めるカリキュラムとなっている」

木工の授業。建築大工技能検定(3級)で出される課題を基に、手工具の基本的知識や使用方法を学ぶ
木工の授業。建築大工技能検定(3級)で出される課題を基に、手工具の基本的知識や使用方法を学ぶ


建築科の“文化”創っていく

定員40人に対して、男子生徒23人、女子生徒6人が一期生として入学。「定員を下回ったが、その分一人一人に目が行き届いた授業が行える」と喜瀬先生。木工など技術を競う全国大会などで結果を残してきたインテリア科に比べて、「建築科にはまだ実績がない。設計コンテストなどに参加し、今後入学してくる生徒らにいい影響を与える文化を一期生と一緒に創っていきたい」と力を込める。

また、「資格取得にも積極的に取り組んでいく」とも。建築大工の技能検定など授業を通して全生徒が取得を目指すものをはじめ、2級建築施工管理技士補などの資格は、希望する生徒にあわせて放課後や夏休みに講座を開き、合格のサポートをする。喜瀬先生は「就職、進学の進路を問わず、資格や設計競技などに挑戦してほしい」と話した。

 

わが校のココがイイ!

建築科1年(左から) 備瀬杏哲(りんてつ)さん、上原優織(ゆおり)さん
建築科1年(左から)
備瀬杏哲(りんてつ)さん、上原優織(ゆおり)さん


◆浦添工業の建築科を選んだ理由
(備瀬)祖父が彫刻をするなど、昔からものづくりが身近な存在でした。建築科に進めば、ものづくりについて幅広く学べると思いました。
(上原)外出した際に、街の建物を見るのが好きでした。昨年のオープンスクールで建築科が新設されることを知って、入学しました。

◆楽しみしている授業は?
(備瀬)木工や模型作りです。中学生の頃から棚などを作っていたこともあり、友達と教え合いながら楽しみたい。
(上原)製図です。自分で線を引いて図面やスケッチを作成するのはもちろん、CADなどを使ってイメージを表現する技術の幅をしっかり広げていきたい。

◆将来の夢
(備瀬)ものづくりが好きだから、建築現場で活躍する技能士を目指しています。明確な職種については模索中ですが、学びながら自分の進む道を決めたい。
(上原)建築士。図書館など多くの方が利用する建築物の設計に携わり、街に活気を与えられるようになりたい。


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撮影・取材/東江菜穂、出嶋佳祐、市森知
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1951号・2023年5月26日紙面から掲載

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