【沖縄】[見て食べて楽しむ野草]⑨|今月は「サシグサ」|最強の雑草も食べられる|タイムス住宅新聞社ウェブマガジン

沖縄の住宅建築情報と建築に関わる企業様をご紹介

タイムス住宅新聞ウェブマガジン

スペシャルコンテンツ

地域情報(街・人・文化)

2022年12月2日更新

【沖縄】[見て食べて楽しむ野草]⑨|今月は「サシグサ」|最強の雑草も食べられる

文・写真/比嘉正一(沖縄県営中城公園 所長)




今月は「サシグサ」 最強の雑草も食べられる


【方言名】
別名/アワユキセンダングサ、シロノセンダングサ、シロバナセンダングサ
【キク科で奄美~八重山諸島に分布】


年中花咲く貴重な蜜源

種が服などにくっつく「サシグサ」は、1年生~多年生の草本。北米原産の帰化植物で熱帯から暖帯まで広く分布します。コセンダングサの変種でアワユキセンダングサ、シロノセンダングサ、シロバナセンダングサなどがありますが、県内ではまとめて「サシグサ」と呼ばれています。1970年代、沖縄にはアメリカセンダングサ、コセンダングサが路傍に生えていて、その後アワユキセンダングサ、シロノセンダングサが増えてきました。

サシグサは群生し、他の植物種の発芽を阻害します。生育は旺盛で畑や路傍に雑草としてはびこると、除草にはかなり難儀をします。最強の雑草・サシグサですが、良い点もあります。それは花を1年中咲かせるので、チョウやミツバチの貴重な蜜源になっていることです。特に養蜂家にとっては、恵みの花として重宝されています。
 
野草試食会で人気だったサシグサのジェノベーゼ(上)とジューシー(下)。ジェノベーゼはゆでたサシグサと島豆腐、マヨネーズ、オリーブ油、ナッツなどをミキサーにかけてペースト状にした野草試食会で人気だったサシグサのジェノベーゼ(上)とジューシー(下)。ジェノベーゼはゆでたサシグサと島豆腐、マヨネーズ、オリーブ油、ナッツなどをミキサーにかけてペースト状にした
野草試食会で人気だったサシグサのジェノベーゼ(上)とジューシー(下)。ジェノベーゼはゆでたサシグサと島豆腐、マヨネーズ、オリーブ油、ナッツなどをミキサーにかけてペースト状にした
 

火を通し青臭さ軽減

また、サシグサは薬草として知られていて、宮古島では健康茶として商品化されています。

野草の観察・食事会をすると「こんな雑草も食べられるんだ!」という声が多いのですが、特にサシグサは驚かれます。食べ方は柔らかい新芽を天ぷらにしたり、ジューシーなどに入れても良いですし、おひたしにしても良い。野菜の代わりとして使えます。ただし青臭さがあるので、火を通して使うのがおすすめです。

 

 サシグサの島豆腐あんかけ サシグサの島豆腐あんかけ

【材料】
サシグサ、島豆腐、コーン、カニカマ、だしの素、ゴマ油、水溶き片栗粉

【作り方】
1.
島豆腐は、約2センチ角に切って油で揚げる。

2.サシグサは細かく切る。カニカマは適宜ほぐす。

3.フライパンにゴマ油を熱し、2.のサシグサを炒める。

4.3.にコーン、カニカマ、だしの素を入れ煮立ったら水溶き片栗粉でとろみをつけ、島豆腐にかける。


 サシグサ入りモーイのジュレ 
サシグサ入りモーイのジュレ
【材料】
サシグサ、モーイ、A(豚肉・シイタケ・ちくわ・ニンジン)、B(しょうゆ・かつおだし・酒)、水

【作り方】
1.
熱湯にサシグサを入れサッとゆでる。

2.モーイは水で戻し、ゆでる。

3.Aを細かく刻んで炒め、火が通ったらBの調味料と水を加える。

4.3.にモーイを入れ、具となじんだところで1.のゆでたサシグサを加えて混ぜる。

5.粗熱をとり、容器に入れて冷やし固める。
 



12月の公園情報

【中城公園】
◆接ぎ木体験教室  

日時/12月3日(土)午前9時30分~同11時
場所/中城公園「会議室」
料金/1500円 定員/10人(対象大人) 
講師/比嘉正一氏(学芸員) 

接ぎ木の基礎的な講義後に、シークヮサーの台木に各種のミカン穂木を接ぎ木するほか、ヒカンザクラの台木にクメノサクラを接ぎ木します。接ぎ木した鉢植えは持ち帰りできます。
中城公園/電話=098・935・2666


【浦添大公園】
◆接ぎ木体験教室

日時/12月10日(土)午後1時30分~同3時
場所/浦添大公園 南エントランス多目的室前
料金/1500円 定員/10人(対象大人)
講師/比嘉正一氏(学芸員)  

中城公園の内容と同様
浦添大公園/電話=098・873・0700


【名護城公園】
◆海を渡るチョウ・アサギマダラの話  

日時/12月17日(土)午前9時30分~同11時
場所/名護城公園学習室 
料金/500円(資料込み)
定員/15人(対象大人)
講師/比嘉正一氏(学芸員)

名護城公園は渡りをするチョウ・アサギマダラの中継地点として確かめられました。チョウが渡りをするきっかけや調査方法、結果などを解説します。
名護城公園/電話=0980・52・7434





比嘉正一さん
執筆者
ひが・まさかず/1956年生まれ 月刊誌「緑と生活」、東南植物楽園勤務を経て現職。沖縄昆虫同好会会長、NPO法人沖縄有用植物研究会理事
 
毎週金曜発行・週刊タイムス住宅新聞
第1926号・2022年12月2日紙面から掲載

地域情報(街・人・文化)

タグから記事を探す

この連載の記事

この記事のキュレーター

スタッフ
週刊タイムス住宅新聞編集部

これまでに書いた記事:2128

沖縄の住宅、建築、住まいのことを発信します。

TOPへ戻る